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来年は
寒い日
窓を開けて
佇んだ
太陽は高く暖かい
空気は寒い
ひんやりと頰を伝う
今年は雪が降らないな
ありがたい年末
ありがたい今日
悲しい事件
嬉しい悲鳴
憤る毎日
すべてが何だか
馬鹿らしい
地球は回る
淡々と回る
太陽を回る
何気ないことに
俺達は毎日
一喜一憂
寒い風が耳を撫でる
ため息が漏れ
眼鏡が汚れ
来年は良いことあるだろうか
眼鏡を外し
ジャージーで拭く
再び眼鏡をする
曇ったまま
拭き足らない
これが俺の来年か
来年の暗示か
ハンカチを持たないくせに……
心にいる俺が語りかける
そう……だな
来年はハンカチを持とう
何だか当たり前
当たり前をやろう
暖かい太陽に
冷たい空気に
来年を伝える
窓を閉める
今を急ごう