高校生はお金が必要だ
高校生にとって、1番の悩みとは何か。
それはお金であると思う。
高校生は何かといってお金がかかる。高校生の平均のお小遣いは1カ月、約5千円。
だが、もちろん、そんな金額で十分とは言い難い。オシャレしたいと思って、洋服を買いに行くと必ず1着、3000円近くかかるし、某夢の国に行こうと思うと往復の電車賃と昼飯代合わせて1日1万円以上。それどころか、友達と帰り道、どこか寄り道しようと思ったが最後、カラオケでもファストフードでも一回、約500円。
こんな感じで、高校生は何かとお金に困る。
バイトをすればいいじゃないという人もいるだろう。でも、高校生は何かと忙しいのも事実だ。部活に趣味、やりたいことだっていっぱいある。大人としてはふざけるなと言いたいかもしれないが、どんなに多くても1時間、1000円のバイトじゃ、高校生はなにかを犠牲にするしかないのだ。
前述した通り、高校生は金がかかる。そして、俺、遠藤 悠も絶賛、お金で困っている。
俺はファッションなどには全く興味がない。何にお金を使っているかというと、もちろん趣味、アニメ関連だ。
今までは、何とか買いたかった本を諦めたりして、月5000円をやりくりしてきたけれど、今月ついに、ずっと追ってきたライトノベルが5冊に、漫画も3巻、発売延期から半年、ようやく発売される人気シリーズのゲームが重なり、今月の想定出費が1万円を簡単超えた。どれも初回限定も欲しく、なかなか5千円に抑えてられない。
「うーん、どうしようかな」
今日も今月の出費予定リストを眺めて、自室で苦渋の決断を考えていると、
「お兄ちゃん、ちょっと降りて来て」
一階から、妹の声が聞こえた。
「後で行くよ!」
俺がそう応えると、妹は階段を駆け上がると、扉をドンドンと叩く。
「お兄ちゃん来て。お兄ちゃん宛に封筒が届いるよ」
妹が扉の向こうからそう言ってくる。
俺宛に封筒?
何だろう、何かに応募して当たった記憶もないし、学校にも一応、ちゃんと行ってはいるから、それ関連ではないし。
友達?いや、月に1回、LINEをするかしないかの友達から、何も無しに封筒が送られえくるわけないし。
「相手ってわかる?」
「分からない。どこにも書いてないし」
怪しいな。
俺、変なサイト開けた記憶もないんだけどな。
一応、確認するか。
「わかった、行くよ」
俺は送り主不定の封筒を確認するために部屋の扉を開けた。
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