迷宮直前
今日、うまくいけば10000アクセス達成出来そうです。
達成出来たら記念投稿します。予想は午後8時過ぎです。
ありがとうございます。
宿で朝食を食べ、いま私がどこにいるかというとギルドの2階の図書室にいる。
入る資格を手に入れたからといって準備も事前知識もなく魔物の巣のような場所に行くなんて無謀以外の何ものでもない。
イーリスと同様にギルドの2階には図書室があると聞いており、そこに迷宮の基礎知識の本もあると教えてもらったため今日は勉強に来ている。
ここの図書室はイーリスのようにほぼ人がいないと言う事もなく複数の冒険者が使うと言う事で夜間以外は解放されているそうだ。
本棚をざっと見てみたがイーリスと同じ本もあるし、違う本もある。その中で迷宮関係の本を3冊ほど選ぶと机で読み始めた。
読んだ結果わかったことは以下の通り。
・魔物が繁殖ではなく自然に発生すること。
・罠が仕掛けられていること。
・宝箱があること
・10階層ごとにボスがいてそのボスを倒さないことには下の階層へ行くことは出来ないこと。
・最下層のボスを倒すと10日ほど迷宮の活動が弱まること。
・ボスや罠は復活すること。
他にも細かい点はいろいろとわかったが大きいのはこのぐらいだ。
ちなみにこのメルリスにある迷宮は初心者用が30階層、中級者用が50階層、上級者用が70階層まであるらしい。らしいというのは上級者用はいまだ54階層までしか進んでおらずおそらくそうなのではないかという予想なのだそうだ。
壁に参考として各迷宮の1階層の地図が貼ってある。初心者用の迷宮でも70部屋以上あるため探索に時間がかかりそうだ。罠の位置にバツ印が書いてあるが何の罠なのか書いていないのであまり参考にならないな。
他の階層の地図はないのかと思ったが2階層以下はギルドで販売しているそうだ。もしくは迷宮付近の店で売っているのを買うくらいらしい。ギルドも商人もやはりしっかりしているな。用心深い冒険者なら必ず買うだろうしな。
とりあえずは1階層の地図だけ書き写してどのくらい使えるか調べてみよう。
ミアさん(猫人族の受付のおばさん)に聞いたところ、1階層の魔物のゴブリンは初心者の冒険者でも簡単に倒せるそうで、フィールドウルフを倒したあんたなら大丈夫だと太鼓判を押してもらった。
それでも油断はしないようにしておこう。
食料や水はもらった携帯食などがまだまだ残っているので用意する必要もないし、特に必要な装備などもなさそうなので様子見に行ってみるか。
(ルージュ、お昼を食べたら一度迷宮に潜ってみようと思う。)
(なになに?最速に挑戦!!ってするの?)
(いや、1階層で迷宮の地図を確かめたり、魔物と戦ってみるだけだから。)
(なーんだ。つまんなーい。)
(ルージュは私をどこへ向かわせようとしてるの?)
(さあねー。)
相棒の様子に呆れつつ、初心者用の迷宮へ向かう。途中で美味しいものでも探す使命があるので頑張ろう。美味しいご飯は生きる活力になる。
迷宮に近づくにつれて迷宮に向かったり、帰ってくる冒険者が多くなり、それに合わせて屋台や露天商も多くなってきた。
威勢の良い掛け声や肉を焼く香ばしい匂いが漂う。
とりあえず串焼きを違う店で合計3本買い、売っていた細長いパンと一緒に食べる。なんとなく縁日の屋台巡りのようだ。
露店をひやかすと、武器、防具、回復アイテム、地図など迷宮に要りそうな物なら何でもそろっているようだ。若干中心街の店に比べると割高なのだが、そこまで行くのが面倒な冒険者もいるだろうし商売としては成り立つのだろう。
なにか掘り出し物はないかなと見ていたが食指が動くような商品は無かった。
初心者用迷宮に入るための列の最後尾に並ぶ。
初心者用と言うだけあって並んでいるのはほとんどが10代から20代と思われる若い冒険者だ。たまに40歳くらいの強そうな冒険者がいるが若い子を連れているので引率の冒険者だろう。
ほとんどがパーティを組んでいるようで迷宮内の予定や馬鹿話を楽し気に話している。私のように一人で探索するようなもの好きはあまりいないらしい。
「おい、あんた。」
確かに迷宮には何日も潜りっぱなしと言う事もあるだろうし、魔物も出るため一人で潜ることはリスクが大きい。私の場合はルージュもいるので大丈夫だろうが。
「あんただよ、あんた。聞こえてんのか?」
肩を叩かれたので振り返る。てっきり私以外に話しかけているかと思って無視してしまった。話しかけてきたのは同い年くらいの赤髪の人族の少年だ。
「すみません、気が付かなくて。何か御用ですか?」
「ああ、あんたその装備で迷宮潜るのか。大丈夫か?」
あぁ、そこは「そんな装備で大丈夫か?」と聞いてほしかった。
まあ、それは置いておいて自分の装備を改めて見る。イーリスでも着ていた一般的な冒険者の服だ。変わったのは腰にダートを入れたホルダーが増えたこととアンさんに貸してもらった杖を持っていることくらいだ。
特に変な様子はないと思うが。
「大丈夫だと思いますが、なにか変な点がありましたか?」
「あんた、迷宮潜るの初めてだろう。最低でも皮の胸当てやすね当てを装備するもんだぞ。」
確かに周りを見るとみんな重装備だ。大盾を持っている人もいるし。さすがに全身金属鎧の人はいないが。
「ご心配ありがとうございます。今日は迷宮の1階層をちょっと見て回るだけのつもりでしたので本格的な探索になったら装備を考えますね。」
「それならいいんだ。ここは初心者用ってことで何の準備もせずに探索する馬鹿も多くてな。そういう馬鹿が厄介を引き起こしたり、死にかけたりするから面倒なんだ。」
ああ、純粋に私のことを心配してくれたみたいだな。いい人のようだ。
「8級の冒険者でシーフのタイチです。」
「7級の冒険者で「赤の守護剣」のリーダーのヨルムだ。剣士をやっている。」
握手を交わす。「赤の守護剣」はパーティ名かな?強そうな名前だ。
そうこうしているうちに自分の順番が来たようだ。
「忠告ありがとう。ヨルムさん。」
「ああ、死ぬなよ。あと、「さん」は要らない。尻がむずむずする。」
「ははっ、またねヨルム。」
ギルドカードを見せて防壁をくぐる。防壁に四角く囲まれた広場の中央にある階段が迷宮への入り口なのだろう。地面に急にぽっかりと階段がある光景は意外とシュールだ。
(じゃあ、行きますか。)
(運搬よろしくー。)
階段をルージュのフレームを肩にかける形で担いで降りる。ルージュ自体も10キロ程度しかないし筋力も上がった私には苦もないことだ。
ヨルムが声をかけてくれたおかげで、知り合いの冒険者を作るという目的も達成できたことだし、いい滑り出しだ。
とりあえず罠と魔物に注意しながら探索してみますか。
自転車で走っているときに屋台とかが出ていると目的地でなくても寄ってしまいます。
そこから意外な歴史を知ったりすることもありますし。
読んでくださりありがとうございます。




