【まだそこに残党が、であります!】
『申し訳ない』
「申しわけございません」
ほぼ同時に国王と自分が同じような言葉を発した
王都から同じ国内で攻撃行為に及んでしまった事と
それを皆殺しにした事をお互いに謝っている光景が
『まさか議会の一部がショウ殿の奥方たちを人質にして王都へ軍備を増強させようと考えるなんて思わなかったわ』
「シックビアンカに来たら殲滅させられる事はコレで判ったでしょう…たぶん」
『いや、また行くかもしれないから…ちょっと待っていろ』
文官に指示をして革表紙の何かを2冊持ってきて何かを書いている
1冊は控えなのかもしれない、出来たようなので机に呼ばれる
『ショウ殿、コレでまた内部でシックビアンカへ攻めて攻撃及び殲滅しても大丈夫だ』
「大丈夫だって何が…あああ!シックビアンカが特別自治区になっている!」
『これで王都の法律以外にシックビアンカ特別法も作れるから、このような事態が発生したら自治区なので適宜対応が出来るぞ』
「すいません国王、国内でシックビアンカだけ浮かせた状態かつ保護してもらう格好になるとは…というか王国内で唯一、自治政権ありという事ですか?」
『そこは深く考えるな…今回はこちらが悪いのだから、これから告示するから1週間後には各地域に広まると思うぞ』
「わかりました、そこにあるもう1冊は控えですか?」
『あ、コレは…ジャスティレルだけど王都直轄なのだが、それでも管轄する者が居ないのはどうかと意見が出ているのと、地下に魔族が居ると嫌がって敬遠するのでショウ殿!領主として宜しく頼む』
国王の机の前で思いっきり頭からコケた
「ギルドマスター兼ジャスティレルの領主をやれと言うのですか!」
『シックビアンカとは近いし、城などはギルドの事務所や受付が入っていたり王都からの出向者用宿舎になっていたりと…ここで新たな領主を置くとメイドや執事を含めたら普通の伯爵が入るには建物が新たに必要だからどうしようかと思っていたのだ、空き部屋をいくつか使っても良いから』
「確かにジャスティレルはシックビアンカと近いですが、国王にまたハメられた気がする」
『子爵でもちゃんと手当てが出るから、頼んだぞ』
もう笑うしか無いわ…
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
屋敷に戻ってきて姫様ズや母上などと話す
「母上、流れ弾で乗っていったデルタ6を破壊したそうで」
『あれは予想外だったのよ、本当は全部当たるはずだったのよ…』
「街の中なら怪我人で済まなかったかもしれません、デルタ6は試験的にもう1台作っていた予備があるからいいですよ…マクリミマザーは自分が調整するまで出撃はダメですからね!」
『それにしても、ここが特別自治区になってショウがジャスティレルの通いで領主もやる事になろうとは、さっきジャスティーナからも連絡が来て宜しくと言われたわよ』
「自分、あてにされてますね、ははは…もう笑うしかないわ」
リビングに全力で静が走ってきた
『ショウ様、城の受付へこのような置き手紙が!』
「なんだ、どれ…ああ!攻めてくる前にシックビアンカへ入り込んでいた奴らが居たのか」
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正妻のリディアは預かった、返して欲しくば
王都に共和国以上の軍備を置け
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「あああ、何てことだ…リディアはどこへ行った?」
『母上を迎えに特能シスターズでテレポートした後は知りません』
『ショウ様、中央公園に行くというので大丈夫だと思って私もサーティも同行しませんでした!申しわけありません!』
ロレッタ、床に突っ伏して号泣です
『旦那様あああ!私も一緒に行っておけばあああ!』
「アリスも立ったまま泣かなくていいから!」
『みんな、たっだいまー!』
『『『「え、何でリディアがここに居る?」』』』
『ダーリンが西区の住人を採用してアイスクリーム?とかいう冷たいお菓子を中央公園で売り始めたというから見に行ったのよ、大人気よ!美味しいわねー』
RA2 industryで作った魔力冷凍機内蔵リアカー式の屋根付きワゴンを移動させてトウモロコシウエハースで作ったカップにシャーベットを含むアイスクリームを銅貨1枚で盛って売るという事をやってみたウケたようで、牛乳バニラ味やイチゴにオレンジ、マンゴーやライチなど…やってみるもんだ
「リディア、中央公園からどうやって帰ってきた?」
『行きは歩いたけど、帰りは路地からブレスレットの機能を使って転移して一気に屋敷の廊下まで帰ってきたわよ』
「その途中に同じ背格好の人は居なかったか?」
『うーん…よく覚えていないわ』
「待てよ、さらったのが何故リディアだと判別が出来るんだ?」
銀パッドDE-78で前にセブンからコーデリアがスパイ行為で撮影したマクリミナス家全員の写真を見たら…リディアだけ横顔しか存在しない
それに、リディアが出かけた時は赤いスカートに白いブラウスに髪はポニーテールに赤リボンと、どこにでも居る娘状態だから間違えて他人がさらわれた可能性が高い
「これは屋敷全員の写真が向こうに流れていると他人と間違える可能性があるわ…困ったなぁ」
『提督、サーチ検索をしましたが範囲がアバウトすぎて無理でした』
「舞、そうだろう…行方不明者の捜索願いが出るまで待つしか無いのか」
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3時間後
『主、わかりました!中央区にあるパン屋の娘、オリヴィア・ラングドシャーです』
「なんだって、捜索願いが出たのか!」
『はい、中央区の出張所に親が使いに出したが帰ってこないと』
「名前と場所さえ判れば…【周辺検索】中央区にあるパン屋の娘、オリヴィア・ラングドシャーは、居た!年齢も違うけど顔は似てるな…よし救出に」
『ショウ様!そのオリヴィア、今は何歳ですか?』
「ロレッタ、14歳となっているが」
『やっぱり、あのオリヴィアで間違いない、ショウ様!早く行きましょう…今回は私も同行します』
「急にどうしたんだ?」
『早く行かないと…犯人が皆殺しになるかもしれません』
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『離してー!私はリディア・マクリミナス公爵夫人じゃないんだってばー!』
手を後ろに縛られて身動きが取れません
『ウソをつけ!横顔しかないけど…同じだな』
『ああ、同じだな』
東区にある農家の畑のど真ん中にある物置小屋の中で酒を飲みながら
農作業風の格好をした3人が話している
『しかし、馬車と運ぶための麻袋とこんな格好で簡単に誘拐が出来るとは』
『ザイラー副議長と連絡が取れなくなったら指示の通りに実行しろと言っていたが…殺さなければいいんだよな?』
『ああ、3人で可愛がるのはありだよな…へっへっへ』
いきなりブラウスを引き裂き犯す気が満々です
『いやー!離してー!…って言ってるのに!熱く燃えたぎる紅蓮の正義、火力鉄拳!』
『押さえ込んでしまえばこっちのモノ…ウゴァ!』
人間が天井に吹っ飛んで落下し、全身燃えています
『な…何で手を縛ったのに外れている』
オリヴィアが手首をコキコキ鳴らしながら
『ふぅ、せっかく足を洗ったと思ったのに、これぐらいの縄を抜ける訓練は受けていたのよ…清き乙女の吐息、水妖精の咆吼!水流トルネード!』
『『ぬぉあああああ!』』
「オリヴィアさん大丈夫ですか…って、おわぁあああ!」
位置を確認してテレポートで踏み込んだ瞬間、大量の水による竜巻に巻き込まれて
犯人らしき者と一緒に物置を破壊して50mほど吹っ飛ばされた気がする
『はっ…いま誰か他に居たような、貴方は別名…赤のロレッタ、どうしてここに!』
仁王立ち怒りモードのロレッタがオリヴィアの前に立ち
『メイドスクール卒業後、同じようにグランアレクトル城の採用になったけれど1年前に兄が病気となり、やむなく家業を継ぐために辞めたのは知っていますが…城で唯一、火と水の魔法特性があるメイド、水色のオリヴィアとして有名になりスコーピオンに採用でもこの特性で居なくなったのはグランアレクトル城としても痛手だったのですよ』
『すいません!兄は2年前に咳が出て体力が無くなっていく病気に…もってあと1年とか』
「またそれか…治るよその病気は、他の2名は昇天したが洗濯機の中にブチこまれた気分で全身ずぶ濡れだ、しかし雰囲気もリディアとよく似てるな」
『ショウ様、大丈夫ですか』
『ロレッタさん、ショウ様って…あのショウ・マクリミナス公爵』
『オリヴィア、そうよ!助けにきた公爵を一緒に吹っ飛ばしたのよ!』
オリヴィア、マッハで土下座状態に
『申しわけありませんでした!この失敗は、いかなる処分でも受けます!』
「と言われても、ともかくオリヴィアの家に戻ろう」
中央区にあるパン屋、ラングリエに予備のデルタ6を出し3人で戻った
両親まさに号泣、兄のピーターをアレクターで治したら更に号泣
更に弟も居るんかーい!オリヴィアは、というと…
『助けに来たショウ公爵に迷惑をかけたとあっては謝罪だけでは!兄の病気が回復してもグランアレクトル城には、もう戻れません』
「うーん、どうしたものか」
『ショウ様…マクリミナス公爵家、副メイド長としてこの件は一任させてください』
「ロレッタが言うなら、ってウチに採用する気か!」
『グレイスメイド長と話してみますが、今回の件で色々と不備な点も見つかりましたので、後で全員が集まる事になりますが』
まず、先に母上へ話を通してくれ…