【3倍返し以上であります!】
タイトルに括弧装着、印刷後に誤字修正あり
「どうしようもないわなー後で追いつける」
その気になればこの車は馬車の倍以上の速度が出せる
ここで停車しても大丈夫、4WDにギヤを切り替えて
少し道を外れ森の近くへ止める、ジープ型73式小型トラックはありがたい。
えーと、やっぱり継続して泣いているリディア嬢だが
車を止めて助手席を眺めたまま放置するのも何だろう。
どうすればいいのだろう…フラグ立っているんだろうなぁ
『帰ったら私…セールリオン公爵の息子へ嫁がされるんです』
何でも近くにある街の領主だが、そこは税の取立てがひどいのと
息子が超が付くようなド変態で嫁いできた者は全て
精神的に破壊され入れ替えになるのだそうだ。
しかし税金で強化された軍事力があるので拒むと街の1個ぐらい
簡単に消滅させられるので判っていて泣く泣く嫁がせなければならない。
この世界は11歳からでも婚約は可能なので、すでに公爵家から
伯爵家へ「リディアを寄こせ」と召集令状が半年前から来ていたそうだ。
その嫁入りのための買い物まで入っていたから嫁入り持参用の服が。
73式小型トラックの後ろにある2列シートへ並んで座り
愚痴を聞いてやる状態…PXでハンカチとオレンジジュースを
買って出したりはしたけど。
『ショウさんって便利な能力の持ち主ですね、飲み物まで出せるのですから』
「そうだな、自分に何か出来たらいいのだが…な」
と言いながらリディア嬢の頭を撫でてやると開口一番
『それなら…さっきの3倍たゆんたゆん、いまやってください!』
「いや、もう車を出さないと馬車へ追いつかないですし」
『いまやらないと私には、もう時間がないん…です』
まださっきの事を覚えてたのかこの娘…なんという
いやそんな「たゆんたゆん」なんて遊んでる時間がマジで無いんだが
なんて考えていたら上を向いて何を言うかと思ったら
『時間もないですし仕方ありませんね、これで許してあげます』
許してあげますって何だそりゃ、と思ったらいきなり
人のひざに跨って…両手で人の頭を抱えて自分の胸へ押し込むように巻き込むのは
別名「おっぱいヘッドロック」と言われるやつだろ!このサイズじゃ息が出来んマジで
これは11歳じゃねえ、あえて言おうCオーバーだと…というかこれを抜けないと!
フルパワーで離脱するとリディア嬢が骨折する可能性が高い。
ああ、万単位で「もげろ」コールが聞こえるわ。
ふと手が緩んで巨大肉球2個から離脱できた、あ…あぶなかった。
あの強大な肉球2個の暖かさと独特の香りは禁断の壁を越えるところだった。
というか「たゆんたゆん」じゃくて、それ以上のヤバい何かだろコレは!
などと思っていて、肝心な事を見落としていた。
これで行動が遅れトラップへ落とされるハメになるとは。
リディア嬢に跨がられてマウントポジションを取られたままだ!
「あの…リディアさん、いつまで乗ってるんですか?」
『これだけは一番好きな人へ最初に捧げようと決めてました…』
あ、本気だ目が据わってる何を言っても無理だこの娘。
というか何を捧げるの、ここに居るのはさっき会った
通りすがりの馬の骨25歳だ!
リディア嬢、急激にフラグが立ちすぎです誰か止めてー!
今度は目が潤んで…頬を伝ったのが見えたと同時に
「むぐっ!」
頭を掴まれて斜め25度から…リディア嬢の唇で自分のクチが塞がれた
最初、緊張のためかリディア嬢の手が震えていたのは気のせいだろう。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
追いつくために時速60kmで走行、3倍超えだからすぐだろう。
4WD状態だから安定だ、突然居なくなって心配していないかな。
『大丈夫です、お父様も判っていると思います』
そ…そうか、着いていきなりグーパンとかは勘弁だ。
それにしても【ロリ・フレイバー】ヤバすぎじゃね
もしかして能力所持者にも変調をきたすんじゃないか?
すでに変調をきたしているかもしれん
この娘は変態息子に渡さんと内心思ってる気がする。
『やっぱり、このまま誘拐してほしいな…なーんて!』
いきなり何を言うかこの娘…と思ったが
相当な負担だろうな、自分が犠牲になればと思う感情が
精神を不安定にさせるのだろう。
「ひとつ聞くけどセールリオン公爵家が消滅したら
リディア嬢は嫁かずに済むんだろ?」
『そうです、公爵家が消えたら…って、何か怖いことを考えてます?』
「いや、ここだけの話…変態息子は何とかしなきゃとは思ってる」
「これは自分とリディア嬢だけの秘密にしておいてほしい」
『ショウさん、秘密にしておきたいなら条件があります!』
「な…なんですか?」
『2人だけの時は、リディア嬢じゃなく…リディアって呼んでください』
「え、それでいいんですか…リディア」
『…初めてのキス、捧げた人ですから』
顔真っ赤にしてうつむいた金髪碧眼ヤバい
コレがバレたら伯爵にグーパンでは済まないのは判ってます。
でも、異世界11歳金髪碧眼巨乳ロリ美少女に
ファーストキッスを奪われたなんてクチが避けても言えねえ
母親がクソ硬い師範代だし仕事は昇級最優先で
そんな余裕は無かったです。
妖しい店へ行くなら違う所で発散します。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
【シックビアンカ】に無事、到着であります。
外敵防止の巨大な壁があり門で身分証や持ち物の他
武器などをチェックするとリディアが教えてくれた。
もっとも、横にリディアを乗せてるから問答無用のフリーパス
…マクリミナス伯爵家の2番目だったのかよ!
『上にお姉ちゃん、下に妹が2人、双子だから1人と言ってもいいのかな?』
男子を生むまで…がんばれ伯爵!
PXに夜の栄養剤が売っていれば差し入れするよ。
それよりも、この世界で「身分証明が何も無し」は辛い
これはアルフレード卿に全てを話して、何とかするしかない。
…「卿」とか、歴史関連と異世界小説読んでおいてよかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「状況終了!」
ブロック型ホログラムのようにジープ型73式小型トラック幌無しが
消えて行くのを見てアルフレード卿とリディア嬢が城の前で
固まっていた。
『盗賊の死体を警備の馬車に載せてもらえませんか』
【空間収納技能】と【固有技能】念動力で並べて載せる
ゴツいリーダーと合わせて7人か。
半分は銃剣だけで倒したから20発のうち残7発か
リーダーに6発も使ったのは予想外だった。
『ショウ殿、今日はどうする予定で?』
アルフレード卿が突然聞いてきたので
また「空間魔法内務班」でもいいかなとは思ったが、金貨は大量にあるので
ここはシックビアンカの良さそうな宿でも教えてもらおうか。
…甘かった!
城まで横にリディア嬢を乗せられたのは全部シナリオ通りじゃないのか?
『もう夕方だし、今回の礼もしたいし是非とも城の客間へ
泊まっていってくれたまえ!うちの家族も紹介したい、あとリディアが
離してくれないではないか』
本当に左腕を掴んで離してくれません。
というか、腕が押さえ込まれリディア乳にガッチリ挟まってますが!
だーかーらー押さえながら腕に顔をスリスリしなくていいから猫ですか。
もうアルフレード卿から右ストレート食らうのは
すでに覚悟してます、ばっちこーい!
『はっはっは、ショウ殿もリディアから好かれてるようで結構、さぁ城内へ参ろう』
え?10mはグーパンで吹っ飛ばされる覚悟でいました。
まず今は人生彼女なし25年、いざ参る…宿代はタダになったからいいか。
『これで私たちも、お父様公認ですねっ』
いま、人の左腕をおっぱいサンド状態にしたまま歩きつつ
ボソっと怖い事をまた小声で言っただろ…
顔を反対向きにして舌を出してもバレてますよ!