覚醒と新たな情報
「未来を改変する力ですか。」
「あぁ。俺の好きなように未来を操作できる。」
「ですが弱点がありますね。」
「まぁ弱点というか当たり前のことだな。俺の視界に映っているものじゃないといけない。」
今現在フツロの視界の中にムッジーナはいない。ムッジーナが操作するイェスト族が大量にいるためフツロはムッジーナの姿を捉えることができないでいた。
この目があっても、見えなければ意味がない。
今のフツロにこれを幸福の目で打開する体力はない。
「どうしました???早く私の元へ来てくださいよ。」
「行ってやるから待っとけ。」
(でもどうやって、、、)
「俺を使え。フツロ」
「!!!またこの声。どこから。」
「お前の腰だよ。」
フツロの腰にはハセリからもらった才器がある。声の主はこの剣だった。
「いいから俺を持て!持ったら全てを理解する!」
レアトが才器を構える。それと同時に知ることになる。この真の力を。
「さぁ俺の名前を叫べ!そうすることで解放される。俺の名前は!!!」
「エクスカリバー!!!」
「そうさ!その名!久しぶりだ!」
フツロが彼の名前を叫ぶと同時に剣から神々しい光が辺りを照らす。
それは神が天から舞い降りたと錯覚するほどの美しい光。
ここに神が誕生した。
「なんだ?!この光!」
「さぁ見せてやろうぜ。俺たちの力。」
「そうだな!」
「一体何が、、」
ムッジーナはまだ神の誕生を気づいていない。
だが、すぐに気づくことになる。一瞬の瞬き。目を開いたムッジーナの目に映る景色は変わっていた。
自分が操作していたイェスト族たちが上半身と下半身が半分に切られており目の前に立っているのはエクスカリバーを構えたフツロのみ。
「な、何をした!」
「見ての通り切っただけだ。未来を。」
「未来?」
「そのままの意味だ。もうお前が操れる死体はない。」
「だが、俺が見えなければ意味はない!」
ムッジーナがフツロの視界に入らないために目にも止まらむスピードで動き回る。視界に入らなければ、幸福の目の効果はない。
しかし、それだけである。
フツロはムッジーナがどこにくるかなど自分自身の未来を見ることで容易に分かるのだ。
「別に幸福の目以外にもお前を倒す術はある。エクスカリバーここは俺だけで終わらせる。」
「そうか!」
「やってみてくださいよ!」
バンババン!
どこからか音がなる。動き回ることしかできないムッジーナはその音の鳴る原因を探す。その音はフツロ自身からなっていた。
花火化である。
「なんですかそれは!」
レアトの花火化を見ていたムッジーナはフツロの花火化を見て驚いている。
そして花火化を使うレアトをその花火化をみて驚いていた。
しかし、レアトは知っていたその花火化を・・・・・・
通常の花火化は魔力が体から飛び出す。それが花火のように弾けることから花火化と呼ぶ。しかし、花火化した本人の体の中に残っている血液量、魔力量、花火化のときの血液の流した魔力量、水分量、体力そして精神力が噛み合った時体から飛び出す魔力がなくなり、体の中で火花が起きる。
この姿は稀にしか起きず、この姿の経験者ヌエボは太陽になるという意味でこれを神陽化と名付けた。
まさに神そのものである。
「これが神陽化、、、」
フツロは神陽化した自分の姿を見る。光輝く自分自身をみて言う。
「これが神。」
構えるフツロ。右足を上げ、膝を折り畳み胸に近づける。その右足にはフツロの体に流る魔力が集まっていた。
ムッジーナはもう攻めるしかないことを理解しフツロに突撃する。
「食べさせろー!」
「潔う死んでくれ。」
トンッ
フツロが地面を蹴り宙に舞う。フツロに突撃していたムッジーナからはいきなり消えたように見えるだろう。
フツロが真下にいるムッジーナに向かって足を振り下ろす。
神陽化の時魔力を集めた攻撃は撃拳花火の時以上に爆発する。
その光景は太陽が爆発したと言っても過言ではない。
太陽のような光が美しい花を咲かせるように見えるその技をこう名付けた。
「日花」
美しい光がレアトとフツロを包む。その光は味方には癒し、敵には災いとなる。
この光でレアトとフツロはある程度回復した。
一方ムッジーナは、もうほとんどが塵となっている。
ムッジーナに歩み寄る二人。
「食べたかったですね〜」
完全に塵となって消えたムッジーナ。戦いは終わった。
「最後の言葉がそれかよ。」
「イェスト族らしい最後ですかね。」
新たなる力を手に入れることができたフツロによってイェスト族は二度目の絶滅となった。
フツロとレアトはなぜ復活したのかという謎。この漆黒の町の謎は分からずにこの任務を終える。
この謎はいずれ知ることになるのだが、、、
***
「フッー!終わったか!」
「やっとですね。僕もう疲れましたよ。」
「二人ともお疲れ様です。レアトさん才器無駄にしてしまって申し訳ないです。」
「いや大丈夫だよ。多分戻ってるし。」
「と、いうと?」
「武器を操るものは一定時間持ってたら戻るんだ。だからいずれまた出てくるよ。」
「それはよかったです。」
「そういえばレアト。お前戦う時性格変わるんだな。一人称まで変わってたぞ。」
「そうですか?あんまり自覚がないんですが、、」
「まぁ俺も変わるから気にしなくていいと思うけど。もうこの国にいるのは気が悪いし早めに出よう。」
「ですね。」
そうして颯爽とこの町から出るのだった。
***
〜大広間〜
「え〜。なんか戦ってた気がしたから来たのに〜。もう終わってるじゃん。なんかムッジーナ?だっけ。消えてるし。まぁいっか!良い暇つぶしになったし!」
***
ズキン!!
レアトに頭痛が走る。
レアトは本能で何かに気づいていた。しかし、それを知るのはまだ先になる。
2人は漆黒の町から出ることが出来た。
「うわっ!まだちょっと明るい!」
「時間でいうとまだ15時とかか?とりあえずディーキェに戻ろう。」
2人(プラス1冊)が外に出た直後見覚えのある姿があった。
「おーい。お前ら迎えに来たぞー。」
「テクトさん!!」
セイスフェリスのテクトファミリアが二人を迎えに来ていた。
「大丈夫なんですか?こんなところまで来て。」
「あぁ。移動魔本があるからな。それで迎えにきた。それよりフツロ。強くなったな。」
「ありがとうございます!」
「そいつも起きたらしいし。」
テクトがフツロの腰に刺さっているエクスカリバーを見ながらいう。
「こいつ相当強いなフツロ。」
「やっぱり分かるんだな。」
「何がですか?」
「そいつの声はお前にしか聞こえないぞ?例外はあるが。まぁとりあえず戻ろうそこで説明してやる。スカルもお疲れ。」
「ありがとうございます。少しばかり疲れたので寝ます。」
本も寝るんだと思った二人だが、何も言わずに戻ることにした。
テクトの移動魔本だが、レアトには身に覚えがあった。
「これって現世に繋がってるやつですか?」
「あれはこれと同じだ。作ったの俺だしな。」
「そうなんですか!じゃあこっちにも来たことが?」
「それも含めて話すよ。」
ディーキェに戻った3人はプーリヤの元へ行った。
「おう!お疲れ!死ななくてよかったな!」
「ギリギリ耐えました。」
「同じくです。」
「だいぶ変わったようだし、ついに起きたかって感じだな!」
「ついに起きてくれましたね。」
「ついにって、こいつの事なんでしょうけど。」
「簡単にいうとそいつは伝説の才器だ。」
「才器ぺカードクラス。神剣エクスカリバー。選ばれたものにのみ扱える伝説の才器の一つです。」
場の空気が変わる。フツロがハセリからもらったこの才器は伝説のぺカードクラスの一つだった。
「でもなんでそんな物を父さんが?」
「言っただろう?選ばれしものしか使えないと。それは代々フェリシダット家が引き継いでいる家宝。フェリシダットの名を持った者にのみ使える才器だ。」
「この剣がぺカードクラス、、」
「世界に5つしかない内の1つ、、」
「じゃあこれがフェリシダットが所持している唯一の?」
「半分正解だな。それは正式にはフェリシダット家が所有しているということになる。」
「エクスカリバーも含めるとフェリシダットが所有しているぺカードクラスは2個です。」
「これと同じクラスがもう1つ?」
「それがどこにあるか分からないということですか?」
「そういうことだ。フェリシダットが所持しているとだけ知っている。おそらくハセリさんは知っているだろうな。」
「そうですか、、、、」
フツロはこのぺカードクラスの神剣エクスカリバーの所持者。そのプレッシャーは重い。しかし、神剣エクスカリバーをあつかれる者はフツロ以外いない。ここから先、彼はフェルテフェリスと同等の立場に立つのだが、、、、
「!そんなことより!プーリヤさん援護ありがとうございます!」
「確かに!ありがとうございます!あの時まだ目が慣れてなくて、」
「気にするな!ちょうど援護できそうだったしな!」
「とりあえず疲れてることだし、本部まで送ってやるよ。俺も本部に用事がある。車は本にしてるからさっさと帰ろう。」
「ありがとうございます!」
「じゃあな!」
3人は移動魔本を使用して本部に帰還した。
時間がかかる道のりを覚悟していたフツロとレアトは楽に帰れたことによりいち早く休息が取れる事になはずだが、そうはいかないと知るのはまだだった。
本部に到着した3人。
「俺が報告しといてやるから。ちょっとお前らの記憶を本にさせてくれ。」
テクトは二人が漆黒の町で経験した全てを本にし、報告しにいく。
「色々ありがとうございました!」
「ありがとうございます!」
「可愛い後輩だからな。せいぜい頑張れよ!」
二人と分かれたテクト。この報告をある人物のところへと届ける。
***
(うわ〜カッコつけてあいつらと分かれたけど、あの人どこにいるんだろう
驚かしたいから連絡したくね〜。)
テクトが本部に顔を出すのは珍しいことなので彼自身本部の構造は忘れていた。
外には出してないだけで彼は結構こういう性格なのだ。
「!!!」
どうしようか悩んでたところにある人物が目の前を歩いているのに気づいた。
「りあさん!」
「???」
振り返ってその声の主を確認するりあだが、その顔は険しかった。
「なんでここに???」
「いや〜りあさんじゃぁないですか〜。ちょっと助けてくださいよ〜。」
「い、嫌です!」
りあが嫌がる理由はというと、簡潔に言うなればテクトがりあの年上にも関わらず、りあよりフェルテフェリスとしての立場が下だからというのを面白がっているからということだ。りあはトレスフェリス。立場はそこそこ上なのだが、年はもちろん若い。なので敬語はやめてほしいと言っているのだが、中にはこうして馬鹿にする者もいる。
「ていうか、なぜここに?」
「レアトとフツロを連れて帰ったついでに報告書も出してやろうと思って!あ、思ったんです!」
「はぁ〜ほんとにやめてほしいですね。じゃ案内しますよ。どうせ驚かしたいから連絡してないんでしょう?」
「さすがりあさん!頼みます!」
「私も少しその報告が気になるので。確かさっき休憩しているのを見ました。」
りあはテクトをその目的の人のところへと連れて行った。
りあが案内したのは本部のフリースペース。基本ここで作戦会議をしたりだらけたりとその使い方は人それぞれある。
フェルテフェリスに会える場でもあるため、一般のフェリスも多用している。
「ほら居ましたよ。」
りあが示す先にいたのは一人でだらけていたヌエボだった。
「ヌエボさん!」
「!!!テクト!!!」
二人は大の仲良しなのである。
「なんでここにいるんだよ!!」
「いや〜驚かせたくて来ちゃいました!!」
りあは自分より大人の男二人がいちゃついているのを見て気を悪くしているが、そんなことは気にせずに二人は久しぶりの再開を楽しんでいる。
やっているこの光景は高校のそこら中にあるそれだった。しかし、彼らはフェリシダット最高戦力。ここに居合わせた一般のフェリスたちはもう気が気でないのである。場の空気がざわつく。
「私たちが集まったら大変なことになるのでどこか移動しましょう。」
「そうしましょうか。」
***
3人はフェリシダットになるりあの部屋へと移動した。
「なんで私の部屋なんですか?」
「いや〜俺の部屋汚いからな〜。」
「俺は今部屋ないんで。」
「そうですか。」
りあが嫌そうにため息をつく。
「まぁ報告聞きましょうか。」
「はい。まずは、、、」
テクトはフツロとレアトが体験したことを事細かに話した。レアトの花火化と撃拳花火、フツロの神陽化、日花の成功、幸福の目の開眼、そしてぺカードクラス神剣エクスカリバーの起床。
「ついに来たか。」
「フツロさんもついに私たちと同じ立場になりそうですね。」
「フツロが日花を成功させたのは嬉しいが、エクスカリバーが起きたか。」
フェリシダットの中で神陽化に成功し、日花を成功させたことのある人物はヌエボのみである。
「エクスカリバーが起きたのは良いことではないのですか?」
「悪いことじゃぁないんだが、エクスカリバーが起きたということは近い将来厄災が来ることを意味する。」
「真相は知りませんがエクスカリバーはぺカードクラスの中で唯一自我がある才器です。そしてエクスカリバーの特性上フェリシダット家の相伝魔法、未来視と深い関わりがあります。彼が起きるということは未来でぺカードクラスが必要になるほどの厄災が来るということです。」
「このことを知っているのはハセリさんと俺らだけ。これでひとまず俺らがする事は決まった。」
「ぺカードクラスの回収ですか?」
「さすがです。」
「一旦ハセリさんに報告してどうするかだな。ハセリさんのところに行くか。どうせ分かってるだろうけど。」
トントン
誰かがりあの部屋のドアをノックする。このタイミングで来る人は一人しかいない、、
「来たよ〜!久しぶりだねテクト。」
「お久しぶりです。」
「ハセリ様。聞いてた通りです。どうしましょう。」
「ぺカードクラスの回収はヌエボとテクトに任せる。ディーキェにはテクトが戻るまでハズロに行かすから安心して探してくれ。探すぺカードクラスは3つ。
星槍ロンギヌス、空鎧水如、盾月イージス。
残り2つはフェリシダットが所有しているから安心してくれ。」
「1つはフツロのエクスカリバーだとして、あと1つは?」
「残り1つは、まぁ今はまだいいでしょ。とりあえず頼むよ。」
「了解。」
「りあはちょっと来て。」
「了解です。」
そうしてテクトとヌエボはぺカードクラスの捜索にあたる。
二人はまず才器の情報を集める。エクスカリバーのように自我を持つものは無いが、ぺカードクラスともなると周りに及ぼす影響は凄まじい。才器は謎が多い。誰が作ったのかも不明。どこに出現するかも不明。なぜ能力がつくのかも。何もかも分からない。二人はそれを調べることにする。
そして二人は、この世の全てを知ることになる。
***
一方りあは、ハセリの部屋にいた。そこにいたのは二人と任務終わりのレアトだった。
「お疲れレアトくん。なんでここに?」
「その理由も兼ねてりあを呼んだの。」
「ハセリ様からの用事、、」
「君たちの世界にカイードが出現した。」
「僕たちの世界に?!」
「どうやら魔力が多いということと知性を持ってしまったせいで行く方法を見つけてしまったらしい。」
「それを私たちが討伐しろということですか?」
「半分合ってる感じかな。君たちにはフェリシダットの支部の一つレアリードと協力してもらう。君たちの世界の支部だ。」
「こっちの世界の支部、」
「一体どこにあるんですか。」
「まぁそれは一旦置いといて今日は家に帰ったらいいよ。帰ったら分かるから。どうやら被害はまだ出ていないからね。りあはちょっと訓練室に来ようか。」
「了解です。」
「僕は帰ります。さすがに疲れました。」
レアトは任務終わりということもあり、もう限界だったので家に帰ることになった。
りあはハセリと一緒に訓練室へと向かう。
訓練室についた二人は口を開く。
「私はなんで呼ばれたのでしょうか。」
「このことを知っているのは、ヌエボとハズロと君だけになる。結論だけ言うが、フェリシダットにスパイがいる。」




