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冬の一コマ
俺には存在価値があるのか
ある……そう思う
何故が自信がない
雪降る空に
俺を思う
灰色の重い雲は
何故か可笑しな胸騒ぎを
与えてくれる
舞い落ちる雪
なんだかもどかしくなる
生きていくことは
簡単ではない
ポツリと呟く言葉
白い息が
冬の寒さを
教えてくれた
背中から笑い声が
振り向くと
出来の悪い我がチビ
ろくに喋らず
雪を指差す
なんだか悲しくもどかしく
それでも今は前を向く
下を向くのは
後にしよう
今、下を見る必要は
ないはずだもの
少なくとも
存在価値はあるはずだ