【結婚祝いと遭難であります!】
ファーマ公国、空港滑走路にて…普段は戦闘機や偵察機にSeven Fast Cargo機体などが駐機していますが
何故かホルスト公王と、今や妻になったジュリアが居る。
それは、最後の熟練飛行でフリーダム国から戻ってくるのを迎えるためだが…来たようだ
自分たちが持っている「ジョーカー1」と同型機の「フレアス1」が
判りやすいように上半分を青く塗装して尾翼にファーマ公国の国旗がペイントしてある
『ショウおじさん、これは一体…何ですか?』
「ん、自分から2人に結婚祝いだよ」
『ショウ様、一体誰がここまで運んできて…ああ!アリスンとシンディーが操縦して飛ばすことが出来るようになるとは』
「ジュリア姫、訓練中に居ない間はウチからロレッタへお付きにしてもらったりしていたんだよ、2週間でマスターしてしまうとは優秀だな、襟の金バッチはメイドとして初めてかもしれないぞ」
襟にSeven Fast Cargo機内担当と同じ銀の二等辺三角形の中に小さな7つの人造ダイヤが入った形状だが、金色のため今のところ2個しか存在しない
考えたら操縦も出来るSFCトップクラスメイドかもしれない
「公王専用機としてブルト王国や王都、そしてシックビアンカなどへ来る事が出来るよ」
『ショウおじさん、ありがとう!これで外交がはかどります』
『ショウ様、ロレッタさんが来てくれたおかげで夜の営みについて色々と参考になる事が聞けました』
「な、なんだそれは…」
耳元でコッソリと
『キアーラ様から、オネショタ直伝の上から乗っておっぱい天国状態のまま確実に昇天させる方法とか…あら、ショウ様は滑走路と頭突きですか?』
思いっきり滑走路に這いつくばっていた
「あの物知り幼女は本当にもう!ロレッタはどこへ行った?」
『先に王都へ寄ってから戻ると行って、もう消えるように行きましたよー』
「ああ、ジュリアお姫様ほんわかしてるなーどれ、アレの試験飛行がてら自分も戻るか」
空間収納からタイヤが無い謎の乗り物を出して跨がりスイッチを入れて前後の輪から
魔方陣が出て設定値の通りに少し浮いた
『ショウおじさん、これは何ですか!』
「ん?ちょっと試験的に作ってみたから名前はまだ無いよ」
『右側と左側の足元に同じペダルがありますね、手元のレバーもあるのに』
「これは左側が前を踏むと前進して後ろを踏むと後進するペダルで、右側が前を踏むと上昇して後ろを踏むと下降するんだよ」
『レバーはブレーキなの?』
「そうだよ、よく気がついたね…じゃあ帰るから今度それに乗って遊びにおいでよ」
右側の前ペダルを踏み上昇して左側のペダルを踏みアクセルを開け音も無く
一気に加速する、結構チカラあるなこれー
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『ショウおじさん、行っちゃったね…ジュリアは下にしゃがんでどうしたの?』
『ホルスト…さっきショウ様の乗り物があった場所に、こんなのが落ちていたの』
『これは、今すぐ整備班集合!急げ!』
見た限り、どの機体にも当てはまらないネジだというのが判明して
確実にショウ様が乗っていった謎の機械に付いていた
ネジが3本抜け落ちていたのが判明したが、通常の乗り物ではないので連絡の取りようが無い
『とりあえず管制塔からフリーダム国に連絡して!ショウおじさん大丈夫かな』
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「3カメラ式自動操縦装置も問題無いと、後は一気に谷を越える試験もかねて左側十字キーの下にある禁断のボタンのテストで終わりだ…それ!」
一番下にあるBと書かれたボタンを押すと現在時速120キロが一気に280キロを越えて景色が吹っ飛んでいく、よく言われるBダッシュボタンを付けてみた
「よし、ダッシュ性能も問題なし…さてシックビアンカへ…ん?なんか焦げ臭いな」
バチンとエンジン部分に当たる制御レギュレーター部分から異音がして白い煙が吹き出し
目の前の13インチ相当の液晶モニターが真っ黒になった、電源が落ちて魔方陣まで消えて下の森に落下するだけだろうが
「ちょっ!安全装置は別回路にしてないんだけど!骨の何本か折れる!最後に確認した速度が!あがっががががが!」
ブラックアウト何度目だよコレ
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体中が痛い…痛いけど、骨は折れてはいない
そういえばダークエルフの森で死闘やった時と違って今は地上神なんだっけ
よく考えたら1回死んでるんだよな、それで思い出したが年を食った時のボディの話はあれからどうなったんだろ?
まずは現状チェック、目を開けて見よう…大丈夫だ
でも、檻の中だということは何かに捕まったな
VR画面でマップ表示、出ないということは何か別なチカラがあるという事か
あと、後ろ手が縛られているのは理解できた、また念話も不能というのも判った
こりゃ【周辺検索】で不明状態だな…姫様ズから怒られるわー
『起きたようだな、侵入者め』
「侵入者って…うおおお!犬の耳が毛が尻尾が!」
『なんだよ!そんなに珍しいか』
「人間のように見えて動物と合体している部族が居たのか…王都にも資料は無かったぞ」
『この結界が張ってある場所にどうやって入れたのだ、それが不思議だ』
「たぶん魔方陣を使って飛ぶ乗り物だから通過するときに何らかの反応が起きたと思うが、壊れたような気がする」
『あ…白いあれか、煙も出ていたけどここまで持ってきたぜ』
「ともかく、侵入する気は無いから縄を解け…今度は起きて時間を置くと自己回復してくれるようだな」
『誰が解くか!って何で縄を解いて檻の外に居るんだあああ!』
「それぐらいの能力があるんだよ、白いあれはどこだ?」
外に置いてあったが、他のタヌキやオオカミにクマみたいな獣人が襲ってきたが【念動力】で吹っ飛ばしたらビビって誰も来なくなった、そりゃそうか
「横倒しにしたままとは…あ、下側の自位置固定コイルの蓋に付いてるネジ4本のうち3本が無い、こりゃダメだから適当な場所までマクリミカブで戻ろう」
空間収納で入れ替えて乗ろうとしたら白いイタチみたいなのが来た、デカい
『お主、ただ者でないな…ケガをしていたが自然に回復しているわ手を触れずに相手を吹っ飛ばすわワシの目をしても魔力や体力は200前後にしか見えないのはフェイク系の能力もあるという事じゃな』
地上神になったら、全員分の加護が(松)レベルまで上がり恋愛神の加護に含まれる
【フェイクパッチ】という能力が使えるので、逆に表示を削って見えないように隠しているが、本当の使い方は使えなくてもウソの能力をマシマシ出来るのでモテるために使うための能力だそうな
そこまでしてモテたいのか…削らないと数値が一般人の2桁増し万単位になりヤバいので
ただし、ショウ・マクリミナス状態でないと使えないから疑似装置は必要なのか
『お主なら、森の中心にある石の所にある石版の文字が読める気がしてな』
『長老!このような奴に、あの場所を教えるのですか』
『黙れ小童!着いてきて下され』
森の中心にそれはあった、真っ白い輝く魔石
半径10mはあり深さは20mは埋まってるな、横に石版はあった…古代文字だ
「えーと、ここに集まる動物たちよ…人間と同じような生活をする事が出来るので移動する事なかれ、結界の外に出て3日で元の姿へ戻るであろう」
『本当に読めるのですか!』
「最後に何か書いてあるな、魔石の管理者魔王…あのやろう!後でブン殴る」
『ちょっと待って下さい、魔王をブン殴るって貴方は何者ですか!』
白いイタチがそう言った途端に、空から真横へ小さい石版が降ってきて地面に刺さった
一緒に着いてきた他の獣人他がビビっていた、今度のは誰でも読める文字だ…何だって?
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ショウ殿、いや地上神
先代が色々やらかしていたようだが勘弁してくれ
コッチで動物可変魔石の設定を変えたので地上神の念話には
影響が無いようになったはずだから殴りに来ないでくれ
魔王
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「地上神なのがバレたじゃないかよ、魔王のばっかああ!お前ら全員で土下座するなああ!」
だから猫系の娘を生け贄に出さなくていいから…あ、念話が
《おぢちゃん…やっと連絡とれた!3日も検索不能状態で、母上がブチ切れ状態だから戻ってきてええ!》
[判った、かなりヤバそうだから戻る!]
結界のせいで、ここは普通の人に位置が判らないから安心しろと言い
【テレポート】で戻った、また来てくれと言われたが
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「母上、ご心配をおかけし…ぐっはぁ!」
いきなり無言の乳ビンタでソファーまで吹っ飛ばされた
『ファーマ公国にネジが落ちていたから墜落した可能性が高いという事でフリーダム国や王都含め周辺国で大騒ぎだったのよ!』
「申しわけありません、遭難していました!」
『夕食後、部屋まで来るように!』
振り向いて出て行ってしまった
『ダーリン、お母様…本気で怒ってるわ』
「今日は無事で済むかなー」
その前に、3日ぶりの風呂へ行こう