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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第二章:メルリスの街にて
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広範囲殲滅方法(改良)

もうすぐ200ポイントです。

本当にありがとうございます。

(ねぇ、なんでそんなにいっぱいスライムを狩ってるの?)

「それはね、スライムの糸を補充するためだー!!」

(キャー!!)

「・・・満足した?」

(うん。)


 なんちゃって赤ずきんちゃんを終えてスライムをアイテムボックスに収納していく。久しぶりに街の外へ出たのはメリルの時に使いすぎたスライムの糸を補充するためともう1つ考えがあってのことだ。


(ところで本当にどうして10匹以上も狩ってるの?5匹も狩れば糸としては十分じゃない?僕としてはあんまり多いと嫌だなーと思ったりして。)

「ああ、安心して。ルージュに糸にしてもらうのは4匹くらいのつもりだから。」

(後のは?)

「まあ、実験材料かな。」


 ルージュの質問にあいまいに答え、そのままスライム狩りを継続する。25匹狩ったところでもう十分だろうと判断し街に帰った。まだ昼前だから実験する時間はまだまだある。とはいえ時間は有限だから有効に使わないと。

 帰るついでに金物屋へ寄って部屋番号などを表示するために部屋のドアへ張りつける用の鉄板を買い占める。とはいっても15枚しかなかったが。実験が成功したら大量発注すればいいし、失敗したらモカちゃんに部屋番号と絵を彫刻した後にあげればいいから無駄にはならないはずだ。


「じゃあまずは糸を作りますか。」

(うぃー。)

「終わったらまた整備してあげるから我慢してよ。」

(絶対だからね!!)


 魔石を砕いて混ぜつつスライムの糸を作っていく。それを4回ほど繰り返して十分な量を確保しておく。この糸は私の生命線だ。アイテムボックスもあるし余分に持っておくぐらいでちょうどいい。


「はい、お疲れさま。」

(うぃぃー。)


 心なしかだるーんとした雰囲気を醸し出しているルージュを整備する。この前あいつにぶつけられたスポークは取り替えてあるし大丈夫だ。変なところに当たらなくて本当に良かった。


(はあ、人心地ついたよ。)

「それは良かった。」


 昼を適当に食べて、すぐに庭のレーザー用の小屋へ入る。そして買ってきた鉄板を固定しレーザーで魔術式を彫っていく。15枚の鉄板に2種類の魔術式を彫ったところでちょっと休憩する。


(あれっ、ネロさんの研究の手伝い?)

「いや、そうじゃないんだ。この前下手したらヒナと私は死んでいたでしょ。」

(そうだね。)

「あのときは3匹しかいなかったから大丈夫だったけど、もしもっと多くのゴブリンが居たらたぶん生きて帰れなかったと思うんだ。だから以前挫折した広範囲殲滅用の手段を再研究することにしたんだ。幸い新しい方法も思いついたし。」

(それがその鉄板?ミスリルとかじゃないと発動しないんじゃないの?)

「それを確かめるための実験さ。」


 まずありえないと思うがそのままの状態の鉄板を壁に投げつける。描いた式は衝撃を受けた2秒後に燃えるという簡単な式だ。しばらく待ったが予想通り何も起こらなかった。


(当然だね。)

「まあね、それじゃあこれからが本番だ。」


 スライムの体液に魔石を砕いて混ぜた液体に鉄板をくぐらせる。しばらくすると固まりスライムの体液でコーティングされた鉄板が出来上がった。


「はい、出来上がり。」

(えっと、これだけ?)

「とりあえずこれで終わりかな。じゃあやってみよう。」


 鉄板を覆うスライムの体液に魔力をこめる。しばらくすると魔力が流れなくなったのでそこでやめ、その鉄板を壁に投げつける。そして2秒後、ボッという音とともに火がついた。


(うわっ、本当に火がついた。)

「本当についたね。・・・そうだ、見とれている場合じゃない。」


 燃え広がっても怖いので慌てて靴で鉄板を踏んで火を消しにかかる。幸いにも他に燃え広がることなく消すことが出来た。良かった。またモカちゃんに怒られるところだった。匂いはレーザー彫刻するときにすでについているしあとでクリーンをかければごまかせるだろう。


(ねえ、どうして火がついたの?)

「まだ仮説だけどいい?」

(うん。)

「最初に疑問に思ったのはミスリルの魔剣の作り方なんだ。総ミスリル製で魔術式を彫った剣に魔力を通しただけで魔法が発動するのはおかしくない?」

(どうして?)

「同じ材質ならその魔術式の部分だけじゃなく全体に魔力が通るはずでしょ。なのに魔術式のとおりの魔法が発動する。だから魔術式の部分のみに魔力を流すというイメージ自体が間違っているんじゃないかなというのが第一の仮説。ではどうして発動するかを考えると不安定な場所を作り出して魔力を放出しているんじゃないかなと考えたんだ。」

(不安定な場所?)

「ルージュで例えるなら平らな道に1か所だけ地面がへこんでいる感じかな。そこを通るとルージュはどうなる?」

(うわぁってなるね。)

「そういうこと。」

(?、あんまりよくわかんない。)


 うーん、なんて表現したらいいんだろうな。安定状態ではエネルギーを溜めているのに1点不安定な場所を作ってやるとそこからエネルギーがあふれ出る、突沸とかと同じイメージなんだけどわかりやすく説明するのは難しいな。


(まあいいや。でもこれで発動するならネロさんの研究も終わりなんじゃない?)

「いや、それはちょっと無理かな。」


 ルージュに先ほどの鉄板を見せる。スライムのコーティングははがれ、靴で踏んだため曲がってしまっている。


「これは1回限りの使い捨てを想定しているからね。ネロさんの鉄の魔剣の研究は継続的に使えないと意味が無いから研究している方向性がちょっと違うんだ。」

(ふーん、残念だね。)

「まあ、仮説については伝えるから何か進展があるかもしれないけどね。」


 ルージュへの説明を終え、実験を継続しようかと思ったがここでは場所が悪い。火事になってもいけないし。というか魔術式を土魔法にしておけばよかった。後の祭りだが。


「ルージュ、悪いけどもう1回街の外へ行くよ。」

(いいの?依頼を受けないとまた入市料取られるんじゃない。)

「まあ必要経費ってことで。」


 迷宮の3階層の外れまで行ってもいいのだが人が多いうえに時間がかかるからな。今はお金よりも時間の方が惜しい。

 急いで街の外へ出て人気のない方向へしばらく走る。街道さえ外れてしまえばほとんど人には会わない。いるのは冒険者か物好きくらいだ。マップと目視で付近に人がいないことを確認する。じゃあ実験の続きをするか。


 先ほどと同じ魔術式の鉄板に魔力を注いでいく。8枚の鉄板に魔力を注いでそのまましばらく放置しておく。時間経過により威力が減少するかを確認するためだ。

 次に10枚作った同じ魔術式の残りの1枚に魔力を半分くらい込めた状態で地面に叩きつける。2秒後に火がついたが炎の勢いはかなり弱くしばらくして消えた。


(あっ、消えたね。)

「そうだね。魔力を半分にしたのに火は半分どころか20パーセントくらいしか威力が無かった。ということは魔術式の部分ごとに消費される魔力があるってことか。」


 つまり今回だとぶつかったことを感知する部分、タイマーの部分、火をつける部分の順番で一定の魔力を消費しているため最後の火をつける部分に使える魔力が減って威力が弱まったと言う予想だ。各部分で消費する魔力が半分になるんじゃなく魔術式によって消費する魔力が決まっていると考えられる。これは朗報だ。逆に魔力を多く溜めることが出来れば威力を上げることが出来ると同義だからだ。


(タイチ、嬉しそうだね。)

「ああ、何とかなるかもしれない。」


 その後、時間経過による減衰を確認したり、5枚同時に発動可能かを確かめた。時間経過は6時間経過すると多少威力が落ちるような気がする程度だった。数日かけて検証する必要がありそうだ。5枚同時発動は普通に可能だった。

 よし、目途は立った。後はこめられる魔力を上げられるようにスライムの体液の検証をするだけだ。材料は乱獲したので十分ある。30階層のボスに間に合うように研究して行こう。

 やっぱり入市料がもったいないので時間を潰しつつ、そこいらにある薬草を摘みながら今後の実験計画をまとめていった。

電子レンジで水を温めすぎたりすると突沸が起こる可能性があります。

動かした瞬間、間欠泉のように水が吹き上がるのは恐ろしいです。

読んでくださってありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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