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喜怒哀楽  作者: クレヨン
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背中の言葉

 家に帰ってオヤジから

 おかえり、言われた

 今日の夜

 不思議で頭を

 捻ってた

 背を向けたオヤジの

 背中がやけに小さい

 身体はいっしょ

 でも小さい

 

 どうしてだろう

 もう歳なのか

 いいや、歳でも  

 身体はいっしょ

 俺の見間違いか

 それとも……


 オヤジが振り向き

 変な顔

 必死に言い訳

 笑われる

 歯抜けの笑顔に

 今を見る

 

 昔は家族に苦労かけた、オヤジだが

 今のオヤジは

 弱々しい

 いつからだろう

 わからない

 

 わからないまま

 オヤジの背中に

 黄昏た

 

 俺はオヤジの

 何を見た

 何を感じた

 予感した

 

 オヤジの背中が

 言っていた

 聞こえはしない

 背中の言葉

 

 



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