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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第二章:メルリスの街にて
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はじめての迷宮

ありがとうございます。

無事に10000アクセス達成しました。

記念投稿です。本日二話目なので、注意して下さい。

 迷宮の中は思ったよりも明るかった。すごく厚い雲で覆われた曇りの日の日中くらいだ。暗かったらルージュをシティサイクルにこっそり変身させて「ライト」でも使おうかと思っていたが必要はなさそうだ。


(なんだろう、壁自体が発光しているのかな?)

(まあ、迷宮自体が理不尽な存在だから気にしても仕方ないんじゃない。)


 まあ罠が自動的に復活するぐらいの理不尽さだから気にしても仕方がないか。壁自体が発光しているのなら、はがして他の地域に持っていけば売れそうだがそういう商売が出来ていないところを見ると無理なんだろうな。


 マップについては普通に使えるようだ。もしかしたら迷宮の中では機能しないんじゃないかと危惧していたのだがそんなことはないらしい。

 とりあえず今日は1階層のマップを完成させながらギルドの地図の正確性を確かめていこう。


 石造りになっていて非常に歩きやすい迷宮を歩いていく。通路は横幅8メートルくらいで、下手な道路よりも走りやすそうだ。他にも冒険者がいっぱいいるからそんなことはしないが。

 そう、一階層には冒険者がたくさんいる。レベル2になったマップは半径400メートルくらいまで把握できるが確認した限りでも25人はいる。

 まあ、下の階層へ向かうにしても帰ってくるにしてもここは通らないといけないから多いのだろう。


 だからといっては何だが、いまのところゴブリンと戦う必要が無い。居たとしても他のパーティと戦っているため手を出すこともない。

 戦いに途中から勝手に参加して獲物を横取りするのはマナー違反だそうだ。もちろん罰則があるわけではないが、冒険者の間で噂になりこの街を去るしかない状況にされるそうだ。

 怖いね、冒険者。


 というわけで戦闘もすることなく第一の罠の場所に着く。


(ねえ、ルージュ。あれをどう思う。)


 床にいかにも罠ですよーという感じで黄色のタイルが置かれている。


(罠を見つけた冒険者が置いていったものじゃないの?)

(いや、罠に何かをしても時間が経つと元に戻ってしまうらしいんだ。だからあの黄色のタイルは罠自身だと思うよ。)

(アンさんみたいに他に罠があるとかは?)

(調べた感じ無いね。)


 一応その可能性も考えて周囲も調べてみたが何もなかった。このダンジョンの罠すべてがこんな仕様じゃないよな。

 そうか、1階層だから訓練階層みたいな感じでわかりやすくしているのか。でも誰がどんな目的でしているんだろう。


(それであの罠はどんなやつなの。踏むと発動するのはわかるけど。)

(たぶん壁の一部分の色が違うからそこから矢なり槍なりが飛んでくるか、毒ガス系のものが出てくる罠だと思うよ。ちょっと試してみようか?)


 アイテムボックスから土の塊を罠を踏むように取り出す。

 パカッという音とともに壁が開き、矢が土の塊の上を飛び越え反対側の壁に突き刺さった。


(あっ、矢だったみたいだな。)

(なんかわかりやすいわりに殺傷力は高そうな罠だね。)


 確かにまあまあの威力だった。反対側の壁に突き刺さったしな・・・。あれっ、矢はどこ行った?


(ルージュ、矢がどこに行ったか見ていた?)

(ううん、特に気にしてなかったから。)


 ちょっと調べてみるか。罠がどれくらいの時間で復活するかの確認もしたいし。

 土の塊を収納して、すぐにもう一度取り出す。罠は発動しなかった。


(とりあえず5分毎くらいに確認してみようか。)

(りょーかーい。)


 待っている間は暇なのでルージュを磨くことにした。車用の布でふくだけでワックスがかかるという商品だが大体これできれいになる。ルージュの場合いつも整備しているから大きな汚れとかは無いしな。


(あー、そこそこ。あっ、ちょっと奥の方も頼むよ、タイチ君。)

(親父臭いよ。ルージュ。)


 25分の時には発動しなかったので、次は30分の時だ。なんとなく切りもいいので罠が復活しそうな気がする。


(あっ、タイチ。30分経ったよ。)


 いままで通り、土の塊を取り出す。今回は罠が発動し土の塊の上を矢が飛んでいく。そして反対側の壁に突き刺さった。5秒後その矢がふっと消えてしまった。


(消えたな。)

(消えたね。)

(とりあえず無くなった原因はわかったな。原理はわからないけれど。)

(あと罠は30分で復活したね。この場所だけかもしれないけれど。)


 まだまだこの場所だけでは検証不足だ。時間も使ってしまったしさっさと別の場所へ向かうか。

 それにしてもこんなわかりやすい罠に引っかかる奴なんているのか?あるとすれば戦闘の最中に誤って踏んでしまうくらいだと思うが。

 何となく釈然としないものを感じながら別の通路へ向かった。


 2階層へ続くメインの道から外れていくとだんだんと冒険者が減っていった。まあ1階層自体がお試し階のような感じだとすれば一度でも入ったことのある冒険者なら素通りするだろうからな。

 ということで初めて誰とも戦っていないゴブリンを発見した。

 一応マップの反応では数は3匹。曲がり角の向こうにいるため、まだ気が付いていないだろう。


 どう戦おうかな。とりあえずは安全策で落とし穴に落としてから強さを確かめてみるか。

 取り出した小石を放り投げてわざと音を立て気づかせる。

 曲がり角を曲がって3匹の緑の小人がやってきた。なんか小人って言うとかわいく感じるが顔は醜悪でまさにゴブリンって感じだ。粗末な皮を身に着け、棒を持っているのが2匹、残りの1匹は錆びた剣を持っている。冒険者のものだろうか。


 私を見つけたゴブリンたちは、ひゃっはー獲物だぜーと言いたげに一直線にこちらへ向かってくる。とてもダートを投げたい衝動に駆られるが落とし穴作戦をすると決めているので少し待つ。

 あと8メートルになったので落とし穴を発動させる。

 あれっ、落とし穴が発動しない。なんとなく魔力が床から逃げていく感じだ。

 そうして躊躇している間にもゴブリンたちはこちらに向かってきていた。

 あと1秒で攻撃圏内だ。


「よいしょっと。」


 アイテムボックスから2メートル四方の土の塊を取り出しゴブリンを押しつぶす。

 ぐぺっという悲鳴とともにゴブリン3匹は潰れて死んだ。


(ねえルージュ、床を変形させることできる?)

(ちょっと待って。・・・なんか魔力が逃げて無理っぽいね。)

(ルージュでも無理か。)


 せっかくアンさんにも褒めてもらった「落とし穴からさようなら」がダンジョンでは使えないようだ。アイテムボックスから土の塊は取り出せるから圧殺自体は出来そうだが。


 土の塊を回収し、つぶれたゴブリンの体から魔石だけを取り出す。ゴブリンは他に利用するところのない残念魔物なので人気もない様だ。

 錆びた剣については一応拾っておいた。何かの時に使えるかもしれないしな。


 4時間ほどかけて1階層をすべて埋めることが出来た。あの後ゴブリンとも普通に戦ってみたのだがダートを頭に当てれば大体一撃で死ぬので問題はない。

 人型の魔物を殺すのはこれが初めてだが、こちらの命を狙ってくる魔物に対して躊躇も殺したことによる嫌悪感もない。これが無害な妖精みたいなやつを殺してしまったなら後悔が半端ないと思うが。

 ビジュアルって大切だ。


 罠もこの階層についてはすべて同じように、見ただけでわかる仕掛けになっているようだった。さすがにはまっている冒険者に会うこともなかった。

 ギルドの地図については縮尺や方向はちょっといい加減だが罠のある場所を事前に知るには十分だった。2階層以降の地図を買うか迷うので2階層を一度体験してから検討しようと思う。

 1つ地図に載っていない場所に罠があったので、罠を発動させてみたらその罠は消えてしまった。一度きりの移動式罠が設置されることもあるようなので注意しないと。


 後、残念ながら宝箱は発見できなかった。


 レベルも上がったし、そろそろおなかも減ってきたので、ギルドでゴブリンの魔石を買い取ってもらって帰ろう。

 今日の成果のゴブリンの魔石23個を袋に入れながら迷宮を脱出した。

いよいよ本格的な迷宮探索が始まります。

血沸き肉躍る冒険が待っているといいな。この主人公だし待っていないかもな。

読んでいただいてありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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