【名前の間違いと巨乳ロリであります!】
タイトルに括弧装着、印刷後に誤字修正あり
『あ…あぶないところを、ありがとうございました』
まあ、確実にビビるかもしれない。
はたから見たら緊急時とはいえ、1人で仕留めて血祭りにしたのだから
よく考えたらリアルで殺ってしまったのは初めてかもしれない
元の世界なら捕まってるよコレは。
「いえいえ、困った時はお互い様ですよーはっはっは」
…何を言っているのだ自分は、かなり焦ってます
そりゃそーだよ、正当防衛越えた行為が許されるとはいえ
慣れるまできっついなーこの世界は。
『わたくし、アルフレード・マクリミナスと申します。そこの街で領主をやっています』
領主、その辺は思いっきり疎いなヤバイぞどうしようと思ったら
ある程度の説明をしてくれて助かった。
『領主は伯爵という立場上そうなっているだけです、面倒な事も多いですよ』
なるほど、立場が偉いと色々と大変なんですな。
それよりもこれを先に聞いておかなくては
「ところでこの盗賊な死体はどうしましょうか」
『本当は街に持って帰って今までのはコイツらかと確認したいのですがね』
ならば【空間収納技能】で、全て「盗賊の死体」箱を作ってまとめておこう
解説を見たら「腐らずそこで止まる」らしいので問題ないと思われ
『おお!ストレージの魔法を使う賢者でしたか』
ストレージでいいのか?
確かにそんな呼び方もあるけど、あくまで和名なんだよなあ。
『そういえば貴殿のお名前をうかがっておりませんでした』
そうだったああああ、この世界で始めて会う人がいきなり流血戦か。
果たして、和名で通るのか…そうでなければ何と言えばいいのか。
えーと、えーと…余計に混乱してワケがわからん!
あわあわあわわ!
「えーと、私は少佐と申します」
…また自分は何を言っているんだ?
今なら間に合う、何か違う名前でもいいから言わねば!
『これはショウ・サーさん、盗賊から危ないところをありがとうございます』
ああああああああああ!また詰んだああああああ!
今なら豆腐の角に頭当たって死ねる自身があるぞ。
まさに典型的「やっちまったな!」だろコレは。
いや、今回だけだ…大きい街で名前を替えれば
確かに小さい頃のあだ名はそうだった記憶もあるが…
駄菓子屋のオバちゃんから「ショウちゃん」と呼ばれてたっけ。
『それ以上にショウさんには今回、娘リディアの貞操の危機まで守っていただき』
ちょっとまて!いまなんて言った、娘なんて居たか?
そういえば草むらで後ろから銃剣で親分みたいな
ごっついのをブッ刺して蹴り飛ばし64式小銃の単連射6発ブチこんで
昇天させた時…何か下に居たような、見てなかった。
1人で殲滅戦だから余裕がありませんでした、ごめんなさい!
『馬車の中でリディアが街で購入した服に着替えたようです』
アルフレード伯爵がリディアを手招きして呼び寄せると
こっちを見ながら歩いて…いや、途中から走ってないか。
目の前に来て真正面に向かいながら
『はっ…はじめましてっ!リディア・マクリミナス、11歳です!』
おっおおおおおおおおおおおおい!
なんだこりゃあ。
さっきまで貞操の危機で襲われてたならウルトラ超ヘコみじゃないのか?
顔が赤いぞ目がキラッキラしてるぞ…って
さっきの殲滅戦で返り血が飛んでレイバン外してたの
忘れてたから完全にフラグ立てたのか、もしかして?
おまけになんだその
11歳で「Cカップはあるぞ」いう乳は
こっちへ走ってくる時、上下左右に暴れまくってなかったかそれ?
金髪ウェーブで碧眼で膝までスカートというのはその手の人に
ドストライクなんだろうなぁ…というか、これも
恋愛神が昇天した結果かコラ!
『相変わらずリディアは母さん譲りで育ちがいいな!』
『もうお父様ったら、私なんかまだまだです!』
まだまだと言いながら両手で上下に「たゆんたゆん」しなくていいですから。
最近の娘はコエエなと思っていたら、何かこっちを「じーっ」と見てる
サササっと音も無くリディア嬢が近寄ってきて何だと思ったら耳元で
『助けてくれたお礼です、両手掴んで…たゆんたゆんしても、いいですよ』
その碧眼キラキラさせて口元ニコッ!は怖いから
アルフレード伯爵、救援求む…リディア嬢にフルパワーで拳骨かましそうです。
完全にフラグ立った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
何とか「たゆんたゆん」の危機は切り抜けた
ただ、自分のクビを締めた結果になるかもしれんが
後回しという宣言を使ったのですが。
「いま馬車へ荷物を戻すのに忙しいから後で、たゆんたゆん、させてもらいます」
『…わかりました、では3倍ですよ3倍たゆんたゆんですよ!』
「え、3倍ですか…なんでそんな膨大な数字に」
『そ、それはっマクリミナスの掟なのです!いいですね3倍ですよ!』
目が泳いでましたよリディア嬢、あと宣言した後でキャーと言いながら
去って行くのは自分、どう対処するべきかすっげー困るんですが。
30tまで対応の念動力を使えば散らばった小物でも大物でも全て馬車へ戻せる
更に脱輪していた馬車ごと浮かせて道路に戻した時は伯爵でさえ
何も言えない状態に。
「色々と謎のチカラがありまして…深く詮索しないでいただければ」
『は…はあ、ところでショウ殿はこれからどこへ?』
「調べたら近くにシックビアンカという街があるようなのでそこを目指しています」
『シックビアンカに行く予定でしたか、では一緒に行きませんか』
そこの領主がアルフレード伯爵だとは、出来すぎここにあり。
詳しい道も細かくなるとはっきりわからないので馬車の後ろを追跡して行こう。
御者は真っ先に逃げて無事だったから馬車の操作はいいとして
荷物用の幌付き馬車と綺麗なドア付きな飾り入り馬車の2台というのが
伯爵のお買い物パターンなのだろう。
おや、アルフレード伯爵と娘のリディア嬢が出発だというのに
馬車へ乗らず何を話してるんだろ…まさか
こっちに向かってリディア嬢が全力ダッシュしてきやがった!
『ショウさん!街まで、横に乗せて行ってくれます…よね?』
これはよく言われる孔明の罠か!
伯爵が笑いながら片手上げてるよ、もう断れない完成形のドライブだな。
「じゃあ、腰のシードベルトだけ付けて下さい、お願いします」
降りて助手席側から長さを調整していると
頭に「むにんっ」と柔らかい何かが2個載ってます
『私も、屈んで一緒に見なくていいのですか?』
「…普通に真っ直ぐ座っていて下さい」
というわけで時速20km以下のドライブ開始
時間は掛かるかも、事前に調べた結果から3時間は硬いな。
『3時間ですか、このまま時が止まればいいのに…』
なんか今、誰か怖いこと言いませんでした?
気のせいだ、うぬ!気のせいだ
『…胸の大きい年下はお嫌いですか?』
いや、気のせいじゃねえ!
横で何か言ってるよマジで
真っ直ぐな低速走行だから横を見ると
こっちの服を掴んでるよ涙目だよ、あああ片目からこぼれた!
助けて、フラグ100本立ってる高さはスカイツリー越えた
何か言ってやらないと…差しさわりのない言葉を
「嫌いじゃないよ、か…可愛いじゃないか」
…自分、ばっかじゃねーの!
墓穴掘ってC-4爆薬10kg固めて一気に点火したような
超でっかい大穴開けた気がした、自分でぶっといフラグ立てた?
その瞬間
まさかのリディア嬢、助手席で大号泣
ど…どないせいちゅうねん!