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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第二章:メルリスの街にて
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ジェネラル

 とっさに手を前に伸ばしアイテムボックスを発動する。取り出すのは今まで何度も魔物を潰してきた土の塊。ある意味ルージュ以外の相棒ともいえる存在だ。目の前に縦横5メートル奥行き2メートルの土の壁が現れる。ヒナが止まり切れず土の壁に軽くぶつかる。その直後壁の後ろだというのにまわりから押し寄せる熱風に顔をしかめる。直撃していたら確実に殺されていた。

 壁に隠れながら打開策を考える。


「痛いニャ・・・。でも助かったニャ。ファイヤーボールをよけるつもりだったけどあんな攻撃が来るとは思わなかったニャ。」

「だいぶ事前情報と違うね。ナイトも私のダートに反応してメイジを守ったし。」

「少なくとも25階層まではそんなことなかったし、今までこの迷宮を踏破した冒険者の話を聞いた限りではそんなことは出来ないはずニャ。実力的には私より下の冒険者だったからニャ。」

「ということはイレギュラーっぽいね。逃げるのは無理そうだし1体ずつ倒していく方がいいか。特にジェネラルは二人で相手をしないとまずそうだ。」

「作戦はあるのかニャ?」

「とりあえずこのまま遠距離から魔法を撃たれて動けないまま、襲われるのが一番まずい。フラッシュで目を潰して一時的に動きが鈍れば私がメイジを遠距離から倒して、続けてヒナがナイトを倒す。最後にジェネラルを二人で相手にするのがいいと思う。」

「わかったニャ。合図は任せるニャ。」


 炎が収まった後も壁に何か熱量のあるものが飛んできてぶつかっている音がする。おそらくこれがファイヤーボールだと思う。いくら土の塊が魔法で強化されていると言ってもいつまでもつかはわからない。早期の決断が必要だ。


(ルージュ、私がフラッシュを使ったらすぐに変身してクロスバイクになって。)

(わかった。気を付けてねタイチ。)

(ああ。死なないように頑張るよ。)


 タイミングを計る。ファイヤーボールのぶつかる間隔は2秒ごとくらい。壁の端からチラッと見るとナイトがこちらに近づきつつ後ろからメイジが援護をしているようだ。ジェネラルはその様子をただじっと見ている。ダートを握る手に力がこもる。いかんいかん、こんな時こそリラックスをせねば。

 ファイヤーボールが壁にぶつかった。今だ。


「フラッシュ。」


 壁の向こうでゴブリンたちに向かって強烈な光が放たれる。ナイトはまともにくらったみたいだが距離のせいかメイジとジェネラルにはあまり影響はないようだ。しかしこれなら


「ヒナ、行くよ!!」

「わかったニャ。」


 壁の両側からそれぞれが出て走り始める。ヒナがナイトに向かうのを横目で見つつ、メイジに向かって右手で全力でダートを投擲する。そしてすぐに左手で横に向かってダートを投擲する。

 右手で投げたダートがジェネラルの剣で弾かれる。やっぱりジェネラルが動かなかったのはメイジを守るためか。メイジはダートに全く反応できていない。本当に魔法以外は普通のゴブリン程度の強さなのだろう。しかしその魔法攻撃が強力すぎる。遠距離から広範囲の魔法を使われては手も足も出ない。だからこそ守るのだろう。

 でも私が正面から堂々と狙うわけが無いじゃないですか。横に投げたダートがスライムの糸で弧を描き、側面からメイジを狙う。このままだと側頭部に当たるがそのままでは死なないだろう。しかしこの角度ならメイジ自体が邪魔になってジェネラルが防ぐことは不可能だ。


「ランス!!」


 スライムの糸を通して土魔法を発動する。騎乗槍をイメージした円すい形の2メートルほどの土の槍だ。それは誰に邪魔されることも無くゴブリンメイジの側頭部に当たり、その頭を粉砕した。


「グルゥアアー!!」


 ゴブリンジェネラルがその光景を見て咆哮する。私の少し前ではフラッシュで動きの鈍ったゴブリンナイトの剣を持った手を切り飛ばし、首をはねたヒナの姿があった。

 ゴブリンジェネラルが剣をこちらに向ける。ジェネラルの剣はヒナのものと比べてもかなり立派な剣だった。


「怒ってるね、ヒナ。」

「そうだニャ。二人で相手にしても勝てるかどうか自信が無いニャ。」

「普通に私のダートを防ぐしね。」

「雑魚の2匹の強さを考えてもジェネラルもこの迷宮のボスよりも強いと考えた方がいいと思うニャ。」

「ですよね。じゃあやりますか。」

「援護は頼んだニャ。」


 ジェネラルがこちらに向かって走ってくる。コボルトリーダーよりも早く隙も少ない。とりあえず足止めをしてみるか。

 ワクコ製のダートを取り出し8割程度の力で次々と投擲していく。全力で投げるとどうしても速射出来ないのでダートでは致命傷を与えられるか微妙なジェネラルに対しては数を撃つしかない。

 ジェネラルは顔や急所など危険なダートは防ぐか回避し、どうしても当たるものはそのまま攻撃を受けながら進んでくる。多少の傷は受けているが致命傷では無い。

 すごいな、と素直に感心する。ここまでダートが通用しないのはアンさん以来だ。完全に避けるアンさんとは違い強靭な肉体でダートが通用しない。

 でもそれもこれまでだ。


 ジェネラルに投げていたダートがノーマルダートだけだったのは油断を誘うためだ。ここからはちょっと変化球を受けてもらおうか。

 ジェネラルとこちらの距離はあと10メートル程度。あと数秒でこちらに接敵する。このタイミングしかない。普通のダートに混ぜてスライムの糸付きダートを投擲する。狙いは足だ。今までの傾向からここなら防がれない。

 当たる直前に土魔法を発動し、先ほど使った槍の形状にする。土の槍はジェネラルの足の半分を削った。


「グルゥオオー!!」


 ジェネラルは雄たけびを上げながらそのままこちらに走り続けてきた。化け物か。


「ごめんヒナ、足1本の半分が限界だった。」

「それで十分ニャ。」


 ヒナがジェネラルと対峙する。ここからは完全にヒナのサポートをするしかない。

 ジェネラルの剣が振り下ろされる。力任せのとてつもなく速い振り下ろしだ。ヒナはその剣を紙一重で横に避けながら手を切りつける。しかし浅い。違うか、浅いというよりはジェネラルの体が硬くて剣が通らないのだ。

 ジェネラルが笑う。ヒナの剣では致命傷は与えられないと確信したのだろう。ヒナの剣が当たるのに構わず暴風のごとく剣を振り回していく。剣筋はめちゃくちゃだが1撃でもまともに当たれば重傷を負うのは間違いない。そのすべてをヒナは最小の動きでかわし、カウンターで切り付けていく。それはまるで踊りを踊っているかのようであった。


 見とれそうになるのを我慢しつつ、2人が離れた隙を狙いダートや土魔法を使って追い打ちをかけていく。しかし先ほどの攻撃で警戒されてしまったのかすべての攻撃が弾かれる。さっき2本同時に発動させるべきだったか。

 一向に当たらない攻撃に業を煮やしたのかますます大振りになっていくジェネラルの剣。ヒナは余裕でかわしカウンターでジェネラルの傷を増やしていく。これならしばらくしたら出血多量で倒せるだろう。

 そう思ったのがフラグだったのか、ジェネラルの動きが変わる。剣を思い切り振り上げ、そのまま地面に叩きつけた。地面が割れ、石つぶてがヒナを襲う。防ぎきれずヒナが後ろに倒れる。そのヒナを狙ってジェネラルの剣が振り上げられた。

ルージュさんが出したいけど戦闘だとどうしても空気になってしまいます。

乗りながらなら戦えるんですけどね。

読んでくださってありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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