厚情
山と山のあいだに村があった。村の付近には川が流れ、そこでは魚がよく獲れた。川はあらゆることに使われた。畑や料理、体を洗うこともできる。村の住人にとって、川はなくてはならない存在だった。
村からはすこし離れているが、山も、なくてはならない存在だった。山菜や動物の肉と皮を与えてくれる。薪や家を建てるための木材も与えてくれる。
自然と共に暮らしていたのだ。
そんな村に、ある日、足に大けがを負った男があらわれた。
山菜を採って戻る途中の者たちが、その男を見つけたのだ。最初、川の近くに横たわっていたものだから、どざえもんかのように思えた。しかし、近寄って確認してみると、そうではないことがわかった。水ぶくれなどは一切していない。していないが、左足は別だった。「あれ、この人の足えらい腫れてるな」ようすを見にきた村人のひとりが男の足に触れようと手を伸ばした。すると「んお、寝ちまったのか」男が目を覚まし、ゆっくりと体を起こした。「おい、あんた大丈夫かい」村人が声をかけると「大丈夫と言ったら嘘になるね」と男は笑った。「どっから来たんだい」「北のほうだね。ほら、あの山の向こうから来たんだ」男はそう言って村人たちが登っていた山を指さした。
村人たちは顔を見合わせ、男に「いつきなさった」と聞くと「いつだったかね。夜だったってのはまちがいないよ。このとおり、脚がこんなだから冷やすために川へつけてたんだ」男は話しながら村人たちに左足を見せた。
「なにしたらこんなに腫れんだい」
「それがわからんのだよ。山を越えるときだったか、気づいたらこれさ」
「そうかい。お前さんみたいなのがときどきだが、村にくるんだよ」
そう話す村人の隣に立っていた村人が、背負っていた山菜の入った籠を下ろし、男に背を向けながらしゃがみ込んだ。「そいつは、村いちばんの力持ち、次朗だ」次朗というらしい村人は、男のほうを振り向き「おぶってやる」と一言だけいい、また前を向いた。「いいのかい?」服のうえからでも分かるほどの筋肉を持つ次朗の背中を見ながら、男は村人のひとりに聞いた。「かまわんさ。さっきもいったがね、この村にはお前さんみたいな人がときどきくるんだよ」
次朗や他の村人たちが男を村へ連れてくると、双子の男の子たちが駆け寄り「旅の人?」と聞いてきた。次朗が質問にうなずくと「わかった」とどこかへ駆けていった。ともに戻ってきた次朗とひとりの村人以外、各自家に籠を置きに戻っていった。
残った村人のひとりは、次朗の名を教えた者だった。「わしは、左部治。次朗の父だ」次朗におぶさる男を左部治は見上げた。「おれは、勘太」男、勘太が名乗ったころ、双子が頬から喉のあたりまで髭を生やした男を連れて戻ってきた。
「この方か」
男は村の医師らしく、勘太の左足を見るなり家へ連れて行った。
「ここ、よく見ると切り傷があるね、きっとこれだろう。骨の様子も念のため見ておきたいが、腫れていて詳しいことは分からない。なんにせよ、治るまでここに泊まるといい」
「いいんですか」
「なあに、ひとり住む者が増えたところで、たいしたことはないさ」
男の名は芳居といい、医師であり双子の親であり村の長であった。きたばかりの勘太でも、芳居が村人たちから慕われているのは話し方や態度ですぐ理解できた。次朗とはすこしばかり体格は違うが、細身の熊という印象を受けた。髭のせいだろう。村長とは呼ばれず、先生と親しみを込めて呼ばれるその姿は、勘太にとって寛大すぎた。
村の長でありながら医師であるためか、芳居の家にはよく人が来る。傷よりも腫れを抑えることが先決とされたため、必要以上歩き回ることを禁じられた勘太にはいい暇つぶしだった。芳居のついでではあるが、村人が様子を見に勘太のところへも来てくれるのだ。
「脚の調子はどうなんだい」
「来たばかりのころに比べるとだいぶ良くなったよ」
村にやってきて五日、良くなってはいるものの、左足の腫れは完全には治ってはいない。「ときどき、あんたの声が聞こえてくるもんだから、あたし含めて皆、気にしてたんだよ」腫れを抑えるとは治療ということになるあるわけだが、簡易ではなかった。化膿してしまっていたのだ。傷口は熱を帯び心なしか体力も奪われていた。出さなければ一向に良くはならない。そのときの声が村人たちの耳に届いていた。ただの傷と考えたのが甘かった。
「いやあ、情けない声を聞かれてしまったのか。恥ずかしいな」
「痛けりゃ声くらい誰だってあげるさ。あの次朗だって声をあげんだから」
村いちばんの力持ちと言われている次朗は、芳居のような医師になるため薬草についてなどを、いまは学んでいるらしい。力があるのは人を運ぶためだと本人から聞いていた勘太だが、それを聞き、新たな一面を知ることができたと思った。「それじゃあね」村人が出ていくのを見送っていると、居間のほうから双子がやってきた。
「ごはんできたよ。食べる?」
「ああ、今日も頼むよ」
歩くことはできるがすこし不安定なため、移動には双子がいつもついていた。歩くときだけではなく、身のまわりのことは双子が面倒を見ていた。「今日はシカだって」勘太が黙っていても双子はすきに話しはじめる。村のことや自分たちの好きなものなど、なんでもだ。「シカは食べたことないな」
「ほんと?」
居間にたどり着くと芳居が囲炉裏のまえに座っていた。「来たな」芳居は立ち上がり、勘太の傍へ移動した。歩くまでは双子だけで十分だが、座るとなると心許ないからだ。勘太は、なにをするにも人手が必要になることに気が引けて外に出たくとも不自由なため、村に来てから一度も外に出ていなかった。
「ここにはもう慣れたのかい」
「芳居さんたちやここの人らによくしてもらって、すこぶるありがたいです」
勘太の返事に芳居はいい顔をしなかった。ありがたいということは嘘ではないが、慣れたかと問われたことの答えとしては、適切ではない。それを、重々承知のうえで勘太は答えた。「あとで治療部屋にきなさい」村で過ごすようになって分かったことだが、芳居はひとりひとりと話すのが好きらしく、特に相手にとって重要となることを話すときはふたりきりの状態を好んでいるようだった。医師という役職からなのか、家族にもそのようにしているようだ。村人にはあたり前でも、勘太にとっては違った。
「腫れについてはもう心配ない。しかし骨がな、念のためにと固定させていたが思っていたよりも重症のようだ」そういいながら芳居は患部を確認するため、勘太の左足に触れている。「う、そこ痛い」
「ここだね」
患部を確認すると「待っていなさい」と芳居は治療部屋から出ていった。村の生活についてなにか言われるものだと思っていた勘太はひとりになれたことに安堵した。村の特徴として挙げられることがいくつかあるなと、考えた。よそ者に対しまり疑念を抱かない者が多いこと、村の半分ほどが元よそ者らしいこと、寛大であること。訪れてきた村の数は分からないが、いままでのことを振り返ればなかった体験だとすぐに理解できた。このような村がなぜできたのか不思議でしかたがなかった。聞かれる前に聞いてしまおうかという思いが勘太のなかにうまれた。
しかし、芳居は戻ってくるなり「明日から外に出るといい」と勘太に提案した。黙っている勘太をよそに、芳居は淡々と治療の準備に取り掛かる。「骨が折れてるのに外に出ろってのかい?」勘太がそう聞くと芳居は鼻で笑った。笑ったきりなにも言わず、ただ治療をはじめた。
翌日、勘太は外に出ることになった。歩き回ることも、走り回ることも、いまの勘太には難しいことだが、家に籠っているのは陰気くさくなるからと出されたのだ。外といっても芳居たちの家の前だが。
「おれはほかに行くところもないし、遊びに行ってこいよ」
「どこでも遊べるけど、いまはここ」
なにもすることがなく、ただ村の様子を眺めているだけの時間は苦痛でしかなかった。退屈、勘太がいちばん嫌う言葉だ。双子はなにをしているのか、気になって見てみるとなにかを作っていた。「なに作ってんだ?」双子は「教えない」といたずらっぽく笑った。
「よお」
双子から視線をそらすと左部治が立っていた。
「どうも」
「久しいな」
そういうと左部治は勘太の隣に腰掛けてきた。が、なにか話すわけでもなく、ただ座っているだけだった。落ち着かない勘太は「あの、なにかあって来たんじゃ」自ら話しかけることにした。「村長には用はないな。あるとすればお前さんに用があるんだ」左部治は双子を気にしているらしく、耳打ちしてきた。勘太はなにかを察し双子によそにいくようにいった。「聞かれるとよくない話でもするの?」
「子どもには縁のない話」
大人はずるいといいながら双子はどこかに遊びに行った。見送ったあと、左部治を見ると「あの子らはいい子だ」と話しはじめた。なにか意味があるのだろうと勘太は聞くことにした。
左部治と次朗はもともと村には住んでいなかった。嫁を病で亡くしたころ、左部治は三八歳、次朗は一〇歳だった。次朗は母親を亡くしたことであまり話さなくなった。かわりに、医学についての書物を読み漁るようになっていた。左部治はもともと山で育ったこともあり、山や草や動物に詳しかった。次朗はその力を借りて、薬草について学ぶことにした。薬草を集めるために各地を巡った。その途中に立ち寄ったのが、今いる村だった。立ち寄ったというよりも、勘太と同じようにけがを負ったため立ち寄るしかなかったのだ。
村に住みついたのは芳居がいたからだった。左部治としては、ほかの地にも足を運ぶべきだと思ったが次朗には未だに話せずにいる。次朗にとって芳居は医学の先生らしく、よく話を聞かされるらしい。それは問題ではなかった。
眉間にしわを寄せながら、勘太が「問題?」と聞き返すと、左部治は「問題」と答えた。
さかのぼること二年。いつものように次朗やほかの村人たちと山から戻ってきたとき、村に入らず周りをうろついている者がいた。怪しく思い、どうしたのか尋ねててみると「この村に祈祷師はいますでしょうか」と聞いてきた。いないと答えると「そうしましたら、わたくしがこの村の祈祷師になっても、いえ、ぜひとも祈祷師としてここに住まわせてください」と頼んできた。左部次郎たちは自分たちが決められることではないと困っていると「では、どなたとお話をすればよろしいのでしょうか」と尋ねてきた。村長と話してみたらどうかと聞いてみると「案内してくださいますか」とほほ笑んだ。左部治はその者にどこか奇妙なものを感じた。
またしても左部治の話を止め「奇妙なって、どんなだい」と聞くと、左部治は「顔にしても体にしても声にしても、男か女かわからないんだ」と答えた。
村長である芳居のところへ連れていくと双子が家の前で遊んでいた。芳居を呼ぶように頼むと走って家へ入っていく。「あの子たちは双子なのですね」とひとり言なのか話しかけているのかわからないが、意味ありげにいった。芳居はその者を見ると「よくぞいらっしゃいました」と家へ招き入れた。左部治たちは芳居が呼んだのかと思ったが、そうではないようにも思えた。しばらく待っていると、村の住民たちを集めさせられ「この御方は祈祷師の水介さまだ。今日よりこちらに住まわれることになった」と伝えられた。
「みなすけ?」
「そうだ。あの御方はわしらに幸福と繁栄をと、いろいろなことをなさった。でもな、わしには受け入れられんのだ」
「たとえば?」
「川があるだろう。昔はよく荒れていて、わしを含め皆が頭を抱えていた。それをあの御方が三日三晩祈祷するとなだらかな川になった」
「それのなにが気に食わないんだい」
「おそろしいんだよ」
その言葉を最後に、左部治はゆっくりと立ち上がり、去っていった。
しばらく、ただじっと座っていると、双子が戻ってきた。
「左部治さんとなに話してたの」
「むかしばなし」
双子に支えられながら家に戻った。「おかえり」芳居の嫁は魚の下ごしらえをしていた。大きい腹を抱えての家事は不便そうであるが、そのようなときは双子がすかさず手伝いに入る。「かかのお腹にはややこがいるんだ。おれたちの妹か弟が入ってるんだ」と嬉しそうに話していた。双子は自分たちができることを見つけるのがうまかった。村中を駆け回り遊びながらやることを見つけている。双子を知らぬ住民はいない。
「今日はお前さんたちに頼みたいことがあるんだ」
「なんだい」
勘太は日頃の感謝としてなにか村の役に立つことをしたいが、なにぶん脚が不自由なもんだから手助けをしてほしいと、双子に頼み込んだ。双子は快く引き受け、頼まれたものを手に入れるため、外へ出た。双子を見送ると、勘太は次朗を探しに出た。ひとりで出歩くということもあり、芳居から体を支える杖を渡されていた。左部治を見つけるのは簡単かもしれないが、次朗を見つけるのは難しかった。村人とすれ違うたびに「あの、次朗がどこにいるか教えてくれないだろうか」と聞くが、いたことはいちどもなかった。
体を支える杖がいくら頑丈でも、その杖を握る手には限界がくる。残っている力を振り絞り、近くにあった甘味処へやっとの思いで入った。「あれ、あんたひとりなのかい。息切らしちゃって、大変だったね」甘味処の娘が出した茶を受け取ってすぐ飲み干した。「驚いた、熱くないんだね」そういうともう一杯ついできてくれる。「とりあえず団子をおくれ」うまく話せているか分からなくなっていたが「はいよ」といわれたので、ひとまず休むことに専念した。だれも次朗がどこにいるのか気に留めないのだろうかと考えていると「ひとりでなにしてんだい」と男に声をかけられた。見上げてみると左部治が立っていた。
「あんたか」
「わしじゃだめだったかい?」
「次朗に用があるんだ。それなのになかなか見つからなくて困ってんだ」
「次朗の親父に聞けば一発だとは思わなかったのかね」
指摘され「ああ」と力ない声をあげ、頭をかいた。気の毒に思った左部治は「あいつなら村長のところだ」と申し訳なさそうに教えた。「はあ」勘太はますます落胆した。「まあいまは休め。な?」なんとか元気づけようとした。
「でもまあ、あんたにも話さなきゃいけないことがあるんだ」
「なんだ」
「昨日の今日でこの話をするのはちと気が引けるんだが、おれも祈祷師の端くれみたいなもんなんだ」
甘味処をあとにし、芳居の家へ急いだ。途中、双子に出くわしたため、体を支えてもらうことにした。「勘太さんにいわれたようなの見つけてきたよ」頼んだものは人が乗っても割れてしまわない厚みをもった木材と、それを支えるための角材のようなものだった。「あれでなに作るの?」引き受けはしたが、なにに使うのかは知らされていなかった双子は興味津々だった。「水介さまはいまこの村にいないだろ? おれはあの御方の代わりみたいなもんでな、方法は違うが、やってることは同じなんだ。村のためにってな、おれは川に橋を架けるんだ」ようやく次朗と会うことができた勘太は、橋を架けることに協力してくれるよう頼んだ。
川の深さはこれといってたいしたことはない。しかし、幅が広いため向こう岸に行くために迂回しなくてはならない。勘太はそれをどうにかしようと人を集めた。はじめたころは一〇人もいなかったが、なにかやっていると話になり、最後には村の半分が橋を架けることに協力した。完成したのは、村に来て二〇日目のことだった。「村の祈祷師さまには劣るかもしれないが、すこしでも貢献できたかと思うとうれしい。これも皆が手伝ってくれたおかげです」勘太は今までのことに感謝を述べ、次の日、村をあとにした。
それから、ひとつき経ったころ、異変が起きた。
村の住人たちも、森や、その周辺に住む動物たちも、経験したことがないほどの突風に襲われたのだ。家に逃げ込む者、立って歩くどころか動くこともできない者、村人たちは混乱し、慌てふためいた。双子は家を飛び出し、救出を試みた。しかし、突風で折れた木の幹が倒れ、双子や、次朗や、ほかの村人たちの家々が下敷きになり、逃げ込める場所は減っていき、泣き叫ぶ子供の声や呼びかけの声は、すべて突風にかき消されていった。
村は、村とは呼べない姿に変わり果てていた。村だけではない。川は茶色く濁り、流れが速くなっている。木々も枝が折れていたり幹が倒れていたりと荒れ果てていた。そんな村にひとつの人影があった。ふた月ほど村を留守にしていた祈祷師、水介だった。愕然として言葉が出ない。知っているものすべてがなくなっているのだ。
「もっとはやく来ていればなあ」どこからか声が聞こえてくる。聞こえてきたほうへ行くが人の姿は見えない。「これはお前がもたらしたことだ」声は水介の真後ろへと移動してきた。振り返ろうとするが、肩をもたれ、身動きがとれない。「お前を見つけるまで二年だ」声にはいら立ちを感じられた。「もしかして、北の」いいかけてやめる。だれなのか分かったところで現状は変わらない。「おれはここの人たちと暮らしていただけだ」水介が肩をつかむ手を振り払うと声の主を見た。
二年とは、水介たちにとって短いものであるが、彼らの仕事を考えると大きな損失だった。「お前を探すためにすべきことをやらずに来た」怒りをあらわにしている相手をだれだか知っているが、ここでの名を、水介は知らない。それでも相手は怒りのまま話し続ける。「与えられたことに不満を持つのはおれにもわかる。だからといって放棄していいことにはならないだろう」水介は相手の言葉に不快感を抱いた。しかし、反論はせず、なるべく離れようと歩き出した。どこへ向かっているわけでもなかったが、芳居の家があったところに足を運んでいた。「なぜこんなことに」そう呟くと「お前がこなければこんなことにはならなかった」と責めてきた。「わたしはただ人の役に立とうと」水介はその場に力なく座り込んだ。相手は水介の隣にやってきて「自分がやったことの重大さがわかったか」と聞いてきた。男のいいたいことは分かるが、水介は受け入れようとはしない。それを知ってか「お前は上へはいけない。もちろんおれも」と水介の隣に座ってきた。木片が散らばる地面を眺めていると「おれたちは仕事を選ぶことはできない。しかしだ、やり直すことはだれにでもできる。その点に関しては、おれたちは有利だ」といって、男は水介から離れていった。
置いて行かれた水介には、これからどうするべきか考えるほどの余裕がなくなっていた。やり直せたとしても、この村の住人は戻ってこない。悲しみのあまりか水介の耳に、村がまだあったときの声や音が聞こえてきた。遠くにあった音が徐々に水介に近づいてくる。ほんの二ヶ月前のことであるにもかかわらず、失った瞬間、懐かしいものへと変わってきていた。変わってきていたが、
「水介さま?」
と聞き覚えのある声が水介を呼んだ。
見上げると、そこには双子が覗き込んで様子を見ていた。「なんで、きみたちは」驚きを隠せずにいると「どうかしたんですか?」と双子は不思議そうに水介を見ていた。
<了>