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時空操作人 暗宮銀二

作者: 網野雅也

こちらも連載候補のテスト短編ですが、いつか気が向いたら……。

 俺の名前は暗宮銀二。

仕事はしていない、する気もない。

特にそれをする必要がないからだ。

まぁ、そんなことは大した事じゃない。

取りあえず、散歩に出ようか。

俺はアパートの鍵を開けると、外へ散歩へ出かける。

これといって目的はないけど、強いて言うならば人間観察。

その欲望が、俺の二足を外へと突き動かしていると言っても過言じゃない…。


 「おばちゃん」


俺はアパートの管理人砥石金子に、今月の家賃のお金を封筒に入れて手渡した。


 「確かに」


おばちゃんはそれを受け取ると、一瞬俺の顔に微笑みかけたが

すぐに掃除に力を注ぎ始めた。

彼女を横目にアパートの敷地から離れ出て、近くのコンビニへ向う。

俺が横断歩道を渡ろうとしたその時、大きなトラックが信号が赤だというのに

突っ走ってきて、目の前をスレスレで横切る。

危ないな、俺を殺すつもりか?

何が彼をあそこまで焦らすのだろう?

その理由はどうでも良かった、だけど、俺の中に湧き立つこの怒りをどうしようか。

やっぱり、修正が必要だな。

横断歩道の途中で俺は引き換えし、渡る直前に戻ってみる。

信号はその間に青から赤へと変わってしまったが、気にする必要はない。

今から戻すから。

そうだな、5分前ほどに戻ろうか。

俺は宙に手を翳すと、円を描く。

巻き戻るのだから、反時計回りに。

俺がそれを実行すると、眼前の風景がそう、録画したDVD映像を巻き戻したみたいに

過去に向って動き出す。

道路に走る乗用車、トラックがバックしていく。

しかし、その動きは遅かった。

俺はそれを見ているうちに、イラっとくると反時計回りに円を宙に2,3回連続して書き連ねる。

そうすると、さっきまでゆっくりバックしていく車がその速度を速めていく。

さっき、俺の前をギリギリで通ったトラックが、横断歩道をバックし、俺の右側へ消えていく。

さて、どうするかね。取りあえず考えるために、一時停止をしておくかな。

俺は宙に手のひらを素早く突き出した。この時少しばかり声が漏れる。

その行為を引き金に全ての動きが停止する。

車も人間も、空を飛んでいるカラスでさえ、その動きを止めた。

俺が今時を止めた状態で、何を考えているのか?

簡単に言うと、さっきのトラックの行為をやめさせる方法を思案している。

あの暴走を止める手立てはない物か……。

俺は道路際のガードレールに腰をかけて、しばらくそれについて頭を悩ます。

あのトラックのタイヤの前に大きな釘でも固定するか?

それは辞めておこう。事故に繋がるかもしれない。

下手をすれば、俺に突っ込んでくることもありえるだろう。

他に良い方法は無いかな…?

難しいな。これは簡単に見えて、難しい。

時を操れるといっても、前後に動かせるだけで

その行為自体修正する事はできないんだ。

修正の難しさ。

大きなトラックがスピードを出しているんだから、それを止めるのは不可能に近い。

何か無いものか。

そうだ、彼の運転するトラック内に入り、アクセルを踏んでいる右足を外してしまえば

減速するはずだ。

なんだ、簡単なことじゃないか。

む、少し巻き戻ししすぎたな。

横断歩道から離れすぎては駄目だ。

5m手前くらいで、あのトラックを停止させよう。

俺はもう一度さっきと同じように手を宙に突き出す。

そして風景が時間に沿って動き出すと、またそれを突き出し時間を止めた。

うん、これくらいでいいな。

よしトラックに乗り込もう。

く、失敗か、鍵がかかってやがる。

運転は荒っぽい癖に、マメな奴だ。

窓の外からその男の顔をにらみつけた。

この野郎。

〜〜〜。

ふー、辞めた、今回はお手上げだ。

こんなのに労力を費やすのは馬鹿みたいだ。

時をまた動かそう。

手を突き出すと、また時間の歯車が正常に動き始める。

コンビニでも行くか…。


                   つづく?それは謎。











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