【ダブルな自分とロレッタあります!】
王都グランアレクトル城にて国王より聞いたのはギャラルナナムの領主にあたるアーロン公爵は更迭、ヨーナス副公爵は反逆罪で明後日にも公開斬首刑になるだろうという事だ
こっちの世界は反逆行為に対して結構エグいな、しばらくギャラルナナムは王都管轄下におかれるという事だが
『ショウ殿…こっそりクーデターを煽って協力して起こさせたわけじゃないよな?』
「だから説明した通り自分の偽物というか瓜二つのそっくりな何かが出たんですよ!」
『そ…そうか、ショウ殿を信用しよう』
「もしも自分がやるならそんな面倒くさい事はしません、5秒で王都を更地にします」
『うわああ、冗談抜きに出来そうだから貴殿は怖いわ!』
そしてSeven Fast Cargoについて話をしたりしながら
隙を見て色々と…ああ、やっぱりそういう事か、全てが繋がった
まずは王都の研究部屋から電話しなくては、この問題はマズいので他に聞かれたくない
来週にでもSFC旅客定期便が10時出発で出る予定です
郵便物は1時間遅れの11時と考えています
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『あーワシじゃ、全部見ていたが…時空神が頭を抱えておるぞ』
「そりゃそーでしょうが、どう考えても自分が2人存在するのだから」
『全ては時空の扉が開いていた時に始まっていたんじゃ…時間と空間の流れに乱れが生じてしまってなあ、はっきりとした原因は調べないと判らないのだが平行世界の接触か、メビウスの輪って判るかな…アンビバレンツ状態の世界に居る自分と入れ替わる可能性もあるんじゃ』
「結局…あの時魔王が扉を開けてしまったからその影響なのかよ!どうすれば…」
『もう1つ、可能性があるんじゃ…最初にお前さんを間違って抹殺してしまった時に振り分けてる神崎1佐がすぐに正しい該当者を抹殺して、お主の情報をうっかりそのまま上書きして出し死亡者多重書き込み状態になって管理局がハングアップしてしまったのじゃよ』
「…天界でもハングアップって言葉を使うんですね」
『その時に死亡者データーが内部で複製状態のまま書かれていて、そこに別世界のお主の精神的な何かが干渉合成してる可能性も高い、神崎1佐は罰として魔王に頼んで1週間地獄体験ツアーへご招待だぞい』
「それって、おもいっきりバグってる状態じゃないですか…地獄ツアーこええなぁ」
『以上を調べるのに少し時間をくれ…1ヶ月ぐらいかかるかもしれん、あと車両神がこの件で魔王をブン殴りに行ったぞい、ウチのかわいがってる舎弟にナニしてくれてんじゃと、車両神と何があったんだ?』
「いや、最初におっぱい揉ませるから舎弟になれとかワケわからん事を言われただけです」
『時空神といい車両神と、神に惚れられる奴よのう…うっかり車両神の乳に手が触れてしまい機械神がグーパンされていたというのにモテる奴はええのう』
「また面倒くさそうなのが増えたのか…連絡待ってます、では」
気の強さは妹のヒルダそっくりかもしれんが、まさかツンデレ?
いや、そんな事を考えてる場合じゃない魔王に連絡してみよう
『…ショウ殿、お前か!車両神に殴ってこいと言ったのは』
「違う!独断でカチコミに行っただけだ…って神は魔王の所に行けるのか」
『来られるぞ、逆は無理だけどよく創造の爺と家で酒盛りやってるわ、いてて…いきなりグーパンで10mは吹っ飛ばされたわ』
「車両神は創造神でも殴るから、ところで聞きたいのですが…違う世界の自分に遭遇したらどうなるのですか?」
『それはどういう事だ?』
魔王に現状を説明した
『すまん!誠にすまなく思っている…だから魔族を完全に壊滅とかは考えないでくれ』
「そんな事を考えてるヒマは無いわ、違う世界の人間が能力全開でぶつかったらどうなるんだ?」
『私も複数の世界を管理しているが、これは推測だが…おそらく最低でも、どちらかの世界が消滅するか両方に再起不能のダメージが残る危険をはらんでいる、あの爺はそこまで説明していないのか』
「マジか、最終決戦を1人でやる事になるのか…魔王、お前のせいだぞ、どーしてくれる!」
『コレに関しては責任を感じている、向こうの世界で限定使用の最終決戦兵器というか能力を与える、しかし1回しか使えない…この世界で使うと全てが終わるぞ』
「わかったこれで何とか…本当に最終決戦兵器すぎる」
長椅子の上に脱力感満載で座る、魔王から貰った能力は本当に切り札だ
何回も使えたら自分が魔王を越えて超破壊神になれるわ
あ、ロレッタが来た
『ショウ様!お茶をお持ちしました!』
「なんか怒ってないロレッタ?」
『怒りますよ!信頼されてないのかと…まさか自分まで調べられるとは』
紅茶の用意をしながらロレッタが話す
「あれはメイド長を含め全員調べるという事で茜に頼んだからね、小型カメラを持っている人だとロレッタも該当人物として入ったが…まさか専属メイドの他にもう一つの名前があったとは、メイド学校首席卒業をマクリミナス家に出してくれるのは妙だとは思ったけどね」
『な…何のことですかあああああ!』
「ロレッタ、紅茶をテーブルに入れてどうするんだ」
紅茶がカップから溢れて皿からもこぼれてテーブルから床に垂れている状態に
まさに冷や汗ダラダラのロレッタは初めて見た
「いつも真っ先にクラウディアメイド長へ報告に行っているのは、マクリミナス家と自分の状況報告書を置いてくるのと国王からの指示を聞きに、自分が共和国へ亡命防止のため議会を納得させるには公爵家への格上げと、出来れば常に監視をする誰かを置く事だった」
『そこまで…知ってしまったのですか』
「さっき国王を話している最中に【催眠操作】を使って聞きだしたから、自分専属メイド兼愛人のロレッタでもあり、王都情報部 潜入捜査官のロレッタ・シーライトでもあると」
『あああ、どうして気づかれたのかしら…完璧だったのに!』
ロレッタが床の上でひざまずき頭を抱えている
「それは今回のスパイ騒動で茜がロレッタの部屋でカメラの他にあるモノを見つけて報告してくれた事から普通の専属メイドではないと気がついたんだよ」
『え、あれは魔法での透視防止用の結界印字が裏側に書かれたトランクで魔法を使ってみたら中身がパンツや下着に見えるはずなのですが』
「茜や舞に春燕とテラやヘイハチの特殊能力者は魔法を越えたチカラで透視するから結界は無視するんだよ、だから本当の中身がスパイ七つ道具だと判ってコッソリ知らせて来た…だから自分と茜以外はロレッタが装備を持ってるとは知らないから」
『ショウ様!奥方様とかに言わないでくださいお願いします』
「母上に言ったらブチ切れるに決まってるわ、茜も同業者だとニヤリとしてるぐらいだし…忍びって実はスパイみたいなもんだからなー」
さて、問題はもう1人の自分がどこまでの存在か整理する必要があるな
リフレッシュがてら、あそこへ行って考えるか
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『マスター、久しぶりですね』
「村の状況はどうだサティ?」
銀髪のダッシュセブンとも言われる普通の55cmのドールにも見える
グルーディル村の村長ヘルマンの家へ常駐している特殊アンドロイドである
『いつもと替わらず平和ですねー先日シスターの所へ定期点検に行った時、セブンと同様の弱電撃発生器を両手に搭載してもらったので腹パン攻撃でグロいものは見なくて済んでます』
「そ…それはよかったね」
『両手を握り合わせて人差し指を2本出して電撃を発射すると強電力が発生するみたいで、試しに撃ったら庭の木が真っ二つに折れてフレドリカさんからクッソ怒られました』
「だからそーゆーのは断ってからやれと」
『だってシスターから強電力機能ありって聞いてなかったんだもん!』
「言い忘れたかシスターお、エルヴィーラが帰ってきた」
『あ…ショウ様ああああ!』
腰までの銀髪と黒眼とエルフ耳はお約束のエルヴィーラが玄関から
全力ダッシュで走ってきてまた吸い付くような糸が引くまで舌入れぶっちゅしまくり
親が居なくてよかったわ
『サティから聞いています、色々と大変でしたね…お父様とお母様はヴォロドロス村で運営と警備についての会議ということで行っていますから今日は独占で癒やしますよおおお!』
「エルヴィーラ、気合い入ってるね」
『ご無沙汰ですからね、今日は私がリードして癒やしますよおおお!』
「マジか…ダークエルフの娘こええ」
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村長宅、自室のベットの上です
『ショウ様…元気になりました?』
「ああ、おかげで調子が戻ったよ」
『ところで今日は癒やされに来たのですか?』
「いや、考えの整理に来たのもあるから」
自分が2人居るのはガチで向こうも魔法を使えて日本語も可能で見た目は同じ
全て時空の扉によるモノなのは間違いないし魔力増幅器が作れるぐらいの技術があるのは認めざる得ない
・平行世界の接触でもう1つの世界に居る自分がこっちの世界に干渉出来る状態にある
・2つの世界がメビウスの輪と同じ状態にあり自分だけが入れ替わる可能性がある
・自分は間違って殺されたが、同じ時に正しかった該当者をすぐ抹殺したがデーターを自分と同じ状態で書いたからバグってる状態の時に精神面だけ干渉合成している
ただ、誰にも言っていないが向こうは「ハポンから来た」と
インドルティナで見た資料の中にしか無かった配置が逆転した日本
あと、どこまでの能力があるのか…神の加護は特殊能力もあるのか
この間だけでもう二度と現れないのか、考えたらキリが無い