第14話・横暴な休日のお誘い
実は今回の話のタイトルを一瞬、
『第14話・帰りたい♪帰りたい♪あったかい猫が待っている♪』
にしようかと思いました。
あまりにもやりたい放題心の中で言い放つレイに、こっちまで持ってかれてしまったのかもしれません(末期)
私が頭痛をぐっとこらえながら玄関に行くと、運良く両親が外出していたため、両親に酷い勘違いをされる事は無かったからそこは良しとしよう。
あ、そこだけよ?
ほかは最悪としか言えなかった。
何故ならば、彼はもう私がイエスというと思い込んでいるというか、イエスとしか言えないと分かっているというか、イエスとしか言わせないと言わんばかりに…
私の家の目の前に大勢で押しかけていたのだ。
『あ、あら、ごきげんよう、ラルフ様』
私は無理矢理笑顔を貼り付けたせいで引きつった表情になってしまったが、挨拶をした。
『元気そうで何よりだ、レイ嬢』
いや、あんたのせいで体調悪くしそうというかしてきたわよとか言いつけてやりたくもなったが、それをぐっとこらえて
『ご心配をしていただき、光栄に思いますわ』
なんて心にもないことを言ってみる。
『いや、レイ嬢だからだ
気にするな』
いっやその意味深で歯の浮くようなセリフが気になりまくるのだけれど?
は?ヒロインにしてろよヒーローさんよぉ??
と、言葉の意味を考えて怖くなりすぎて、心の中の声が謎に不良じみてしまう。
何見てんだごらぁ?金出せやー!
なんちゃって。
て、そんな事を考えてる場合じゃないわね
と、現実逃避を早々に切り上げて苦し紛れに微笑んでみる。
すると、今度は
『喜んでもらえたのなら良かった』
などと返されてしまう。
早く帰れよという目の圧のつもりだったがこれはもう諦める他無いらしい。
『そう言えば、どの様なご用事でこちらに?
生憎今は両親は不在ですの
又の機会に来てくださるかしら?』
だとか、苦し紛れに最期に言ってみたが、
『いや、レイ嬢と少々休日を共に過ごしたかっただけだ』
という、なんとも気味の悪い一言に、最後の希望はかき消されたのだった…
そして、私は彼の家の馬車に揺られていた。
勿論、彼と二人きりである。
しかし、彼はしきりに私に質問をしてくる。
途中から面倒くさくなってしまい、
『レイ嬢、レイ嬢の好物はなんなんだ?』
『ナンですわ』
『レイ嬢、レイ嬢の好きな花はなんだ?』
『黒百合と黒薔薇と青薔薇ですの』
とか、適当に返すようになってしまった。
というか、花に関しては悪意が滲んでしまった。
最後に不可能の象徴である青薔薇を答える辺りがさすが私!悪女なんだからもう!っていう感じである。
すると私は突然、
『着いたぞ』
と、手を差し伸べられた。
なんだかこの面倒なヒーロー様に手を差し伸べられると、必殺技を発動された、爆弾発言のあの事件を思い出してしまう。
おっと、まだ降りてもいないのにうんざりしていては読者も見飽きてしまう。
だなんてメタい事を考えて横に首を振ったあとに、彼の差し出してきた手に、渋々自分の手を差し出すのだった…
お久しぶりです、十六夜零です
この度なんと、
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をいただきました
ありがとうございます
更新の期間が空いてしまったにも関わらず、
この様な評価をしていただき、
心の底から喜んでおります
よろしければこれからも、
あくレイをよろしくお願いいたします




