【結婚披露宴の陰謀であります】
『これは、人格だけ置いていったという事でしょうか?』
屋敷の地下ワイン貯蔵庫へ行く手前から行ける会議室、そこから3人分の執務室へ行くドアがあるわけだが、ここで姫様ズと父上・母上とロレッタ含む主要メンバーで緊急会議をやっています
「そうです、まさかナイフごと暴漢の腕を吹っ飛ばすとは…金属まで粉末状態ですよ」
『ショウ、今のところ妹であるメリーの人格と破壊の魔眼が連動するわけね』
「ええ、そのうち魔力の修行や年齢が上がってくると問題は無くなると思います」
と、さっき創造のジッチャンに聞いたらそう言っていたから大丈夫だろう
『そこはショウを信用しましょう…ところで、ファーマ公国ホルスト公王から3日後だけど結婚式の招待状が来ていました、参加が出来る人数に限りがあるので選抜します』
『お母様!次女の私に行く権利が』
すかさずリディアのツッコミが入る、しかし今回は違った
『あの騒動に関わったショウ・舞は確定です、ヘイハチさんとテラさんは向こうから亡命状態で来たという事で優先されます、4名は特殊技能持ちなのでボディガードも兼ねてくれると思いますので…あと2名はくじ引きで決めなさい』
母上、鬼だ…くじ引きですかあああ!
結局あみだくじでリディアと春燕が結婚式招待状の切符を手に入れた
『んほぉおおお!強運の引き戻しなのよおおお!』
両腕で「ふんす!」のポーズを取って叫ぶリディアに
『久しぶりにシルクのドレスが着られるわね、ほほほ』
「春燕、あのおっぱい丸出しのヤツはやめような…って母上、その招待状の人数は7人と書いてませんか?」
『王都から自分の娘が嫁入りするのよ!王妃のジャスティーナが来るのに同級生だった私が行かなくてどうするのよ』
『『『『『『『お母様、はかったな…』』』』』』』
初めて7人全員がシンクロしたのを聞いた
最初に招待状の封を開けた者の特権かもしれんが
『マスター、またお取り込み中すいませんが』
「うおお!セブンは相変わらず気配が無い」
真横に立たれても全く気がつかないのが諜報専門アンドロイドの怖いところだ
『実はファーマ公国の事で話があるのですが』
セブンが耳打ちをしてくれた話に、ちょっと洒落にならんかもと思った
結婚式には裏で陽奈と美影にも動いてもらう事になりそうだ
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
3日後、ファーマ公国
ホルスト公王とジュリアの結婚式は盛大に行われ披露宴も前の世界と同じように
最大10人掛けの大テーブル事にナントカ家と集まる形式のようだ
小さいのもあるようだが、ウチはデカいようだ
「うん、料理も酒も美味いなー」
『ダーリン、私たちの結婚式は?』
「あ…考えて無かった」
『んもー!これだから…どうしたのダーリン突然黙ったけど?』
目の前の料理がカチャンという音を立ててズレたように位置が変わった
舞とリディアが固まっている
『提督、いま【鑑定眼】で見たら毒が入ってます…』
「ああ、皿を持って【時魔法】15分逆行【鑑定眼】毒が消えたということは、厨房か運んでくるメイドか?」
今度は念話で
《殿、陽奈です!今度はホルスト公王の料理に毒が、殿の料理と【コンバート】します》
少し場所のズレが生じるのでカチャンという皿の音はするが料理が入れ替わっている
2人だけに【コンバート】の特殊能力を与えて、ホルスト公王とジュリアの後ろへ
【光学迷彩】状態で料理の全てに【鑑定眼】で確認して毒入りは自分のと【コンバート】して入れ替える作戦を支持した
【時魔法】で時間を戻せば入れた毒は無かった事に出来るから
これはセブンが、ジュリア王妃を亡き者にして後釜狙いを狙っている所があると調べてきてくれた情報による事だが、当たっていたか
「食前酒や前菜などが終わったから、次はメインディッシュだな…時間が掛かるか、ちょっと席を外すぞ【テレポート】」
『丈夫、思いっきり消えるとは…誰も気がついてないからいいけど』
【光学迷彩】をかけて厨房にいるが【禁断の時読み】を使えば誰が何をやるか1分先まで判る…あいつか、【時間停止】
この小瓶が毒か、中身は無色透明だから複製石の欠片で同じモノを作って中身は捨てて綺麗に洗って…元通りポケットに入れて【時間停止解除】もう1人居るな
【禁断の時読み】居た、あのワゴンで料理を運んでいるメイドか!渡すメイドに指示するのを間違えたら公王に行ってしまうから1度間違えたのか、【時間停止】
やはり同じ小瓶か、水を入れてポケットへ…【時間停止解除】
よし戻るか【テレポート】
「ただいま、たぶん終わったぞ」
『ダーリン!びっくりしたわよ、さっきから何をやっているのよ』
「いやちょっとね、セブン居るか?」
『ここに居ますよ、ふふふ』
「うわ、テーブルの下から顔だけ出すとは…たぶんこの会場に悔しがっている一団が居るはずだ、見つけてこい」
『らじゃーですよ』
そのままセブンは消えていった
メインディッシュの特上ステーキを完食した頃に
『マスター向こう端のハウゼン家のテーブルが怨念がこもるぐらい凄い事になってます』
「セブンありがとう、【特定聴取耳】超指向」
ハウゼン家のテーブルの会話が聞こえてきた
『一体どうなってるのよ!カネを詰んで厨房のコックと料理を運ぶメイドを買収して王妃ジュリアへ毒を盛るという手はずでなかったの』
『毒を盛って亡き者にしたら、ウチのアマリアのおっぱいで釣って王妃の座につける計画が流れる』
あのーそれ、おっぱいじゃなくて…ただのデブですから
『提督、いつものScouter Modeで例の銀玉を上ではなく床スレスレに飛ばしてましたが何かやってましたか?』
「ああ、改良して録画と音声も記録出来るようにしてあるから証拠も残した」
何があったか全員に話した、リディアと母上以外は披露宴が終了後に一働きしてもらおう
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『あいたた、ここは一体?』
ハウゼン家ご一行様と毒を盛ったコックとメイドは【マジックゲート】で
滑走路脇の空き地に落とし穴状態にて強制転送された格好に
「あ、ファーマ公国王妃に毒を盛って亡き者にしようとした関係者5人を集めただけだが?」
『そ…そんな事は知らん!』
「ほお、これでも知らんと言うか」
銀玉で記録した音声付きの動画をKIX-015で見せる
さすがに何も言えなくなったようだ
『それよりファーマ公国関係者ではないお前たちが私たちを裁けるはずが』
全員で例の王都割り印入り写真身分証と金のバッチ入り手帳を縦にパコっと開いて見せた
「ここに居る全員が王都機動捜査班だ、自分はショウ・マクリミナス、フリーダム国の国王でもあり宙夏国の主席であるが…フリーダム国とファーマ公国は同盟を結んでいるぞ」
メイドとコックがダッシュで逃げようとしたが光学迷彩を解除した陽奈と美影に背後から一刀両断で成敗された、そして自分の前で立ちヒザをついて待機状態になった2人を見て残りの3人が腰を抜かす寸前に
「さて、このような不祥事は避けたいですよねー消してしまいたいと思いませんか」
『それはそうだ、我々の行った事は間違っていた…許してくれるのか?』
「いいえ、黒歴史は残しませんよ…【重力結界】【ハイパーミラクルファイナルバースト】」
5人まとめて消えたけれど、これは王都機動捜査班の中で封印される事になるだろう
この後でホルスト公王や王妃ジュリアとバートランド国王を囲んでの会談など色々とあった、後で何か結婚祝いを送るか