第5話・平凡な日々を過ごすために
しかし…問題がひとつあるわよね。
それもその筈、私は昨日、彼に話しかけられていたのだ。
それは勿論あの昼休みの謎過ぎる一件の事である。
(うーん…ひとまず突き放しまくれば…良いかしら…いやでも不敬罪とかにでも問われるのは嫌ね…)
一体どうすればと悩んでいる私の今居る場所は自宅。
そう、冒頭のシーンである。
愛する猫のレイラが私を心配するように頬を舐める。
『大丈夫よ、絶対に没落なんてしないわ
没落なんてしたら貴方とも別れる事に成るもの
それだけは嫌よ』
と、私は安心させるように頭を優しく撫でた。
レイラの為にも、レイラと離れず、今のような平凡な悪役令嬢の日々を過ごすためにも、私は穏やかな日々を過ごす様に、傍観に徹する様に努力しなくては。
私の初登場のシーンはいつ頃だったかしら…と、私は物思いに耽るのであった…
そこでふと思い出した、私の初登場シーンは今までの事象を察するに、あと二週間程後と言った所だろうか。
人生を揺るがす出会いにしては準備期間が少なすぎるが、仕方あるまい。
思い出せないまま、脇役悪役令嬢に成り下がる可能性もあったのだ。
没落よりかはかなりマシと言えよう。
抗う機会があるだけマシと言う物だ。
私はそう思い、自分の心を奮い立たせるのであった…
今晩は。
十六夜零です。
なんとこの度あくレイに…!
ブックマーク1件と総合評価2ptを頂きました…!
こんな短時間で…!
と、こう見えてとても喜んでおります。
これからも、あくレイを宜しくお願い致します。