閑話:プレゼント
この章最後の閑話です。
この閑話はちょっと本編と関係します。読まなくても・・・いや読んでほしいですけれどね。
(ねえ、ルージュ。アンさんに渡すプレゼント何がいいと思う?)
(難しいねえ。アンさん何でもありそうじゃない。)
この街を出るまであと1週間。これまでたくさんお世話になったアンさんにせめてもの恩返しをしたいと思い、プレゼントを考えているのだがいい考えが浮かばないのだ。
今は商店街をブラブラしながらいいものはないかと探し中だ。
(服はいつもメイド服だし。アクセサリー系はセンスが無いからなー。)
(前、怒られてたしね。)
同居人に誕生日プレゼントとして渡したらめちゃくちゃ怒られたんだよな。その値段だったらもっといいものあったでしょって。あれはへこんだ。
(この街に売っているようなものじゃあダメな気がするしね。)
(もう花とかでいいんじゃない。)
うーん、花は枯れてしまうからな。形に残るものがいいんだが。
そうだ、DP使えばいいものがあるかもしれない。最近は整備用品もワクコが作ってくれるからあまり使っていないし。
(屋敷に帰ってDPのリストを調べてみよう。)
(りょーかーい。)
(それで、いいものあった?)
(なかなか難しいな。どれが喜ぶんだかわからないしな。)
そもそもリストが多すぎるし、適当な文言なのが困る。画像とかが見えればいいのに。
(まあ、もらえるならなんでも嬉しいんじゃない。)
(みんながルージュみたいなら楽なんだけどね。)
あっ、そういえばこの屋敷なら自転車を置いても大丈夫なんじゃないか。旅に出た場合もしDPで自転車を増やしたとしてもルージュがあるから乗っていけないし、ルージュみたいにアイテムボックスになぜか入らないかもしれないし。
思い付きだけれどいい考えだ。アンさんの買い物とかも楽になるかもしれないしな。
(よし、決めたよ。シティサイクルにしよう。)
(えっ、いいの。アンさん自転車に乗るの初めてだよ。)
(大丈夫だ。アンさんなら1回目で成功させそうだ。)
(確かにねー。)
DPを1000使用してシティサイクルを選択する。ルージュの周りが明るくなるが一向に出てこない。あれっ、今までは地面からぽっこり出てきたんだが。
(あー、タイチ。ちょっと想定外かも。)
(どうした、ルージュ。)
(まあとりあえずステータスの僕の部分見てみてよ。)
どういうことだ。言われた通りステータスのルージュの部分を見てみる。
ルージュ Lv4
耐久 142/150 DP:11330/14498
「土魔法 Lv5」「念話 Lv3」「変形」
なんだ、「変形」っていうスキルが増えてるな。
(ルージュ、なんか「変形」ってあるけどどういう能力。)
(えっと、こんな感じ。)
ルージュが一瞬、光に包まれるとそこにはシティサイクルが存在していた。
(なんかこんな感じに変形できるみたいだよ。)
(えっと、そのシティサイクルもルージュなんだよな。)
(そうだよ。あっ、スキルは変わるみたいだ。「土魔法」が無くなって「光魔法」になってる。)
(そうなのか、それはすごいことだしいろいろ研究したいけど結局プレゼントが決まってないな。)
(もう、適当なものでいいじゃん。)
ルージュの変身はすごいスキルだし、研究のし甲斐もありそうだけれど今はその時じゃない。プレゼントを決めなくては。
でも変身すると土魔法が消えてしまうのか。便利だから変身後も使えたらよかったのに。
土魔法、土魔法か。そうだこの土魔法で何か記念になるものを作ればいいんじゃないのか。
(ありがとう、ルージュ。なんとなくプレゼントが出来そうだよ。)
(そっか。特に何もしてないけどね。)
作るものは決まった。後はうまくできるように何度も練習するだけだ。
「いままでお世話になりました。」
今日がこの屋敷で夕食を食べる最後の日だ。
「どういたしまして。よく私の訓練に耐えましたね。教えられることは教えましたので旅の途中でも訓練を欠かさないようにしなさい。」
「はい、必ず。」
二人で食事を食べる。並んでいる食事は今まで私が美味しいと言っていたメニューばかりだ。本当にアンさんにはお世話になった。
「それで、メイド長にプレゼントがあるんです。」
「あらあら、何かしら。」
「これです。」
プレゼントの箱をアイテムボックスから取り出し机の上に置く。
「開けてもいいかしら。」
「どうぞ。」
アンさんが嬉しそうにリボンを解いて箱を開けていく。
「これは・・・」
アンさんの目から涙がこぼれる。
「ジンさんとニールさんとリイナさん、それにアンさんと私とルージュです。土魔法で作ってみました。なかなかうまくできなくて。」
作ったのは皆のフィギュアだ。本当は写真がよかったがそれは出来ないので土魔法でフィギュアを作った。皆が笑っている顔だ。
「いつか必ず皆を連れて帰ってきます。その時はこんな風に笑いましょうね。」
「タイチ、あなたは旅に出るだけでしょう、でもありがとう、大切にするわ。」
「でしたね。でもまた皆で笑って食事しましょう。」
「そうね。」
アンさんはいつまでもフィギュアをいとおしそうに眺めていた。
実は「変身」のスキルは「一撃」の話の最後のステータスで記載されています。
気づいた人はいたんでしょうか。
読んでくださりありがとうございます。次回から新章に入ります。




