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喜怒哀楽  作者: クレヨン
133/146

弱い神

 母が泣いていた

 父の痴呆が酷くなった

 そう泣いていた


 父は世辞にもいい父ではない

 短気で自分勝手で我が儘で

 だけど俺のために一生懸命だった


 今があるのも

 父があってこそ

 

 その父がおかしくなった

 日に日にわかるようになり

 気づいた時は

 俺が知る


 父


 それではなかった

 弱い瞳に辿々しい足並み

 いつからこんなに老いたのか


 母は泣く

 俺は何も声をかけられず

 見ているだけの小心者


 俺にとって

 両親は神様

 何故なら俺をこの世に産んでくれた

 

 仏像、偶像、偉大な神

 そんなのは知らない

 

 両親こそが俺を創った


 母の背中は小さかった

 俺の神様は弱々しかった

 

 


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