135/146
どうせ死ぬなら
地球が太陽を一周する
それに伴い
俺は一つ歳をとる
若い時は
一つが何故か
嬉しかった
大人になりたい訳でなく
一年が過ぎたことが
不思議なくらい
嬉しかった
オッサンになり
今では
歳をとるのが
恐ろしい
死
これが近づき
足跡が聞こえ
見えない世界に続く
棺桶に半分
俺は体が突っ込んでいる
どうせ人間は死ぬ
だから歳はとりたくない
死ぬのは怖い
だけど歳は……重ねたい
経験して大きくなりたい
人間は無意識に時間に遊ばれると
歳をとり
意識して経験を積み上げると
歳を重ねる
歳をとろうが
歳を重ねようが
いずれ
死
これがある
しかし、死があるなら
重ねて死にたい
たくさん経験し
たくさん見て
たくさん触れたい
その先には……とにかく、重ねてみるか