車上戦闘訓練
皆様のおかげで20000PV達成しました。
ありがとうございます。
それでは記念投稿の本日二話目です。
(で、次は何をするの?)
(基本的にはさっきと一緒だよ。)
(えっ、また一撃当てた後に追撃するの?あれ見た目がえぐいから嫌い。)
(一応、普通に土魔法で倒すよりも消費MPが少ないって言う利点があるんだけどね。)
(でも回して投げると1体にしか攻撃できないから面倒じゃない?)
(それを含めて次の実験なんだ。)
しばらく走るとマップに4匹のコボルトの存在が表示される。よし、こいつらで実験しよう。
先ほどと同じようにワクコ製のダートのスライムの糸をぐるぐる回して速度を上げる。そして射程距離に入ったところで先ほどと同じように投擲する。
ダートはコボルトへ向かって一直線に飛んでいく。後1秒もしないうちに刺さる。いまだっ!!
針のむしろをイメージした土魔法をダートの先から発動する。まるで針のついた釣り天井の罠のような土ができ、そのまま4匹のコボルトを串刺しにしていく。全身を針のような土で貫かれたコボルトたちはしばらくして絶命した。
自分のした攻撃のまずさに思わず立ち止まる。
(うわー、派手にやったね。)
(うん、まさかここまでなるとは思わなかった。)
コボルトの死体から噴き出た血で辺りは血の海だ。全身に穴が開いているからもしコボルトの毛皮を売ろうとしても買い取ってもらえないだろう。背中まで貫通はしていないみたいだがこれだけ穴が開けば即死しないでも失血死しそうだ。
(タイチ、何やったの?)
(いや、威力を上げるためにダートが衝突する間際に土魔法を発動して重量を増やしたんだ。)
そうなのだ。威力を上げるために一番簡単な方法は速度を上げることだ。エネルギーは速度の2乗に比例して上がる。しかしスライムの糸の耐久性があるため一定の速度以上には上げることは出来ない。なら他の方法でエネルギーを増やすためにはどうしたらよいのか。それはそのものの重さを単純に重くすればよいのだ。速度ほどではないが重さを増やせばそれに比例してエネルギーも大きくなる。あとはそのエネルギーが効率よくダメージを与えられるように先端のとがった形状にすれば威力が上がるというわけだ。
飛んでいる最中に急に重さが変わったりすれば進行方向の向きが変わったり、速度が低下したりするかと思っていたのだが特にそういったデメリットは無い様だ。
(うーん、確かに一度に倒せるけど穴だらけだよね。)
(そこは要検討だな。MPも重くすればするほど使うから一番最適な形状を探す必要があるな。)
(そうだねー。でもこれちょっと恐ろしいね。)
(そうだな、ルージュに乗ったままでこの威力だしな。普通に同じことをすれば明らかにオーバーキルだ。)
普通に自分で投擲すれば速度はもっと上がる。すなわちその分だけエネルギーが増えると言う事だ。つまり今回よりもすごいことになってしまう。
(しばらくは使い道がなさそうだ。)
(そうだね。明らかにやりすぎだしね。)
(たまに飛ばす形状の検証のために実験しよう。)
(りょーかーい。)
まあ、メリットとしてワクコ特製のダートでなくてもスライムの糸さえ飛ばせればいいということはあるけどね。回収しなくていいのは楽だ。
(とりあえず遠距離攻撃系はこんなところかな。結局土魔法が一番使いやすかったな。)
(まあ、どうしても手を使わないといけないから乗っているときには向かないでしょ。)
(試してみないとな、結果がわかりきってても。)
(まあ、タイチがそれでいいならいいけどね。)
(それで次はどうするの?)
(次は自転車ですれ違いざまに攻撃する方法だな。)
まあ自転車に乗りながら攻撃するとしても出来そうな武器は杖か迷宮の罠の槍しかないわけで、40キロ以上の速度で走りながら攻撃することを考えると反動もあるため使い捨てのできる槍が有効だろう。罠の槍の数も増えてきたし一本試してみるか。
またしばらく走り魔物を見つける、コボルト2匹だ。少ないしちょうどいい。コボルト達がこちらに気づいて走ってきた。アイテムボックスから槍を取り出し狙いを定める。狙いは心臓だ。外れたとしても内臓にダメージが与えられるし的も大きいから外しにくい。
コボルト2匹に挟まれそうになるのを直前で進行方向を変え左のコボルトの更に左をすれ違いざまに槍で突く。体を突き抜けた感触とともにコボルトの重さを感じ、槍を離す。危ない、あやうくバランスを崩すところだった。
立ち止まり様子をうかがう。槍はそのまま地面に突き刺さり迷宮に吸収されてしまった。狙い通り心臓を突き刺されたコボルトは倒せた。残りの1匹を土製ダートを投げて倒す。
うーん、やはり直接攻撃するとなると槍のような突き刺さる系の武器では倒した後に重さを感じてバランスを崩しそうだ。突き刺した後に武器を引けばいいのだろうが40キロ越えの状態でルージュに乗りながらそれを行うのは無理と言うものだ。
(うーん、無いな。)
(そっかー。恰好はいいけどなかなか難しそうだしね。)
(よく映画とかで騎馬戦とか見たけど、よく戦えるよな。今の私でもこうなのにどれだけ昔の人は強かったってことだよ。)
(まあ、馬は自分で動けるから。)
(それにしてもきついと思うけどな。)
なにかコツとかあるんだろうか。まあ聞くことも出来ないけど。いや、こちらの世界ならリアルに馬の上で戦うような人がいるかもしれない。もし知り合うことが出来たらコツを聞いてみよう。
(最後は回避だね。)
(うーん、あんまり無茶なのはやめてね。)
(わかってるよ、ルージュ自体がそれ専用じゃないからね。)
(頼むよ、タイチ。)
まあ地球でも50センチは行けたから何とかなるだろう。
魔物を探す。こういう探すときに限って見つからない。次の魔物に出会ったのは20分後だった。
(ようやく見つけた。)
(うーんと、コボルトみたいだね。)
3匹のコボルトがこの先の通路にいる。このまま進めば30秒くらいで接触するだろう。久しぶりの感覚に心が躍る。地球にいるときにあれだけ練習したんだ。体が覚えているはず。
コボルトとの距離はあと5メートル、今だ。
体をハンドルに押し付けるように下へ勢いをつけて下げ、すぐに体を後ろに引き倒すような勢いで上げハンドルを引き上げる。フロントタイヤが上がった。よし、行ける!!
ハンドルを胸のあたりまで引き上げながら体を上に伸び上がらせペダルを通じて地面をける。
「飛べっ!!」
空中で見えたのは下で唖然とした表情で私たちを見つめるコボルト達だった。
上半身を倒し、リアタイヤを持ち上げルージュを水平にする。しばらく飛び、ガシャっという音とともに地面に降りたときにはコボルトはすでに4メートルほど後方におり、動かないコボルト達を置き去りにルージュと走り続けた。
(ルージュ、大丈夫?)
(うーん、ちょっとびっくりしたけど着地の時にちゃんと衝撃を吸収するようにしてくれたから大丈夫だよ。)
(どのぐらい飛べたかな。)
(高さ2.5メートル、距離10メートルくらいだね。)
(やっぱり、レベルアップってすごいね。)
(だねー。)
今飛んだのはれっきとしたバニーホップと言う自転車の技だ。本来ならばBMXという小径車の技だが、一般の自転車でも努力すれば出来る。マウンテンバイクで障害物を乗り越えるときに使っていたのでクロスバイクでも出来ると思っていたがレベルアップによる恩恵はかなりすごかった。さすがにこんなに高さが出るとは思わなかった。これは他の技もかなり面白いことになりそうだ。
(ルージュ、ちょっといろいろ試しながら走ってみるよ。とりあえず魔物のいないところでも出来るから走りながらいろいろやってみるね。)
(あんまり無茶はしないでね。)
(わかってるよ。もしまずそうならすぐに言って。)
その後いくつかの技を試し、使えそうな技を選別していった。
今回の検証で結局わかったのは、走るのに一番適しているのは土魔法で倒すことだった。やはりスタンダートが一番だ。一日中走ったのでルージュも満足したし、いいお休みの日だった。
BMXのトリックとかはセンスもありますが練習がものを言います。
あきらめずに何度もトライすることでだんだんと高く飛べたりします。
読んでいただきありがとうございます。




