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冷水
冷たい水に手を晒す
ひんやりして鳥肌がたつ
本当は飲み水なのに
連れが呆れて俺は満足
秋は足音はまだ遠い
暑さがそれを教えてくれる
これからは
太陽が遅く昇り
太陽は早く消えていく
ふと冷水
紙コップに軽く注いで
一気に飲む
俺が俺であることを
何故か思ってしまう
おかしいな……
頰が緩んで
二杯目を汲む
並々と注いだ
冷水を
一気に体へ押し流す
美味い……
本気で感じる
九月上旬午前中
そろそろ行こう
俺が顔を上げると
連れが笑っている
何してんだ?
声にしない心の声
それに頷き
前に進む
冷水と名乗る罵声を浴びに……
俺は俺で
苦情対応はそれが大切