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喜怒哀楽  作者: クレヨン
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カウントダウン

 何処にでもある町

 その病院

 そこで父を待つ

 いつからか

 父が痴呆になった


 最初はまさか!

 しかし今はまさか……

 そして今日

 歩いていたら転んだ


 母親に呼ばれ

 クルマに乗せて

 病院へ


 冷たい空間に

 俺はいる

 少し前は

 他の病院にて

 お世話になった


 その時思った

 病院は冷たい時間が

 流れている


 そして今日も

 そんな気になる

 誰がそうしている

 訳でもない

 

 そう思うのは

 俺の心の病かも

 

 父親が歩きながら

 看護師に頭を下げている


 全く!

 迷惑な!

 人の気にもなれ!


 歳はとりたくない

 いずれは

 父親のようになり

 冷たい時間に

 身をまかす


 カウントダウンは

 知らず知らずに

 始まっているかもしれない

 

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