【部署と病院であります!】
依頼書を片手にグランアレクトル城の国王執務室へ来ています
『書面の通りだが、クビを跳ねられた死体と35歳…のはずが老婆になって息絶えていた死体と、その35歳のイルマという女性の娘2人が行方不明という案件なのだが』
「あー1人は間に合いませんでしたが…アンはフラウガルテン温泉病院で一命を取り留め治療中です、フリーダム総合病院に移送する予定ですが」
『…それは、一体どんな事になっているのだね?』
黒ポスト依頼で話が発展してやむなく2名抹殺した話まで国王に伝えた
「大体、育児放棄とか…その辺の見回りとか管理はどうなっているのですか?シックビアンカでは弟のテラが警備隊に指図し情報をまとめ、状況次第では踏み込んでますよ」
『王都は専門の王都住民保安部という所がある、そこで見回りやサポートをやっているはずだ』
「そうですか、そんな部署が…ちょっと見てきますか」
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「あった、わりと奥の方に看板が出ているな…受付もあるけど、ああん?」
そこは制服を着て…るわけでもなくワイシャツも開けて完全にくつろいでいる
16人ほど居て半数は女性か、マニキュア塗ってるか紅茶とお菓子を食ってるか
机に突っ伏して寝てるのも居るわ、男連中はというと
おっと、野戦用ボトルでコッソリ飲んでますか
【光学迷彩】で部屋に入り込んで良かったわ、あれが部長か
では目の前まで行って【光学迷彩】解除と
「ずいぶんくつろいだ職場ですねえ、国王は実体を知っているんですか?」
『うわぁあああああ!』
やはり椅子から落ちたか、ヒゲ面ハゲ親父
『お…お前は誰だ!いきなり現れて!』
王都割り印入り写真身分証と金のバッチ入り手帳を縦にパコっと開いて見せる
「王都機動捜査班、ショウ・マクリミナスだが…お前らが仕事をしないおかげで王都で幼女が1人死亡したのを知っているか?」
『王都機動捜査班!あの国王の次に権力があるという…王都住民保安部、部長のジェイソンです!部下達が日頃から見回りや訪問をしているのでそのような事は』
『えー!部長が行き先を指示してくれないと行きませーん』
『警備隊みたいな乗り物ほしいですね』
『だって面倒だしー何か起きてからでいいでしょー』
『向こうから窓口に来るんじゃないんですかー?』
「おまえら…そして部長、歯くいしばれ!【念動力】」
女性は腹パン、男性は顔面に念動力パンチで16人同時に吹っ飛ばしたので
何かが割れる音や悲鳴と叫び声で阿鼻叫喚の状態に
【周辺検索】虐待状態の家庭で調べたら王都であと9件ある事が判ったので
名前住所と家族構成を紙に書いて部長に渡す
「この9件を、あと3日で解決が出来なかったら…王都住民保安部は存在する意味が無いので15名はクビ、ジェイソン部長は」
『私はどうなるのですか?』
「職務放棄と王都住民を助けずに死亡させた監督不行き届きにより公開斬首刑」
『…うをおおおお!お前ら、オレの命が掛かっているんだ!全員でかかれええええ!』
斬首刑になんかするわけないだろ、こうも言わないと本気になってやらんだろうから
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『ショウ殿、すまぬ…まさか住民保安部がそんな状態だとは!』
「いやーあそこまで腐りきっている部署だとは思いませんでした、思いっきりハッパをかけてきたので働いてくれるでしょう」
『グランアレクトル城も広いし警備部や近衛兵も含め部署も多いし、王都機動捜査班として他の所も見て回ってくれないだろうか、姿を消せるのだろう?』
「そりゃ特能シスターズも含め全員で6人居ますが、たまになら出来るかもしれませんが帰って聞いてみないと」
『少ないが、巡回手当てが出るぞ』
「それなら行くと思います」
チャッカリしてやがるぜバートランド国王、まずはアンの所へ様子を見に行かねば
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フラウガルテン温泉病院へテレポートしてきました
RA2 industry本社から見てシックビアンカ寄りの場所に建っている
3階建ての小さい病院ですが、設備だけはそこそこに整っています
温泉病院なので温泉設備もあります、東区のほうから例のバルブに繋がる仕掛けで引っ張ってますが土魔法でボーリングするとは思わなかった
2階の病室にアンは居るはずだ、他にも入院患者は居る
ポーションやアレクターも提供しているから、病院食はR2A-iから提供だから
格安運用だけど、公爵や伯爵からは個室料金も含め割増ですから
「舞、アンの回復度合いは?」
『提督、腕巻き型の点滴…というのでしょうか魔力栄養供給器のおかげで安全圏内に入っています』
「コレのおかげで心拍数や呼吸数も全部モニターに出るのはいいよなーって…気がついた!」
目をあけて第一声が
『ここは…妹のメリーは』
「あ…それは、その」
『提督、さすがに隠せませんよ…』
「アン、実は」
メリーは助けに行ったけどすでに亡くなっていた事を告げると、ギャン泣きするかと思ったら…それは判っていた事だと、手の中で冷たくなっていたのか
『おじちゃん、お腹へった…』
「よし、一美に言って何か持って来てもらおう」
イチゴや桃などの消化のが良くて栄養価の高いモノを持って来てもらった
【念動力】と【かまいたち】で目の前にて剥かれて切られ皿に盛られていくフルーツを見て驚きと感動で目を輝かせていた
「そういえば、アンは何歳だっけ?」
『えっと…5歳、メリーは3歳だったはずなの』
「5歳か、とりあえず向こうの病院で精密検査をして回復してから考えるか」
『提督、向こうの病院って何ですか?』
「アン、それを食べたら違う所に移るよ…これに座ってね」
電動サポート車椅子に乗せてエレベーターまで移動し
乗り込んで中の行き先ボタンの所にあるオプションにタッチすると
地下の階数が地下1階までのはずが地下3階まで増える
『タッチパネル式というのも何ですが、列が変わって増えるのも怖いですね』
「普段は地下1階より下は隠してあるんだけど、特定の人は使えるんだ…着いたよ」
扉が開くと廊下があっていくつか左右に部屋があるが真っ正面にどこかで見たようなデザインの扉が、手を触れると扉が淡い青に光り3人で通過すると元の状態に戻る
そして通過した先は
『提督、今度は廊下が広いんですが…さっきよりエレベーターが大きいですよ!』
「まぁ乗って、今度は5階へ直接行くよ」
エレベーターが5階に着くと、そこは飾られた紙の輪っかとか貼ってある星の紙とか
走り回る子供とか…舞が呆気にとられている、でもそれはナースステーションの先の話で
『国王様、話に聞いていたのはその子ね』
「マミ婦長、小児科で後はお願い出来ますか?」
『はい、精密検査と回復までお任せ下さい』
『提督…ここは何処ですか?』
「ああ、ここはフリーダム総合病院だよ」
『シックビアンカとフリーダム国って裏で繋がっていたのですか!』
「だからコッソリと地下で繋いであるんだよ、アンどうした?」
『国王おじちゃん、寂しいからまた来てね…う、うえぇええええ』
「わかった、たまに来るからっていきなり泣くなああああ!」
安心したのかダムが決壊したが如くアンが号泣したもので
屋敷に戻ってからまた幼女を泣かせたと姫様ズから追求されまくるとは