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描きかけ恋愛青春小説。

雪だるまは、オーパーツ……。

作者: 破魔 七歌 
掲載日:2021/12/04





「雪だるま…作っていたのは…いつの日か…」



 

 試験(テスト)の手応えなく(うつむ)いて歩く交差点。


 止まない雪が、公園の時計を見えなくする。


 


「よ!未来の助手!試験(テスト)どうだった!?」


 


「痛ぇよ。(カバン)で殴るなよ…。お前は?」



 

「私? 3教科、0点のハットトリック!追試、間違い無いね!」

 



 こいつは、幼馴染みの(ヒトミ)。馬鹿なくせにお菓子作りと料理は、上手い。




「ふ~ん? 手応え無し? 落ち込むなよ少年! お味噌汁作ったげよっか? サイコロステーキ! とか!?」




「いらねーよ…」



 

 最近、オーパーツの展示で話題の博物館。


 重厚な出入り口の鏡のような扉に、俺と映画女優みたいな(ヒトミ)が、映る。


 


「でも、笑えるよね? 英語のヒアリング? カセットテープだよ?

 

 いつの時代? キュルキュルって! アハハ! 試験(テスト)になんないし!

 

 おまけに試験(テスト)中密室で、誰か(オナラ)するし! アハハ!」


 


「お前…。全然、色気ねぇなぁ…」


 

 

「ふ~ん? 君は、女の子と手も握ったこと無いくせに? 握ったげよっか?」




「いらねーよ!」




 同い年なのに意識する経験の差。


 (ヒトミ)には、サーファーみたいな彼氏が、いる。


 試験(テスト)なんかより俺の知らない世界を知っている。



 


「ねぇ?ここ…。入らない?」




 初老の夫婦が、博物館の扉から腕を組んで出て来る。

 

 二人とも吐く息を白くして談笑が、絶えない。




「なんだよ?急に?珍しいな…」




「良いから…。ね?入ろ?」




 手早く入場券(チケット)を二人分購入して中に入る(ヒトミ)


 他の展示物には、目も暮れず特別展示室へと入っていく。


 黙ったまま立ち尽くす(ヒトミ)が、そこにある『オーパーツ』を見つめている。

 



「雪だるま…」



「え…?」



「子供の時、二人で作ったよね?覚えてる?」




 さながら、目の前の『オーパーツ』は、雪だるまのようだ。


 子供の時の記憶が、蘇る。




「彼氏は…?」




「あぁ…。アレ? ただの(ウワサ)だよ? 信じた?」




 確信の無い(ヒトミ)の発言。


 (ヒトミ)の長い髪が、俺の頬に触れる。

 

 沈黙の時が、流れる。


 



「未来ってさ? オーパーツ? みたいだよね?」



「は…?」



「どこから、やって来るか分からない…」



 

 人気(ひとけ)の無い展示室。


 オレンジの照明のせいか(ヒトミ)の頬が、紅く見える。


 


「オーパーツの前で告白すると願いが、叶うんだよ?」



 

 そんなことは、展示物(オーパーツ)の説明には書いてない。


 年代測定は、不特定とあるだけ。


 指先に何かが、触れる。




「好き…」




 聴き取れない(ヒトミ)の言葉が、館内の沈黙する時間に流れてく。


 


「え…?」




「私が、決めたの…!」




 

 走り去る(ヒトミ)の足音が、静かな館内に場違いに響く。


 

 『館内はお静かに』



 目の前の文字が、揺れている……。




 


 













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― 新着の感想 ―
[良い点] 何だか今日はいちさんの小説が読みたくなったので(徳田お得意の気まぐれにゃんこ発動笑)、短編小説を中心に読み歩き~♪ 退会前に読んだものなので、ポイントが入ってない状態だったようなので、ポイ…
[良い点] ほんにまあ、こっちのほうがむふふのアオハル! 作者様のお作を読むと自分のほうが「汚れちまった悲しみ」な気がしてきます! 歳の差か? きっとそうだ。 博物館告白、羨ましいです。 ありがとう…
[一言] 最後のところがすごく好きです! 余韻がなんだかおしゃれだなと思いました
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