【ジーナとエリカ出産であります!】
あれから2週間…やや落ち着かない
地下ワイン貯蔵庫へ行く途中にある執務室で書類整理をしていても
やっぱり心配事が残るので庭のテラスでKIX-015にて仕事をする
『ショウ様、紅茶をお入れします』
「ああ、ありがとう…」
やっぱり不安なのか右手でパッドをいじりながら左手で
紅茶を注いでいるロレッタの尻を撫で回してしまう
『ショウ様…何をやっているのですか?』
「あれ?ロレッタ、何で右側に居る」
怒り心頭で仁王立ち状態のロレッタが立っている
「あ、すまんカナンだったか!はっはっは」
『ショウ様!もうメイド職から妾になりましたが!』
真後ろから私服姿で見下ろすように立っているカナンが
じゃあ、紅茶を注いでいるメイドは…
『んはぁあああああ!』
「あちちち!」
紅茶ポットの中身を全部テーブル周辺にブチまけられヒザにかかるとは
セシリア13歳 赤毛左右に三つ編み碧眼の尻を延々と撫で回していたとは
ずっとロレッタだと思っていました
『ショウ様、申しわけありません!』
「いや、お茶を注いでるメイドの尻を撫で回していた自分が悪かったのであってセシリアは悪くない、こうやってすぐ汚れが取れて乾くし」
【ウォッシュクリーン】と【ピュアドライ】は便利だ
『エリカ様の出産が近いから入院していて不安なのはわかりますが、もう少し落ち着いてください』
「ロレッタわかったから、気晴らしにちょっと散歩してくるわ」
コッソリと、これで妾に一歩近づいたとセシリアがカナンに言っていたのは
聞かなかった事にしよう
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あれ、誰か庭先をホウキで掃除してる…今まで見た事が無いな
新しいメイドが入ったのだろうか、いや違う!
『あ、ショウ様!おはようございます』
「…ジーナ、だよな?」
そこにはメイド服を着て枯れ草を集めているジーナが
ありえん、2週間まではクソ生意気王女様気取りがメイドだよメイド!
『ここへ来てロレッタさんからハリセンというモノで叩かれながら礼儀作法を教わり、他のメイドやユマちゃんやエマちゃんや他の奥方様やお母様と触れ合いながら…私は他人の話をいかに聞かなかった大馬鹿者かを思い知りました』
「そ、そうか…わかってくれたか、ならエルミタージェ王国に帰ろうか」
そう言ったと同時にホウキをブン投げて抱きついてきやがった
姫様ズが見てたら後でブッ殺されるぞ
『思い知りましたが、まだ反省はしていません…もう少しここへ居させてください』
「わかったわかった、好きなだけ居ろ!向こうには上手く話しをつけておくか…むぐ!」
いきなり首に腕を回されぶっちゅとされました、くっそう油断した
『エルミタージェ王国では、これが信頼の証です…では失礼します』
礼をしてホウキを持って去っていった、歩いて行く後半でスキップしていなかったか?
まぁ姫様ズが誰も見ていなかったからいいかと振り向いたら
「茜、いつからそこに居た?」
『…抱きついてぶっちゅの前からなのは確実です』
「あーあれは浮気じゃないぞ、信じてくれえええ!」
『判ってますよ、伊達に第2姫をやってませんから…何も見てませんよぉ!』
ドスッ!
『あー私は何も見てませんよ…クッソおおおお!』
叫びながら拳を握りしめ去って行く茜と、全力で腹パン食らって地面で
のたうち回ってる自分がそこに居た…何も見てないと言った時の目が
完全に据わってたな、うげげ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
エルミタージェ王国に来ました
エリカの出産が始まったらすぐ連絡が来るので【テレポート】すればいいのと
先日の戦争の仲介は…やっぱり自分ですか、共和国でフリーダム国の立ち上げ時に6つの国から物資を貰いまくったツケがここに回ってきましたか
『それで、戴冠式も終えて正式にマルクス国王として就任したので宜しくお願いします』
「無事に終わって何よりです、それとジーナさんはしばらく預かりでも大丈夫でしょうか」
『はい、そちらでジーナは迷惑をかけていないでしょうか?』
「アマンダ王妃、ウチで過ごしたら見違えるようになりましたが、まだ反省が足りないとか言って滞在を希望しているのでメイドの修行をしています…ってマウリッツさんどうしました?」
マウリッツさんが号泣してるよオイ
『5歳の時に母親が亡くなって…それからワガママなクソガキとして城でもメイドや衛兵が持て余すぐらいのジーナが、よくぞ!よくぞおおお!』
「そこまで泣かなくても…ところで聞きたい事があるのですが、エルミタージェ王国では信頼の証として、ぶっちゅする事があるのですか?」
『『『そんなもの、ありません!』』』
全員、こっちを見て即答しやがった
だ…騙された、あの小娘!
『ショウ様、どうしたのですか?』
「アマンダ王妃、実は…」
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『まぁ!そんな事が…ショウ様の所が一夫多妻制なら、どうぞ差し上げます!』
「アマンダ王妃!待って下さい、本人にその気があるかもわからないのに」
『ショウ様、向こうでそのイチモツをジーナにブチこんで孕ませてからモノにしても27歳の兄である俺が許す、好きなだけやっていいぞ!』
「マウリッツさん何という言い方を!というか2歳上かよ、今度から自分もマウ兄と呼びますよもう!」
『ところで、もしもジーナが嫁ぐとしたら何番目になるのだね?』
「マルクス国王まで…これは仮定の話ですが、いまブルト王国に8番目ですが6歳の婚約者になりつつあるのが居ますので、うちの国は両親承諾で8歳から結婚が可能なんですよねーいま4番目は6歳だけど8歳まで預かり状態の魔族王の娘ですので、もしかしたら9番目になるかもしれません」
全員がクチを揃えてぼそりと
『『『ロリコン王というのは、本当だった』』』
ああ、もう慣れました…好きに呼んで下さい
今回の共和国への向けての戦闘行為の代償として
プリティーム魔法国に隣接した土地を提供するという事で
話をつけました、きっとコレも自分に後から話が来るんだろうな
と思ったらキアーラから念話が
《おぢちゃん!すぐフラウガルテン温泉病院まで戻ってきて!エリカさんが産気づいてもう生まれそうなの》
[わかった!すぐ行く!]
もう直接エリカの所へ行くか!病院の構造は作った本人だから知ってるし
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『はぁう!あああああああー!』
エリカが分娩台の上で気張ってる
『呼吸に合わせてチカラ入れて!』
産婦人科の看護師が数人頑張ってる
「エリカ大丈夫…あああ…」
『なにいきなり現れて嫁の股ぐら見て倒れてるのよ!早く廊下につまみだせー!』
『あああ!パパああああ!』
『よそ見しないで気張るのに集中しなさい!』
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「あ…何で廊下の脇に横たわっているんだ?確か温泉病院へテレポートしてきたはずだが」
『いきなり分娩室に転移して出産シーン見て倒れる旦那があるか!お決まりパターンをやりやがってクソ提督!』
「舞も来てくれたとは、もう生まれたのか!」
『おぢちゃん、姫様ズ全員集合よ…お母様も居るわよ』
特別病室に行くと母上を含め全員居た
遺伝でヤマト・マクリミナスは金髪碧眼
カエデ・マクリミナスは黒髪黒目とクッキリ分かれるものだと思った
『パパ、大丈夫だった?』
「いや、すまない…慣れていないから見た途端に倒れてしまったよ」
『提督、立ち会い出産はやめましょう』
「うん、自分には合わないと思う」
そう思いながら、まだ目の開いていない自分の子供を上から見たら
…両方とも右手でサムズアップしているのを自分は見逃さなかった
この先、何かありそうです