【ダンジョン第1階層であります!】
[母上、朝から念話を送ってすいません…そういう訳なのでどうしたらいいか]
《ショウ、後で部屋からジャスティーナ経由で国王にも連絡をしてみますが予想外よ》
[まさか王都にてメイド誘拐の罪で抹殺したグルックリン公爵に娘が2人も居たとは]
《いま16歳なのね…卒業までの学費は前払いで大丈夫だけど、公爵家が無くなって小遣いが全くないから何とかしてあげたいわね》
[本人たちを目の前にしたら責任は少し感じていますよ]
《それはわかります、咲蘭のまま今はどこに居るの?》
[全員分の朝飯を買いに宿から出ています、3人でダンジョン入りします]
《ショウ、いつも言うけど平常心ですよ…コピー複製石に入ったエルフライミの果汁でエリカは大丈夫です》
[そうですか、また後で連絡します]
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『リンさん、朝食まで買ってきてもらえるとは』
「もうヒルダもヒルデも妹みたいなものだから遠慮しなくていいのよ…だからヒルデ泣かないの!」
『リンさん…えぐっえぐっ』
抱き寄せて頭を撫でてあげる、誰だ百合の世界という奴は
「さて食べてから城のダンジョン受付へ行って…ヒルダはどこへ行ったの?」
『しばらく穴の中だからと朝からシャワーを浴びてます』
「うふふ、大丈夫よ…寝るのもご飯もシャワーもおまかせなのよん!」
うわ、恋愛神の言語が混じってきてるかもしれない
しかし前の世界でいうコッペパン型サンドを買ってきたが、タマゴサンドはいいとしてフィッシュサンドは…RA2 industry経営者として納得いかんかも
ダンジョン用の食料や武器などを売っている店や屋台が出ているのか
「ジャスティレル」もダンジョンのおかげで発展してるな
途中で食料や水を買いこんで【空間収納】で仕舞いこんだらヒルダが固まっていた
『リン…品物が湧いた次はどうして消えるのよおおお!』
『お姉ちゃん落ちついて、これはストレージという特殊能力らしいわ…私も初めて見たけど大きい物でも別空間に所持して歩ける凄いチカラだというのを調べてわかったのよ』
「ヒルデは勉強家なのね、学校で単位は全部取ってるからここに居るんでしょ?」
『はいっ!お姉ちゃんと頑張って半年は休めるぐらい単位を習得しました…これ以上やったら飛び級してしまいますっ』
王都学校って高校生の年齢でも単位制なんだ、そりゃ休めるわな…大学と大差ないわ
受験とかはこの世界でもあるのかな?
『一般市民なら教養から魔法学に体力測定まで試験はあったわよ、でも伯爵家以上は入学時の寄付金と引き換えに面接のみだから…公爵家が消え去る前でよかったわ』
ヒルダの言っている意味がよくわかる、ヒルダは公爵家でなかったら大変だったろうなー体力測定以外が
城の前にある受付へ到着した、この地下にあるのか…前に討伐戦をやった時は
そんなものは無かったが、後からの調査で出てきたのか
『ギルドカードの提示をお願いしまーす!入場料は1人金貨1枚でーす』
高!ギルドの維持費もかかるけどそーゆーものかね…ここが城という特異性もあるんだけど結構な人数がゾロゾロ並んで入っていくからボロ儲けかもしれん
「3人分お願いします」
『はいよ、全員ギルドカードを見せて…ん?鈴 咲蘭さん、一応カードを石板の上に置いて手を重ねて、数人に1人必ずやるんだ悪いねー』
やべぇ…引っかかった、女体変化しても中身は同じだろ!
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【名前 】 鈴 咲蘭
【年齢 】 25
【職業 】 シックビアンカ在住冒険家(マクリミナス公爵家相談役)
【レベル】 208
【体力 】 212
【魔力 】 215
【魔法術】 31
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よかった、事前にカードを解析しフリーダム国のギルドでフェイクデーターを送る携帯型装置のテストはしておいたが本番はやっぱり不安なものだ…実際にフリーダム国のギルドマスターのユスティーナが両手で机をぶっ叩いて立ち上がり、コレはギルド本部に言いつけますからね!と大激怒していたが、間違いなく後で呼び出されて正座モノだろうな
『リン、さっき石板の前にいた時…左側に付いてる髪飾りの1個がボウッと薄赤く光っていた気がするのだけど』
「ヒルダ…気のせいです、無事に通過して案内パンフレット貰ったし行きましょ」
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地下に来た…入り口って茜と会った場所の後ろか、そういえば地下だけど何故に空気が循環しているのか考えなかったがセールリオン公爵家関係者しかサーチ検索しなかったから解るなずもなくパンフレットを見たら
城の調査時、崩れた壁の向こう側にダンジョンを発見したと…もしかして最後に城全部へ電撃を食らわせた衝撃で壊してしまったのか、外壁も一部が崩れるぐらいやってしまったからなあ
「それじゃあ、行くわよ!」
『リン、その透明な大きい目の周り全部を覆うメガネは何?』
「ああ、これは防塵メガネといってホコリやゴミが飛んできても目に入らなくする便利モノよ、予備もあるからどうぞ」
『わぁ軽い…リンさん凄いです』
『これも自動的に耳までの長さがとかサイズが変わるのね』
2人に渡したのは暗視と遮光が自動的に可能だが自分のだけはギルドから渡されたデーターとリンクしてメガネに投影される仕掛けがされている、更に髪飾りの1個が全方位レーダーになっており情報がメガネに表示もされる
『リン、何か書いてあるわよ…この先に落とし穴ありだって』
ギルドから貰った情報にもあった、位置まで書いてあるが後ろから4人組の男集団がオラオラ状態で抜かしていった
『先に行くぞ!獲物だ!狩りつくすぜ!』
注意書きを見ない輩はトラップに引っかかって落ちた
サーチ検索で調べたが、トンネルが掘ってあり脱出口はスタート地点よりも離れたシックビアンカの境界線にある森だと!
あのアリスとリディアに待っていてもらった近くか…これは遠いわ
落とし穴トラップは壁の縁をカニ歩きすれば避けられるのが判った
簡単そうに見えてスタートから結構な難所だろ
「しばらくトラップは無いわね」
『ヒルデ、落とし穴は意外だったわよ』
『お姉ちゃん、高い所と穴は嫌いなのよね』
『それを言わないでよ!』
前方より12体、何かが走って来る!
大きさ解析完了、小さいな
「何か来るわよ!」
『あれは…コボルトです!剣でも切れます魔法も通じます』
ヒルダ、ダッシュで駆け寄って行き黒宝結晶石の剣でコボルト真っ二つ状態!
ヒルデ、氷魔法でアイスランスを1匹につき3本と大盤振る舞いで撃沈!
自分、白光セーバー振り回し切りまくり、ちょっと細工してスイッチを入れたら降り回す速度でブォンブォンと速度に合わせて低音で音が出るようにしてみた、上手くいった
女体変化してもお供に丸くて転がって歩く機械を作る気は無いですから…
あっさり倒した、黒宝結晶石の切れ味と倍化した魔力に驚いているようだった
『リン、この剣は凄いわ…コボルトの血が流れないまま一瞬で切れる』
『リンさん、魔力を使っても全然疲れないしアイスランスの連撃が出来るなんて初めてです…でもそのリンさんの手に持ってる剣みたなのは何ですかああああ!』
「コレは白光セーバーと言って白光石という魔石から作られた剣なのよ…魔力で剣のように光が伸びて何でも切れるから、最大10mまで長くなるから大物のクビも飛ばせるのよん」
『コレもあのロリコン公爵の作成品ですか?』
「ぐ…そうよ、おっぱい公爵の一品よ!」
もう何を言われるのも諦めたわ、倒したら必ず宝石や銀貨に謎のアイテムなどが出る謎の仕掛けがあるのか
と思ったらデカいのが1つ来た!
『…リンさん、グレートコボルトですぅー大きいです』
『前にコレとやりあって1時間以上かかったのよね』
「まかせてなのよー白光セーバー!んほおおぉぉぉおお!!」
白光セーバー10m延長斜め切りで轟音と共に切り捨てられた
謎アイテム、これは…体力回復ポーションだとは
魔物みたいなのとか小さい石造りゴレムとか倒しつつ最後の場所かここはと思ったら人が多くて順番待ちですか、倒さなくてもこの先に大きい魔物が来ない休憩ゾーンがあって、そこから外に脱出ができたり更に下へ行くという選択が出来たりするんだそうな
いよいよ来たかと思いながら石の扉を開けて入ると、巨大な蜘蛛!
この黄色と黒の模様は嫌な人は泣くよなーあ…ヒルデが座り込んで号泣した
『うわぁああああん!足が6本以上あるのはダメなんです、えぐっえぐっ!』
『ヒルデ、昔っからこうなんです…ラスボスが蜘蛛って今回が初めてで、魔法無しの剣で勝てる気がしませんよ』
「しょうがないわね…魔力砲、出力25%照準セット…発射」
20mはありそうな巨大蜘蛛が千切れるが如く真っ二つになって轟音と共に倒れた
巨大なダイヤモンドがアイテムだったか
『リン…その、魔力砲は凄いわね』
「ヒルダ、これはショウ公爵が貸してくれたのよ…初ダンジョンだからって」
『ふぅ~ん、なるほど…そぉーですか』
「ヒルデ、ニヤリとしながらその含み笑いは気になるわねっ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「ここがセイフティエリア、柱はあるけど巨人のための大広間みたいね」
『今日はここで休むわけだけど…女性だけだと、交代で寝ないとまた襲われて犯されないか心配で』
「ヒルダとヒルデはそうやってダンジョン攻略していたのね」
『はい、だから寝不足がきつかったのですよリンさん』
「これだけ広かったら使っても大丈夫ね…ここをキャンプ地とする!」
『『は?』』
端のほうで【空間収納】から30cmほどの丸い円盤を取りだし上のボタンを押すと、高さ2.5m、幅4mほどの半円形の物体へブロックノイズ紛れに変化した
それに手を当てると一部分が4分の1ほどスライドして開く
「さぁ、中に入って」
『リン、見た目でも狭いのに何を…って、ええええ!』
『リンさん、これはなんでしゅかあああああ!』
入った途端に20mの空間が広がっていてテーブルとキッチンもあってシャワールームと寝室が4つありトイレもある空間は普通驚くわな
『コレも…あのロリコン公爵が作ったと』
「そうよ、冒険家にテントが必要だと空間作製技能というか空間技法という技を使って私のために作ってくれたのよ」
『やっぱりショウ公爵は、リンさんに愛人を通り越してゆくゆくは妾…いや第8夫人の立場まで来てほしいのかもしれませんね、ってどうしたのですか床に突っ伏して』
「ヒルデはマクリミナス公爵家に結構詳しいのね…」
『はい!最近、王都限定で書籍も売っていましたので先日買いましたよー』
「え、どんなタイトルで…知らなかったわよ」
『えーと、〔マクリミナス・セブン〕というタイトルで著者が〔ジャスティーナ・フロイライム〕で監修が〔エリザベート・マクリミナス〕だったはずよ』
国王夫人、母上…そりゃ王都のオバサマたちがロリコン公爵やおっぱい公爵と言うはずだわ!
夕飯は出る前に屋敷で鍋に作って空間収納で仕舞っておいたビーフシチュー
本当は数回に分けて食すはずが1回で終わるとは…
『リンさん、美味しいですよ…これはリンさんが作ったのですか?』
「そうよ、こう見えて料理はおまかせなのよん」
『リン、おかわり!』
「体力勝負はよく食べるわね…パンもあるわよ」
『このパン…白くて柔らかくてモチモチして美味しい、どこで手に入れたの?』
「ヒルダ、ショウ公爵が社長のRA2 industryという会社で作ってるのよ」
『リンさん、白くて柔らかくてモチモチして、おっぱいと同じ…さすがおっぱい公爵です、ふんす!』
ヒルデ、ジャスティーナ夫人の書いた本に影響されてる気がしてならん
ショウ状態に戻ったらボロクソ言われる気がするぞ