【没収、ギルドカードであります!】
ショウ・マクリミナス宛てに封書が来てギルド本部へ呼び出されてます
ギルド本部というのは…王都にあったのねーそれもグランアレクトル城から見て中央公園の反対側にある屋敷が本部だとは、前にノエル・セールリオン公爵家の娘として王都へ出入りして詳しいはずの茜も存在は知らなかったと。
それも鈴 咲蘭として来るようにと、名指しだよ名指し
とりあえず、行って怒られてきますか
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『ギルド本部長のマインラートである』
典型的なハゲた小太りおっさんだった、豪華そうな机に座っている
ここは本部長室だろう
『アリーセといいます、ギルド副本部長兼書記です…まずはその機械の前にギルドカードを置いて手を重ねてください』
いかにも教育ママ風なオバサンである、眼鏡が赤い縁だとは
本部長の横に立っている
またアレやるのか…しっかり鈴 咲蘭と出てレベル・体力・魔力がほどよく200ちょっとの偽データーに書き換わっている
『鈴…いや、ショウ様その光ってる髪飾りを外してもらえます?』
うわ、バレてるわー両方外して黒髪ロングに状態なって同じようにやると疑似装置が無いのでショウ・マクリミナスと表示されレベル・体力・魔力がブッチギリで出ている
『確かにユスティーナの言ったとおりね、所持しているギルドカードを2枚出してください』
アリーセ女史にギルドカードを渡す
ああ、これでギルドともおさらばか…ある意味ラッキーかもしれん
もうダンジョンへ行く機会は無いと思うし、ヒマが無い
いや、黒い豪華そうなトレイに載せられて代わりに何かを持ってきたぞ
『ショウ様、同一人物にギルドカードは2枚発行出来ないのでショウ・マクリミナスのギルドカードは取り上げます、その代わりに鈴 咲蘭は今回のダンジョンからの冒険者救出とグレートゴブリンを一撃で倒せるレベルの高さから1級ゴールドのギルドカードに更新します』
「は?…私は1回しかダンジョン行ってませんよ!それで1級ゴールドですか」
『ショウ様は代わりに、「ジャスティレル」のギルドマスターとして…』
「何ですって?そんな事をやるって誰も言ってないわよ!」
そこへマインラート本部長が割って入る
『いや、すまんが今までのギルドマスターが魔族が下に居ると判ったらビビっちゃって降りるとか言い出したもので…あそこはショウ殿の管理下にあるし業務はいまのギルドマスターであるフォルカーを副ギルドマスターにして全てやらせるから業務は何もしなくていいぞ、後ろ盾だけだから』
「国王に続き、ギルドにもハメられた…」
更に、ギルド専用の氏名とレベル疑似情報装置は自分で使う以外の市販や譲渡はしませんという書類に何枚も署名捺印させられました
この黒に透明クリスタル加工されたギルドマスターカード、金文字で自分の名前と管轄する地区が入っている「ジャスティレル」と
王都に来たのだから、国王様の所に寄ってジャスティレルの件は報告しておこう
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『止まれ、何者だ!身分証を見せろ』
あ…しまった、ギルド本部から近いと思ってそのままグランアレクトル城へ来たけど考えてみたら鈴 咲蘭のままだった、衛兵に止めれるわなー
『王都機動捜査班、鈴 咲蘭よ、国王に会いに来たわ』
王都割り印入り写真身分証と金のバッチ入り手帳を縦にパコっと開いて見せる、警察手帳のアレと全く同じだね
『はっ!失礼しました!』
あの後、駆け込みで鈴 咲蘭の写真入り身分証を作って持っていってよかった、国王には春燕の従姉妹で特別採用と言っておきました
今日、本当の事を話さねば…
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『本当にショウ殿…なのかね』
「ええ、証拠をみせましょう…よっと!」
顔と声だけ元のショウ・マクリミナスで体が鈴 咲蘭という初のミスマッチ変化をやってみました、執務室の姿見を見たら男顔で爆乳かつミニスカの自分は違和感があるな
『わかった、やっぱり今日は鈴 咲蘭のままでいいぞ…頭が痛くなってきた』
「あらよっと!ツインテールを自分で縛るのも慣れてきたわね…無事に魔族と無血で解決できました、ついでにジャスティレルのギルドマスターも押しつけられましたけどお」
『地下で魔族が採掘するという話は聞いたが大丈夫かね』
「それは大型転送装置で運ぶから大丈夫でしょう、こっちでもコッソリ監視してるわよ…ところで今日ここに来たのは王都周辺の名前が入った地図が無いんだけど貰えない?」
『毎度言うが、亡命するなよ』
「ダブル国王がどこへ亡命するのよ、んもー!国王様ったらー」
地図を持ってきてもらえた、ここがフロイライム王国で、西に行くと
アクア・ファル共和国と接していると…東に行くと海に出て頑張ればシマリーン国の所まで行けると、今はフリーダム国だけど
南に行けば自分が所有権を受け取ったクアドラツェルの山を抜けて更に先の山脈が国境線で、そこにブルト王国があり北側にはファーマ公国と
「国王様、共和国は未だに喧嘩してるからいいとしても、ブルト王国とファーマ公国は…王都と交流があるのですか?」
『実際のところ…無い!ブルト王国は山脈が邪魔してお互いに行けないままだしファーマ公国は逆に谷が深すぎて進めないから行けないのだよ、だから警備は共和国側しか無い』
「確かに…共和国でもロリアマーナ国までは平坦ですものねーこの地図は貰っていきます」
ふむ、ブルト王国とファーマ公国かと思いながらグランアレクトル城の中を歩いているとメイドに会釈をされるが
殺気!
いきなり4方向から襲われた!コレが王都メイドの選抜「スコーピオン」か
まだ覚えられていないから不審者扱いかよ!【テレポート】【光学迷彩】
『あなたたち!ああ見えてもショウ公爵の関係者なのですよ!』
『そうなのですか、どこへ消えたので…きゃぁあああ!』
「意外とメイドのスカート内部は隠れる事が出来るわね」
『いま…どさくさで中からお尻がっちり掴んだでしょ!』
「さぁ、気のせいですよー4人で来るとは思わなかったわよ」
『4人とも、通常勤務に戻って!』
クラウディアメイド長の言葉で1人ずつ会釈をしながら通っていった
『鈴 咲蘭関係者だというのは徹底させますので…ショウ様』
詳しいことはロレッタから聞いたな、これでどっちで来ても大丈夫だろう
ん?ポケットに何か入ってるぞ…さっきのメイドの誰かが入れていったな
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18時にメイド宿舎裏の4番倉庫でお待ちしています
ナンシー
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[ロレッタ、ちょっと念話で聞きたいんだけど]
《はい、なんでしょう?》
[鈴 咲蘭の時にナンシーというメイドからメイド宿舎裏の4番倉庫でお待ちしていますという手紙をポケットに入れられていたのだけど]
《ショウ様、金髪ツインテールのメイド…近くに居ませんでした?》
[居た、4人で奇襲かけてきたメイドの1人がそれだ]
《行ってはいけません、彼女は百合です!ガチ百合です…メイド長が困ってるぐらい百合です、4番倉庫には布団があって毎度イケない行為が、あああ!》
[マジですか、自分はどうすればいいんですか]
《このままでは女体変化モードのショウ様が毒牙に…私が行ってヤキ入れましょうか?》
[ロレッタが来ると話がややこしくなる、自分にいい考えがある]
クラウディアメイド長の所へ行きメイド服を1着貰った
そして、セブンシスターズがら1名を招集した
18時になった
『ふふふ…また1人百合の世界へ誘うわよー来たわねって黒髪ロングなメイドの貴方は誰!』
『人の相方に手を出すヤツは鉄拳制裁よおおおお!』
『ぐっはぁあああああ!』
4番倉庫が血の海と化した…メイド長には連絡してある
これで百合騒動も収まるだろう、それでも王都のメイドは人数が多いから百合カップルはあるらしいなーここまで露骨じゃないけど
『マスター、いやマダム…2~3日休暇を貰っていいですか?村で休んできます、相方…ああああ、私にその趣味は無いのよ!』
「いいわよ、協力ありがとう…イチナナ」
『どうして自分がメイド服着用で百合退治に起用されたのですか?』
「合うメイド服がイチナナにピッタリだったのと似合うかなと思って、【ウォッシュクリーン】【ピュアドライ】これで返り血が取れたから持って帰っていいわよ」
『ありがとうございます、サイズを換えて全員で着用する事になるでしょう』
CICで王都メイド服にて動いてるシスターズもありか…
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「ただいま帰りましたって…ヒルダ、どうしたのよー」
全力で抱きついて来るとは思わなかった
『だって、リンの状態は久しぶりなんだもの…でもショウにいも好きなんだからね!』
『お姉ちゃん!リンさん…でもいいですよね、おかえなさいませリンお姉様』
「あ、そうだヒルデちゃん…ギルドカードが進歩したわよ!」
『『1級ゴールド!もう何も言えない…』』
「でもショウ・マクリミナスはギルドカード没収で代わりにコレ渡されて頭抱えてるわよー」
『『…あそこのギルドマスターになったの!』』
「そろそろショウに戻ってくるわね」
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「ふぅ、結局ギルド本部とグランアレクトル城だけで終わったな…ってヒルダやっぱり離れたか」
『ショウにい、ごめんね…もう少しだけ』
「いいよいいよ、兄貴からショウにいになっただけでも進展ありだ」
『ぶっちゅと出来るまでヒルダ、がんばる!』
リビングで大量のカップが皿に当たる音と紅茶を噴き出す音と絶叫と
大騒ぎ状態のマクリミナス家…電脳神が取り寄せてくれた資料で本命を作ってるが、構造他が複雑すぎて時間が掛かっている間にオマケで大量に付属してくれた1つが先に出来たので明日にでも使ってみよう