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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第二章:メルリスの街にて
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初級迷宮のボス

ついでに日光参拝してきます。

なので早め投稿です。よろしくお願いします。

「ヒナ、ルージュ。10秒だ。10秒間相手を押しとどめてくれ。」

「わかったニャ。」

「りょーかーい。」

「じゃあいくよ、10!!」


 迷宮の槍をゴブリン軍団に向かって投げる。槍はそのまま手前の地面に突き刺さった。


「グルァァアー!!」


 挑発を受けたジェネラルが吠え、それに応えてナイト、ライダーがこちらに向かって走り出す。


「じゃあ行くニャ。ルージュ、フォローは任せるニャ。」

(まかせろー。)

「9!!」


 ヒナが剣を抜き放ち、低い体勢になったあとバネを生かし、始めから最高速で走り出す。


「8!!」


 アイテムボックスから槍の束を取り出し天井に向かって投擲する。

 ゴブリンナイト達がヒナに一斉に襲いかかると思われた時、地面から急に出てきた土壁に突き上げられて跳ね飛ばされる。


(大当たりー。)


「7!!」


 槍が天井に刺さる。よし、練習通りうまい具合に広がっている。

 ヒナが向かってくるナイトの首をはね、ルージュがライダーの進路を妨害するように土壁を作っている。


「6!!」


 ダートを投げ、メイジの詠唱を邪魔する。邪魔できたのは4匹だけだ。残り6匹のファイヤーボールがヒナを狙う。

 ヒナはそんなことは気にせず目の前のナイトの首をはねていく。


「5!!」


 よし、一本目の槍が消えた。糸も大丈夫そうだ。

 メイジのファイヤーボールをルージュが土壁で防ぐ。サイドからの挟撃をルージュに阻まれたライダー達が中央に駆け寄ってくる。

 ヒナは倒した死体をうまく利用しながら囲まれないように立ち回っている。


「4!!」


 地面にスライムの糸を通して土魔法を発動する。自分にできる最大の広さだ。

 すぐにMPポーションを取り出し回復していく。


「3!!ヒナ、退避!!」


 MPポーションのビンを吐き捨てながらヒナが退避しやすいようにダートで援護していく。

 ヒナが首をとばし、バックステップして間合いを離す。

 ルージュが先の尖った土を地面に設置し、ゴブリン軍団の進行を遅らせる。


「2!!」


 天井の4本の槍が消え、それに合わせて魔板が天井から地上へと降り注ぐ。


「1!!」


 ルージュが私と戻ってきたヒナの前に土壁を作る。その直後メイジが放ったファイヤーボールが土壁に当たる音が聞こえた。

 MPポーションを飲み、枯渇直前の気持ち悪さに耐える。


「0!!」


 ボン、ボボボボンという何かが連鎖して破裂する音がしばらく続き、ズゴゴゴゴと何かが崩れるような音が聞こえる。それとともに大量の土煙が舞い上がり私たちを襲う。


「ケホッ、ケホッ。やりすぎニャ。」

「ゲボッ、ここまでの威力になるのは想定外だ。」


 マップで視界が悪くて見えない壁の向こうの魔物が死んでいるか、動いていないことを確認する。土煙が落ち着くのを待って壁の裏から出ていく。


「うわっ、これはひどいニャ。」

「ああ、これは夢に見そうな光景だね。」

(なに他人事みたいに言ってるの!!)

「いや、こんな風になるとは想定していなかったし。」


 ボス部屋は迷宮の性質によってすでに元通りになっている。最初に見た通りの謁見の間のような感じだ。地面からゴブリンナイトやゴブリンライダー、メイズウルフの手や足、上半身などといった奇妙なオブジェが飛び出ていなければの話だが。

 手や足がピクピク動いているからまだ生きているようだが、そのうち窒息死するだろう。


「後で詳しく話してもらうニャ。」

「別にたいしたことはやってないよ。」

「たいしたことになってるから言ってるニャ!!」


 なぜ怒られたんだ?確かに威力は想像以上に高かったかもしれないが迷宮の性質とかを利用すれば出来ることだぞ。


「グガァアアアアア!!」


 弛緩した空気を切り裂くような怒号が聞こえる。あっ、そういえば玉座の分の高さを考慮するのを忘れていたな。

 鬼気迫る表情で、姿を現した私たちに向かって駆けてくる。

 味方の血で身を染めたジェネラルはもはや一軍を指揮する知性ある将ではなく、怒りで狂った獣となっていた。

 ダートで迎撃しようとした私の前にヒナがスっと出てきてそれを遮る。


「ヒナ?」

「タイチは休んでいていいニャ。このままだと全部もっていかれてしまうニャ。」


 ヒナがミスリルの剣をスラリと抜く。

 その目はジェネラルを狩るべき獲物として見定めた剣士の目だった。


「了解、任せた。」

(がんばってね。)

「任せるニャ。ジェネラルには借りもあるしニャ。」


 2歩ゆっくりと前に歩き、剣を構える。そしてドンッという音とともにヒナの姿が消える。

 いや正しくは消えたわけではない。かろうじて目で追える程度の速度でジェネラルに向かって移動したのだ。瞬時に目の前に現れたヒナにひるむジェネラル。


「これで、終わりニャ。」


 上段から真下へと剣が振り下ろされる。無駄のない理想的な型で振り下ろされた弾丸の如き速さの剣にジェネラルはなんとか反応し、剣を振り上げ腹の部分でヒナの剣を弾こうとしていた。その顔はもはやひるんでおらず、ヒナ程度の力など弾き飛ばしてくれるとでも言うようなあざけりの表情をしていた。

 剣戟の音が響くかと思われた瞬間、キィンという小さな音だけを残し時が止まる。

 ヒナは振り抜いたまま、ジェネラルは剣を振り上げたまま。

 そしてヒナがくるりと振り向き、時が動き出した。

 ヒナはジェネラルを気にすることもなくこちらに向かって歩いてくる。


(ヒナ、ジェネラルは?)

「大丈夫ニャ。もう死んでるニャ。」


 その言葉が合図であったかのように、ジェネラルは傾いていき血を吹き上げながら右半身と左半身がずれていく。文字通り真っ二つに斬られていた。


「お疲れ、ヒナ。リベンジは果たせたみたいだね。」

「タイチもお疲れニャ。まあ、あの時のジェネラルよりも格段に弱かったけどニャ。」


 ヒナがあの時の戦いを思い出すかのように目を細める。確かにあいつらは強かった。感慨に浸っているヒナには悪いが私は残酷な現実を伝えないといけない。


「出発前にミアさんに言われたこと覚えてる?」

「ミアおばさんに?あんたらなら大丈夫だと思うけど気をつけるんだよ、だったかニャ。」

「その少し前だね。」

「ゴブリンジェネラルの力は強いから正面から打ち合わないようにね、かニャ?」

「うーん、その辺りなんだけど。」

(あっ、僕わかった。)

「・・・わからないニャ。タイチ、はっきりと言うニャ。」


 ひなの背後の真っ二つに切れたジェネラルの剣を指さしながら伝える。


「ジェネラルの剣を欲しがっている奴がいるから、できる限り傷がないように持ってきてくれって言ってたよね。」


 ヒナがギギギギっと音がなりそうな感じで指のさす方向を見る。こっちを見てまた振りかえる。いや、何度見ても変わらないからね。


「タイチ、くっつけることって・・・」

「出来ないからね。」

「なんで出来ないニャ!!」

「いや、私シーフだし。」

「それは職業詐欺ニャ。ほらっ、出来るはずニャ。やってみるニャ。」

「無理です。」

「あぁー、おばさんに怒られるニャ。」


 ヒナが腰が砕けたように座り込んでしまったので、生き残っているゴブリン達を始末して回った。最後の一匹を倒すと、ドーンという音振動とともに部屋の奥の扉が開いた。

何をしたか予想できてるかもしれませんが、変な方法で倒しています。

主人公自体が無双出来るほど強くありませんから。

読んでくださってありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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