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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第二章:メルリスの街にて
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初級迷宮踏破

いろいろありまして本日は大変なことになっています。

18時ごろの投稿は無理っぽいので今のうちに投稿します。

すみませんがご了承下さい。

「ヒナ、いつまで落ち込んでるの。扉が開いたよ。」

「タイチはミアおばさんの怖さを知らないからそんなことが言えるニャ。」

(別に出来ればって言ってたから余裕がなかったって言えばいいんじゃない?)

「それもそうニャ。でもそれはそれで悔しいニャ。」


 ヒナが立ち上がりこちらに向かってくる。複雑そうな顔をしているがまあ斬ってしまったものは仕方がない。ジェネラルの魔石と斬られた剣だけを回収し開いた扉の方へ向かう。

 扉の奥には台座があり、その上に腕輪が置かれていた。


「これが噂の初級迷宮踏破の証明になる謎の腕輪だね。」

「そうみたいだニャ。」

「でも何で3つあるんだ?」


 そう、ギルドで聞いた話では戦った人数分の腕輪が台座に置いてあると聞いていた。戦った人間は私とヒナの2人。だだしここに置いてある腕輪は3本だ。


(僕の分じゃない?)

「まあ確かに迷宮からしたらルージュも戦ったと判断するかもしれないニャ。」

(やった。お揃いだね。)

「まあ悩んでも仕方がないし、もらっておこう。」


 とりあえず腕輪をアイテムボックスに収納し部屋を出る。残りの今日の予定は宿まで帰るだけだ。


「じゃあ、帰ろうか。」

「帰ろうか、じゃないニャ。いったい何をやったニャ。」


 あっ、ごまかそうかと思ったがやっぱり無理だったか。


「別に大したことはしていないよ。簡単に言うと床の下に大きな空洞を開けておいて、天井から爆発物を落として床を崩落させて、ゴブリンたちがそのまま埋まっただけだよ。」

「簡単に言いすぎて訳がわからないニャ。」

「最初に槍を投げたでしょ。あれは挑発して中央に戦力を集中させる役割と床にスライムの糸を通す役割を持っていたんだ。」

「なんでスライムの糸を床に通すニャ?」

(あれだよ、メリルの時のボス部屋の壁抜けに使ったみたいに魔力を通さない壁の奥に空洞を開けるためだよ。前に話したよね。)

「実際に見てみる?」


 スライムの糸付き迷宮の槍を床に突き刺し、土魔法を発動して空洞を開ける。


「ヒナ、この辺りを斬ってみて。上には立たないようにね。」

「わかったニャ。」


 ヒナが床を斬りつけると斬られた地面が崩れて落ちていく。しばらくして奥の普通の土の床が再生し、その後魔力を妨害する床が再生した。


「まあこんな感じで上から衝撃をあたえると床が崩落するようにしておいたんだ。」

「でもそれならなんで槍を使ったニャ。別に剣とかでもよかった気がするニャ。」

「そこが作戦のミソなんだけど、迷宮の槍は5秒で消える特性があるよね。」

「そうだニャ。」

「なら、必ず刺さった順番に消えていくということなんだ。ある種の時限装置として使いやすかったんだ。」

「時限装置?」

「床を爆発させた原因。一応これなんだけどね。」

(魔板って言うんだよ。)


 戦いで使ったのと同じ魔板を取り出しヒナに見せる。ルージュがちょっと誇らしげなのは命名者だからだろうか。ヒナは一度持って見てみようとしたが手を引っ込めて迷っているみたいだ。


「触ったら爆発するニャ?」

「しないよ、ある一定以上の衝撃を受けると爆発するんだ。」


 魔板をヒナに手渡す。裏にしてみたり逆さまにしてみたりといろいろな角度から見ている。


「ふーん、投げてみていいかニャ?」


 うなずいて肯定と伝えると、ヒナがメンコを投げるように1メートルほど先へ魔板を投げる。床に接触した瞬間、ボンっという音とともに床の一部がえぐれる。


「ゴブリンナイトにぶつけても致命傷にはならないと思うニャ。」

「でしょ。だからあんな爆発するとは思わなかったんだ。」

(タイチ、何枚入れたの?)

「だいたい100枚くらい。」

「絶対それのせいニャ。」

「いや、試算では床を抜くのに50枚だったんだが30階層のボス部屋は厚い可能性もあったから倍にしただけだぞ。」

「衝撃を受けて爆発するなら1つが爆発すれば連鎖的に爆発するはずニャ。威力が高くなって当たり前ニャ。」

「あ、そうか。すべてが床に落下すると想定していたから爆発による連鎖を考えてなかった。あー、それが理由か。納得納得。」

(納得納得じゃないよ。)


 ヒナとルージュからあきれた目で見られる。もちろんルージュには目がないためわからないがなんとなく雰囲気で感じる。いや、実際にやらないとわからないことってあるよね。一応10枚では実験したんだよ。本当だよ。


「それでどうやってその100枚の魔板を落としたニャ?」

「ああ、それは4本の迷宮の槍を天井に投げたんだ。2本は槍の先端部分にローブをつけて、もう2本は槍の刃と持ち手部分のところにロープをつけてね。そうすれば5秒経てば2本のロープは天井で固定されるし残りの2本は支えがなくなるから下に垂れるでしょ。」

「まあそうだニャ。」

「そのロープに魔板を包んだ布を結んでおいたからロープが垂れれば自動的に魔板も落ちるというわけ。」

「それが時限装置と言うわけだニャ。」

「そうだね、魔法を発動するタイミングや退避するタイミングの目安にもなっているんだよ。あとは床が破壊された後、さっき見たみたいに床が復元するときにその場所に落ちているとそのまま埋まるというわけ。」


 よし、説明は終わったぞ。まあ想定ではゴブリン達の下半身が埋まって動けなくなったところを仕留めていくつもりだったので、魔石とかも回収できるはずだったんだがな。まあお金はあるし別に説明しなくてもいいよね。


「はぁー、変なことをするとは思っていたけどやっぱりタイチは変な奴ニャ。」

「その言葉はなかなかに心をえぐるね。」

「褒め言葉ニャ。」

(そうだよねー。)

「そうは思えないけどね。」


 別に変じゃないし。迷宮の性質を考えて、最速で効率よく安全に倒せる方法を考えて実行しただけのはずだ。決して魔板の大規模実験をしてみたかったとかではない。


「それよりも、ヒナこそ最後のあれは何したの?」

「あれって何のことニャ?」

「あの、ジェネラルの前に瞬間的に移動したことだよ。」

(あれはすごかったね。ビュンって感じに消えたと思ったら目の前に移動してたし。)


 ヒナがボリボリと鼻の頭をかきながら、ちょっと自慢気にしている。


「私の縮地っていうスキルニャ。効果は短時間だけ移動スピードを驚異的に上げることができるニャ。」

「そんな便利なスキルがあるなら1人でも攻略可能だったんじゃない?」


 縮地を使えばヒットアンドアウェイが簡単かつ安全にできるはずだ。この迷宮の魔物ではあのスピードに対応できる奴はいないし。


「そこまで便利でもないニャ。足に負担がかかるから連続しての使用はあまり出来ないニャ。」

(じゃあなんで使ったの?ヒナなら使わなくても勝てたよね。)


 それもそうだ。現にジェネラルを一刀両断にしているのだ。実力差が無いとそんなことは出来ない。


「タイチが魔板っていう奥の手を見せてくれたんだから、私もお返ししただけニャ。」

「そっか、ありがとうヒナ。」


 あの爆発を見て私の奥の手の1つだと判断してくれたんだな。お返ししてくれたのはヒナの剣士としての矜持だろう。とは言っても私もヒナもまだ奥の手を相手が持っていると思っているだろうし思われているとわかっているが。


「じゃあ宿に帰ろうか。」

「そうだニャ。」

(ヒナ、ちょっと思ったんだけど今から急いで帰れば地上へ出られるんじゃない?)

「あっ、そういえばそうニャ。よしタイチ、地上へ帰るニャ。最速記録更新ニャ。」

「えっ、やだよ。」

(じゃあ多数決ね。帰りたい人―。)

「(はーい。)」

(という訳で帰ることにけってーい。)

「ものすごくひどい談合を見た。」

「うだうだ言ってても仕方がないニャ。今ならダンジョンも弱体化しているから早く帰れるはずニャ。」

「了解。しっかりつかまっててよ。」


 ヒナと2人乗りして迷宮を脱出する。帰るのにかかったのは7時間。レベルアップの影響はやはり大きいな。だんだん早くなっていく。

 ギルドで初級迷宮を踏破した報告をし、ギルドカードを置いて宿へ戻る。何か手続きがあるらしいので明日の昼間に来てほしいそうだ。面倒なことでなければいいが。

 永遠の木陰亭についたがさすがに疲れたので、祝勝会は明日にすることにしてベッドへ直行した。クリーンをかけるのを忘れたと飛び込んでから気づいたが、まあいいやと眠りを優先する。これで約束は守れた。あとは情報を聞かないと・・・。

ちょっとした説明回みたいな感じです。

3人で多数決をやると駄目ですね。

読んでくださってありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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