【訪問とお宝であります!】
屋敷の中庭で紅茶を飲みつつKIX-015を斜めに固定して浮かせた状態で眺めながら大きな問題を見落としていたことに気がついた…ホルスト公王の意見には逆回りも必要だという事と、一番の問題は
「王都とブルト王国は~♪同盟を結んでいないけど~♪勝手に往復させたりなんかしたらああぁああああー♪国王様の青筋がぁぁああピキッと立つううう♪」
音楽神から貰ったギターを持って弾き語り状態になっていたらキアーラが横で
『おぢちゃん…あまりの忙しさに、壊れた…うわぁああああああん!』
立ったままギャン泣きになるなよ、キアーラ…姫様ズが全員集合じゃないか
『提督、ギターを弾けたのですか?』
『ダーリン、上手すぎる…今まで知らなかった』
「いや、実はね…」
何でこうなったかを説明した
『主、それでは何でも演奏が出来るという事ではないですか!』
『パパ、子供に歌を教えられるわね、ふっふっふ』
『丈夫、宙夏国の楽器は難しいのがあるけど、それも出来そうね、むふふ』
「余裕が無い時はコレでリラックス出来るかなと思ったら、そうでも無かった…キアーラが泣いただけで終わるとは」
『おぢちゃん、やっぱり往復にしてファーマ公国と王都は小型のをやめて大型のにするしか無いわね、お互いに時間は空くと思うけど』
「それもありかなと思ったが…無理なものは無理だと言うべきだろう」
『おぢちゃん、はっきりと断ったほうがいいかもしれないわね』
天才幼女がそう思うのもしょうがない、何せやるとなれば滑走路延長を最低でも3ヶ所は必要になるし大変なんだよ
それよりも先に、郵便輸送他の話を王都からの書状を持って各所へ訪問しに行かなきゃならんが
シックビアンカはここだから問題ないとして、ジャスティレルも王都直轄だから自動的にそうなるが
ライフリアとフィレオは訪問の必要があるな、ライフリアは近いから明日の朝出発で
テラかヘイハチ兄に頼むか
『いいでしょう、私が行って来ます…副公爵として名前も売っておきたい所ですし』
『ダーリン、正妻の私もシックビアンカ代表として今回は同行しますよ!』
『マスター、私がガード兼ヘイハチ様のサポートして行きます』
「よし、デルタ8スーパーVIPを出すので静は運転も頼む」
『イエス、マスター』
「あとロレッタも同行して街の雰囲気とか道中、2人の事を頼む」
『ショウ様、わかりました』
明日はフィレオまで、遠いから舞を連れてヘリで行くか
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フラウガルテン滑走路に舞と来ています
『またいつものOH-6で行くかと思ったら…何でここに貴重な偵察用のOH-1があるんですか!』
「いや、宙夏国から陸戦兵器とか元帝国兵士から、やっぱり現職復帰させろと意見が出て大変なんだよ、最初のヘリは燃料を使うけど今度は魔道タービンエンジンだから」
『縦に2人乗りのヘリコプターなんて、偵察用じゃなくまたAH-1Sみたいな攻撃用かと思いました』
「いや、これも自己防衛用で超小型ミサイルポッドは付いているけどね…AH-1Sコブラは天人陸上部隊への配置要望が来てるよ、資料があるから何でもありだわ」
『提督に戦略癖があったら宙夏国に王都が侵略されて終わってる気がしてきた』
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『提督、位置が横ではなく縦になって前に乗るというのも緊張しますね』
「安心しろ、後ろで操縦しているから監視装置でシックビアンカでも見て慣れておくといいよ」
『カラーモニターと一体型は便利ですね、源泉があそこですか』
ローター下にある監視カメラと一体になった装置が動き目標を捉える事が出来る
「こっちでも内容がサブモニターで確認出来るが、あそこにアリスが居たんだな…」
『まもなくクアドラツェルです、ドラゴンは…居ました』
サブモニターで確認しながら
「定期便を運用するとドラゴンの寝ている真上を通る事になるから無理だな、運用不可の理由はこれもある…」
『まもなく山を越えてフィレオに入ります』
「監視装置で村に入る道路を確認してくれ、何か異常はないか?」
『ガケ崩れなのか道路から流れるように一部が岩が下に流れ出ていますね、拡大したら下の方に犠牲者がいる模様です…最大倍率で見ると、この紋章は』
ホバリングしながら近寄ると確定した
「ああ、岩に潰されている馬車は王都の紋章が入っている、遭難したから帰って来なかったのか…フィレオで着陸が出来そうな所を調べてくれ、そのまま降りる」
『了解しました!』
村の真ん中にある広場のような所に降りた、それ以外は畑だし
4枚羽根のローターが完全停止しないと出られないのが、このタイプのヘリは面倒だわー乗り降りはしにくいな
何人か武器をもってにじり寄ってきた、そりゃそうだ
『止まれ、何者だ!』
2人でパコっと身分証を見せて
「王都機動捜査班、ショウ・マクリミナスだ」
『王都機動捜査班、マイ・マクリミナスよ』
『お…王都機動捜査班!この村で一体誰が何かをやらかしたのですか!』
「いや、今日は国王の代理として書面を持ってきた…村長は居るかい」
『あの家に居ます、こちらへ』
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『フィレオ村長のアルフォンスです…書面は読みました、普通の郵便も含め金と銀も運んで頂けるという事でありがとうございます!』
よく居る田舎のおじさんだった
オーバーオールがここでも現役なんだな
「普通の郵便も?あ、フィレオだけは特別区扱いなのか…やられたわ」
書面を読んだら他の場所と違ってここだけ文面が全て特別区扱いという事になっていた
『着陸場所は別に作っておきますので、…おい、どうした?』
血相をかえて鉱山部門の担当が飛び込んできた
『村長!大変です…落盤事故です!』
「なんだって、自分たちもいくぞ」
サーチ検索したら奥のほうで掘っていたら補強しているのに何故か天井が崩れたようだ
ガスが少量だが噴出してるのか、残された人数もはっきりわからん
と、思ったらVR上に出る着信表示、この忙しいときに…キアーラ?
格納箱からレッドペッパーZXを装着
「Red pepper Connection」
鉱山へ向かって走っていても装着できるのは楽だ
「キアーラ、どうした?」
『おぢちゃん、デビシングからの届け物だってお父さんから電話があったわよ、白金貨の入った袋3つと手足のついた謎の機械が小屋の所に置いてあるわね』
「よし、まとめてこっちにテレポートさせるから!いま大変なんだよ」
【サーチ検索】後に【テレポート】させたら、前に頼んでいた腕の付いた二足歩行型の乗用マシン
背中にカゴが付いていて外側の稼働アーム用のアダプタが数点付いていたので
白い手の代わりになるハンドパーツから掘削用ドリルに手首部分から交換して残りのパーツと白金貨100枚入りの袋が3つとカタログを空間収納に仕舞って鉱山へ搭乗し走って動力部のカゴに舞を乗せて突入した
「いい感じだ、ライトを付けると明るいわー大きいのが4つも前側に付いているから」
『本当に揺れませんね、天井が低いからかごの中で這いつくばってないと超怖いんですがあああ!』
「そこは我慢しろ…もうすぐ着くぞ」
走れるぐらいの性能があるのと1人乗りだから手掘りの炭鉱でもギリギリ使えるか
あっという間に落盤した場所に着いた、すでに石をよける作業中だが大きいのは無理っぽい、舞をカゴから降ろして落石の撤去作業に入る
乗用マシンなら投げ飛ばす勢いで石を取り除き、大きいのは動力部にある掘削ドリルで2つに割って移動するなど人間何人分に相当するんだという勢いで進んでいった
いや待て…機械を使っている場合か!
舞に坑道の外へテレポートで出てもらい落石した石が置ける場所を念話で送ってもらい確認後に【念動力】で落盤した石を浮かせ【テレポート】で1つ残らず外へ移動させた
二足歩行型乗用マシンは移動照明器具になっていた
怪我人は数名でガスは【鑑定眼】で見たら、炭酸ガス?
炭坑内部から【マジックゲート】を繋ぎ怪我人を外へ運び出してもらった後、ここには誰も居なくなったので乗ってきた歩行乗用マシンは空間収納で仕舞って
光魔法のライトで照明を出し、【サーチ検索】にて発生元し調べたら地下に空間があって池がある場所から漏れているようだ、しかし空気が無い可能性も高いので外部接続の魔方陣を出し外と繋いで空気を循環させ頭の上に展開させながら空間結界で自分の上半身を頭から覆い肩から腕を出すようにして【テレポート】した
昔、このようなオモチャがあったよな…フードで覆って脱着出来るやつ、確かこんな怪獣も居た気がする
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「鑑定眼で見たら本当に酸素が無くて全て炭酸ガスだな、いきなりテレポートしたら空気が無くて死んでるわ」
ポコポコ炭酸が湧く池というのも、影響があるなら結界を張って止めよう
あ、何か書いてある…古代文字みたいだけど
【鑑定眼】
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石に魔力を流せ、伝承者と証明されたら扉が開くであろう
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何の伝承者だよオイ!ヒントも何も無いのは怪しいなあ
ギルドのダンジョンじゃあるまいし、この赤い石に流せと
今の自分が持ってる魔力レベル…最近計ってないわ、ははは!
でも勢いじゃ無く、平常心で流そう
「ほおぁああああ…ふんす!」
壁一面の幾何学模様が白く輝いて一部分が開き白い金属で出来たワイングラスみたいな模様のついた両方に取っ手の付いたコップが出てきた、注げる内容量は100ccぐらいが限界だろう
優勝カップというか、小さすぎて見た目が参加賞かもしれない
「なんだこれは、とりあえず貰っておこう…炭酸ガスが止まってる、という事はカギがコレだったのか」
村長の所へ【テレポート】で戻り怪我人を【リーフ】で治したりしながら炭酸ガスが止まった話をしたら、原因はガスが岩に染みだしてひび割れを起こして一気に粉砕したモノだから今後は大丈夫だろうという結論になった
『そういえばショウ様とマイ様、バタバタしてお茶も出さずにすいません…いまお湯を沸かしたりしますので、この村の歴史書でも読んで待っていてください』
どれ…フィレオは結構前から存在したんだな、トレジャーハンターがたどり着いて鉱山から金や銀を奪っていくかと思ったら、目もくれず何故か落胆して帰って行くと書いてある
『提督、ここにはお宝でもあるんですかね』
『それが、歴史書を見ても誰に聞いても知ってる人がいないので…どうも山と山の間に宝があるらしいのですよ』
お茶を置きながら村長が話した
「へぇどんなお宝でしょうね」
『ここへ来たトレジャーハンターが全員が、白い特殊な金属で出来た模様のある取っ手の付いた聖杯があるはずだと、このコップは公爵や子爵がみんな欲しがるようなチカラがあるようでして』
「ほう、どんなチカラが…」
『聖杯に水を入れてお願いを念じて飲むと難病が治ったり若返ったりと不可能を可能にする凄いモノらしいです、トレジャーハンターは白金貨数千枚の報奨金目当てに探して回ってます』
「それは凄いお宝ですねー」
『提督…お茶を持つ手が震えてますよ』
あまりもヤバいので念話を飛ばした
[舞…そりゃ手が震えるわ、それを炭酸ガスの出ている場所で見つけて自分がここに持っているんだから]
《提督、持っているのがバレたら手に入れようとするトレジャーハンター全員から命を狙われますよ!》
また仕組まれたのか、これは