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異世界おひとり様自衛官  作者: 柊真琴
◆その10:ジョブチェンジ昇進編
156/189

【尻拭いの吊し上げであります!】

さて、ライフリアの件もカタがついたし前から約束していた

ヒルダとヒルデの進路について三者面談だが、すでに進学が決定だから

何を話せと…2人はすでに王都大学の特待生になれると決まっている


無試験の推薦枠だから、またダンジョンに行って

出席日数が不足しても大丈夫とか言うな…この2人ならレベルアップ目指してまた行くぞ



『あにぃ、面談はコレだけなんですが…実は』


「実はなんだ、ヒルダが目を逸らす時は、いつも何かあるだろ?」


『兄様、あのですね…この間イチナナさんが』


何があったかを聞いて校舎の廊下で頭を抱えている自分が居た

この一件、サーティ及びシスターから何も聞いてないぞ



『それで、終わったらあにぃを校長室に連れて来いと』


「うわぁあああ!マジで吊し上げ待った無しじゃねーか!」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



王都学校、高等部校長室のクソ広い応接間の長椅子で

こっちはヒルダとヒルデに挟まれて座っている訳だが

向かい側にはシンシアとキャシーの親が2人ずつ座ってるよ



『はじめまして、シンシアの親のエムシュタット村、村長のディーデリヒと妻のヨハンナです』


エムシュタット村…確か王都からファーマ公国方向へ30分ぐらいの所にあったな

農村だというのは資料室で見た



『キャシーの親のエトガルと妻のヘルミーネです、王都にあるピアシルという茶葉問屋の専務取締役をしております』


どこかで聞いたような…ああ、ウチの会社RA2-iから王都に紅茶を専売で出している所か



『校長のランドルフですが…あのーご両家ともお怒りのようで』


『怒りますよ!娘がいきなりケガさせられたのですから!』


『ヨハンナさん、まぁまぁ…すでに魔力でキズひとつ残らず回復したのですから』


『校長先生は黙ってて!いきなり太い巨体が飛んできたのですから精神的ダメージが…あああ』


『ヘルミーネの言うとおりだ、1人をガードするのに2人をケガさせるとは』


「それについてはウチからの配置が悪かったとしか言いようがないです」


『たかが一介(いっかい)の王都子爵ごときが配置できるモノなんぞ、村長の私から見たらタカがしれてるわ』


『そうですな、王都一の茶葉問屋の専務より動かせるモノは無いでしょうなー』


そこまで話したら校長室の扉を蹴破るが如く2人の人物が入って来た

腰まで金髪ストレートのシンシアと赤髪ツインテールのキャシーが


真っ青になって両方の親の前に立ち塞がっている



『お父様、ヒルダとヒルデお兄様の事…知らないのですか?』


『父上、王都での主力商品を知らずに…会社を潰す気ですか!』


『『な、なんだお前たち!』』


父親2名がビビっているとドアから珍しい人が入ってきて校長以下、自分たち以外が更にビビっていた



『ショウ殿、珍しい所で会うものだな』


「誰かと思ったら国王様とは、今日は何の用で?」


『いや、先日のハルバード公爵家次女の件で宿舎のガードがあっさり眠らされるとはウチの失態だから国で宿舎の修理と保証はすると現場視察も兼ねて校長へ言いに来たのだが』


「アレはウチのイチナナがパワー出し過ぎたのもあるので弊社からも保証しようかと思っていたのですが」


『いや、アマデウスという警備する何かを作ってもらった代金と交換ということで』


「あ、しまった…請求し忘れてた」


『ショウ殿は太っ腹だな、またグランアレクトル城に来てくれ…じゃあな』


護衛を連れて去って行った、相変わらずだな国王は



『バートランド国王様と気安く話せる貴方は一体』


ヨハンナさん、さっきの勢いはどこへ



『キャシー、ハルバード公爵家ってライフリアを統治しているあの…』


『母上、次女であるユリアナを急ぎガードするために強い人を待機させてくれたけど私たちの部屋を破壊するぐらい刺客が巨体過ぎたのよ!』


シンシアがヒルダとヒルデのほうを向いて



『2人とも、どうしてお兄様の名前を言わなかったのよ!』


『だって、あにぃ同士の会話は…クチ挟む余裕も何も無かったし』


『兄様へ何か言ったら途端に私が泣きそうで…えっぐえぐ』


『ヒルデは相変わらず泣くんだからもう、最初からあにぃの名前がショウ・マクリミナスと言っておけばよかったのかもね』



今度はシンシアの親のディーデリヒとヨハンナと

キャシーの親のエトガルとヘルミーネが真っ青になった



『ショウ・マクリミナス、あの共和国7番目のフリーダム国、国王であり宙夏そらなつ国、主席も兼ねているシックビアンカ、マクリミナス公爵家のショウ様…』


『あの高級紅茶をウチ専売で卸してくれているRA2 industryの社長でもあり郵便や旅客輸送もやっているSeven Fast Cargoセブンファストカーゴの運営者のショウ様…』


『あのロリコン公爵を、ここで見るとは』


『おっぱい公爵、本の通りの人ね』


あああ、母上…マクリミナス・セブンは売れているようです、もう泣きそう



「さて、お2人とも自分たちより動かせないと言いましたね…ミカゲ!居るか」


『はっ!殿、ここに』


部屋の角へヒザを付きしゃがむように現れるから奥方2名が驚いていた



「RA2ファーマーズに農業技術協力の話が無かったか?」


『はい、来週そのような話が…本社のボードにはエムシュタット村と書いてありました』


「そうか、それをキャンセルして王都の茶葉問屋へ卸している紅茶全部…出荷を1ヶ月間止めろと一美に伝えてきてくれ」


『御意!』


シュンと音を立てて消えるように姿を消したと同時に席を立って



「自分、今はこれぐらいしか出来ませんよ…ヒルダ、ヒルデ帰ろう」


『『は…はい』』


応接室で奥方たちが旦那を叱る怒号が聞こえてた気がするが、気のせいだろう



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「国王様、グランアレクトル城に招集とはどうしたのですか?」


『ショウ殿…どうしたもこうしたもあるか!国民から苦情が来ているわ』


「あ、もしかして出荷停止してから5日目か、限界が来たか」


『まもなく来客もここへ来るから、通してくれ!』


七三分けのオッサンがやってきた



『どうも、茶葉問屋ピアシル社長のアレクサンダーと申します…この度は弊社のエトガルが大変失礼な事を、深くお詫び致します』


「いや、当方に茶葉問屋の専務より動かせるモノが無いというので、やってみただけなのでお気遣いなく」


『いえ!もう限界です…主力の売り物が無い状態では取引先が減る一方です、どうか出荷の再開を!』


『ショウ殿、私からもお願いするよ…アレクサンダーは王都大学で同期なんだわ』


「しょうがないですね…わかりましたが今後、王都で人と物件探しなどを頼むかもしれません」


『それは任せてくれ、長い間商売をやっていていたからツテはある』


『ショウ殿、国王としてエムシュタット村への農業関連も頼む、このとおり』


「わかりましから、国王がそう簡単に頭を下げるものじゃないですよ」


それからエムシュタット村で農業指導と共にスパニッシュ1号から4号までを使い

土壌改良剤散布やドロイドを使った種蒔きなどを行ったりしましたが


現地に着いた瞬間、村長が土下座状態というのもまた…


村の境界線沿い、ファーマ公国側に50mほどの白いピラミッドを置かせてもらった

これは空から電波標識も兼ねているが、もう1つの機能もある事は伏せている


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