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冬の雨
雪ではない雨が降る
珍しい
暖かい
春は近い
だから雨が降る
いや、暦の上では
もう春か
とは言え
心はいつも冬
晴れていようが
雨が降ろうが、
かわらない
昔から冷めていた
いつから冷めたか
わからない
大人になって
覚めたから
何覚めた
わからない
わからないまま
覚めてた
そして何時しか
冷めていた
冬の雨は知っている
そろそろ春だと
教えてくれる
当たり前
寒ければ
雪になる
暖かくなれば
雪は溶ける
溶けた雪は
水になる
人とは不便な
存在だ
当たり前は
有り得ない
あっても
どこか
ひた隠す
実は俺もその一人
人の心は
わからない
今わかるのは
冬の雨
春の足音
そこまで
来てる