第13話・休日デートなんて許さないわよ!?
私は今物凄く言いたいことが一つある。
メタい事を言うと、今回の話の題名の通りよ!!
そう、心の中で叫んだのは、遡る事数時間前…
そう、今朝の出来事のせいである。
『ふふふ…今日は学校が休みだし、特に予定もないから
レイラと一緒にお昼寝でもしてしまいたいわね…
ふあぁ…いや、レイラとのティータイムがてらの読書も良いわね!
それともレイラの大好きな魚の料理でも一緒に食べようかしら…』
そんな長文の独り言を言って、近くにいたメイドに苦笑いされてしまう程には、私にとっては物凄く久しぶりの平穏な一日だった。
しかし、いつもなら少しは苦笑いをするメイドに小言を言うものだが、そんな気にはならない程には、私の機嫌は物凄く良かった。
なにせ最近はずっと、どこぞのヒロインとくっついてくれないヒーロー様への対応に困り果てていたのだ。
それを乗り越えた果てに迎えた学校の無い休みの日。
取り敢えず私のお気に入りの茶葉で淹れた紅茶でも作ってもらおうかと、先程苦笑いをしたメイドに声をかけようとした瞬間の事だった。
今私の居る自室に繋がっている廊下の方から、ドタドタと走る音が聞こえてきた。
そして、ドンドンという焦ったノックの音が聞こえてきた。
『入りなさい』
と、私が言うと、ドタドタという音の原因だった様子のメイドが私に一言。
『良い意味でとてつもないお方が、お嬢様と休日を共にしたいと、お迎えに来られました』
『アポ無しとはどういうことよ?
そんなやつ、追い払いなさい』
『それはできません!!』
『何故よ?
私の専属メイドなら、これぐらいの指示は聞くべきよ
早く無礼者を追い払いなさい』
『…お嬢様、あのお方を追い払うだなんて…
そんな事をしたら、私の命なんてひとたまりもありません…
命にかけてでもお護りしたいお嬢様相手でも、流石に今回ばかりは…』
『ねぇ、その反応に嫌な予感が物凄くするのだけれど…
一応聞くわ
アホ無しでこの私の大切な休日に、家に押しかけてきた不届き者の名前を言いなさい』
『…Ralph・Lopez様です』
そこで私はやはりかという顔をした事だろう。
鏡を見なくとも私は自分でそう分かった。
ああもうんざりだ。
いっそ投げ出して里に帰りますとか叫んで実家に帰ってみたい。
とか馬鹿なことを思ってみたが、実際には今いるこの家が実家なのだから、里に帰るも何もないというねぇ????
は?なんなのよ?
なんなのよぉ!?!?!?
私はもう気が狂いそうだった。
さっさとヒロインとくっつけやヒーロー様。
ていうかヒロインもヒロインで、ヒーロー様を早く恋愛的な意味で落としてくれだとか、八つ当たりを開始してしまうぐらいにはうんざりしてきた。
そして、この話の冒頭に戻るわけである。
休日デートなんて許さないわよ!?
と。




