【エルミタージュ王国、その後であります!】
『エルミタージェ王国、国王にあたる兄のマルクス・エルミエルです…地下牢に閉じ込められているのを助けていただき感謝します』
『マルクスの妻、アマンダです…マルクスの妻になりますが、もうダメかと思いました、あああ』
『王妃様、泣かなくていいですから』
サポートに回る茜はさすがだな、地下慣れしているのか…忍者だから索敵能力が
特能シスターズトップクラスなのかは知らないが、国王は普通に七三分けで
王妃は長髪か、縦ロールは大変だろうなーやっぱり
生かしておかないと幻覚魔法に影響するんだろうな、そうでなければ
真っ先に殺されている可能性が高いから
『マルクスの弟にあたるマウリッツです、地下牢は大変でしたよ!エルミタージェ王国で自動的に国王となる兄のサポートをしながらヒマを見てダンジョン攻略というお気楽人生を目指していたので、父上が急死しても兄が国王というのは国民みんな知ってますよ!』
普通はそうだよなーというか遊ぶ気満々だな…先日ようやく2級シルバーに昇格したとカードを見せてくれたが、鈴 咲蘭の1級ゴールドなんか見せたら倒れるんじゃないか
ボサボサな金髪を後ろで縛っている筋肉男は、王族に見えん…
『そういえば、ジーナはどこへ行った?』
マルクスがアマンダに聞くと
『危ないと思って、すぐお付きの者と一緒に共和国へ避難させました』
そう言うと、マウリッツが怪訝そうな顔をして
『お付きの者が居ても、たまに俺も怒るときがあるけどジーナは13歳にしては…父が甘やかしすぎたのか妹としてわがままに育ちすぎたのか共和国で無茶していなければいいが』
「ふむ、プリティーム魔法国にあるRA2アンテナショップに居るウチの社員に聞いてみるか」
『提督、アンテナショップって私は聞いてないですよ…何ですかそれー!』
「あ、言ってなかったっけ?共和国と宙夏国で要望があってな、共和国は6つの国と宙夏国は8つの区と島2つにウチの商品を売っている小さい店と飲食も出来るスタンドバーも作ったんだよ」
『前の世界であったアレに近いんですね』
「まぁ近いな、それぞれの場所での情報収集も兼ねているのと、このような事態の場合は支援も出来るようにしてあるから、実はシスターズが応援に行っているんだよ」
『さすが提督、目のつけどころが違う』
本当は共和国で忙しすぎるのか、ベリィがブチ切れたのもあり作ったとは言えない…
食パンやバターとかも半額ぐらいの廉価版作成とかもあったし
もちろんこの手のはアンテナショップだけの限定販売だが
お、そのベリィから連絡が入った…え?
お付きの者3名もジーナを探している、行方不明状態だと
マウリッツさんからジーナの人相や背格好などの記憶を首筋から
【記憶拝読】で読み取り【周辺検索】で見たら…何でそこに居る?
フリーダム国、FDP本部留置所の中だと
どーしてそうなった…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『ちょっとー!私はエルミタージェ王国、国王の妹なんだってばーここから出しなさいよ!』
『黙れ密航者が!プリティーム魔法国からの輸送コンテナ、ナンバーPM0852に潜り込んでいたのは判っているんだ、フリーダム国のセキュリティをなめるなよ…って、ショウ国王様!何故ここに』
地下4階にある重犯罪者用留置スペースには許可された者しか入ってこられない
網膜認証や指紋認証を通過しないとゲートが開かない
『誰か知らないけど、ここから出せ!って…マウ兄ちゃん!』
マウリッツ、名前が短縮されてるな…というか密航して来た理由は何だ?
とりあえずリングブルグ城まで連れて行くか
+++++++++++++++++++
『この紅茶、美味しいわね~マウ兄、エルミタージェで手に入るようにして!』
『ジーナ、ここでの…自分の立場が判ってるのか?』
『え?エルミタージェ王国、国王の妹だと判って、そこのおじさんがひれ伏したから此処に居るんでしょ!』
バッチーン!
マウリッツが立って座っているジーナにビンタをかました
『いったーい!いきなり何よマウ兄!』
『お前、今回の騒動に介入し鎮圧してくれたフリーダム国の国王であるショウ様におじさんよばわりするとは、このバカモンが!密航した罪を無かった事にしてくれなかったらジーナは死罪だったかもしれなかったんだぞ!』
「いや、死罪は無いから…強制送還に今後は入国出来ないぐらいで」
『…たくさんの人と一緒に居るのが嫌で、抜け出したら大きな箱の中に珍しいモノがあるなと入って見ていたら扉を閉められて気がついたら此処に居ただけなんだから…う、うえ…うわああああん』
すっげー気が強いなと思っていたジーナがギャン泣きである
金髪ツインテールには勝ち気なのが多いかも
「まぁ、ウチのほうも積み込み後の内部確認を怠ったのは間違いないから…扉を閉める前の点検に関しては徹底させるから泣くんじゃない」
『うえ…う…許してくれるの?』
「ああ、何だったらIDカードを発行してあげるからフリーダム国でも見物していくといいよ、カードにお金も入れておいてあげるから」
『苦しゅうない、ちこうよれ…おおおおおおお!』
マウリッツの筋肉腕からゲンコ直撃を食らって頭を抱えながらテーブルに伏せる形で
もんどり打ってるジーナがそこに居た、マウリッツの鼻息がすげぇわ
『ショウ国王様、ジーナはエルミタージェ王国の恥とも言えなくもありません…隣国の国王や皇帝のコメカミに青筋を立てまくり後日父上が土産持参で謝罪を何回しに行ったことか』
「あーなんかわかるわー近いような姫様が居て、いきなり回転蹴りを食らったから宙夏国の幹部が叩きのめして、そのまま性根を叩き直したっけ…何故かいまウチの出先で仕事をしてるよ」
マウリッツが小声ですげぇ事を言ってきた
『ショウ国王様、お願いがあります…大天海から空を飛ぶ乗り物で人員と水を消す事も出来る大型銃や怪我人の手当てなどもしていただきありがとうございます、それでもう1つお願いがあるんのですが』
「この際だ、出来る事ならフリーダム国も宙夏国もエルミタージュ王国を支援しましょう」
『ジーナを、王国の恥にならない程度に普通の娘ぐらいの常識があるレベルぐらいに叩き直してください』
「マウリッツさん、それ…辞退する権利はありですか?」
『ショウ国王なら出来ます、なにとぞ!』
「だからそこで逃げ場が無いような土下座はやめて…」
そこにゲンコ一発から立ち直ったジーナが立ち上がり
『マウ兄さん、何でそこのロリコンに土下座してるのよ…グフォ!』
あああ、マウリッツの蹴り一発でジーナがイチゴパンツ全開でソファー越えて転がっていったよ…エルミエル家ではよくある事という話じゃないと思うが
『ジーナ…城で見たけど、2人も若い娘を囲っているショウ国王様の前でロリコンという言葉は禁句だー!』
本当は2人で済まないんですが、気がついていないけど一緒に居た茜は15歳だぞ、今回はバックアップ要員で終わったけど…しょうがない
姫様ズに、怒られるか
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『ダーリン、どこかへ行くたびに女を引っかけてきて連れ込んで来るのは…もう慣れたわ』
『提督、母上にエルミタージェ王国からの手紙は渡してきました』
「姫様ズでエルミタージェ王国への遠征組は特別手当を出すぞー」
『パパ、お疲れさまでしたーお腹を撫でて欲しいですけどーうふふ』
もう少しで生まれそうだな…2人の子持ちか、いや今抱いているのも合わせて3人か
『あの…フリーダム国に居たはずなのに光る何かを通ったら知らない場所へ、何処なんですかここはー!』
あの勝ち気なジーナが半分ビビっている
「ここはフリーダム国ではないよ、王都はシックビアンカという場所だ…エルミエル家からの依頼でジーナをここで普通の娘にするため教育してくれと依頼があってな」
『何でなのよ!私のほうが偉い…』
パーン!
さっき工作室で作らせた魔力ハリセンは威力すげーなぁ
『…私がジーナ様へ礼儀作法から常識まで叩き込む事をエリザベート様より承りましたロレッタです、本気を出して指導します』
『メ…メイドの分際で私に指導なんて』
パーン!
顔面直撃ハリセンでジーナから鼻血が出た
『本気を出すと言ったでしょ、まだ言うなら今度はグーでいきますよ…』
ロレッタの指導なら半月で終わるかもしれない
ところで、サーティがハリセンと一緒に持って来た
小さい筒型の部品2つを紙に書いてある寸法通りに【空間技法】で
内部を拡張してくれって、何か作成を頼んでいた覚えが無い
そういえば、エルミタージェ王国で壊されたセブンは直ったのか?