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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第一章:イーリスの街にて
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試験の準備

最初に言っておきます。

試験まで行けませんでした。ごめんなさい。

「ワークーえーもーん、助けてよ、ワクえもん。」

「誰よ、それ!!」


 試験が決まってすぐに向かったのはワクコの工房だ。ここで対アンさん用の武器を作らなくては。

 アンさんに指導してもらっているので、私の手の内はほぼ理解されている。アンさんの知らない奥の手が必要だ。


「かくかくじかじかということで困ってるんだ。助けてよ、ワクえもん。」

「かくかくじかじかでわかるわけないでしょうが!!」

「まあ、冗談はさておいて作ってほしいものがあるんだ。」

「急に真面目になるんじゃないわよ!!」


 怒っているワクコに対して、肩をすくめて、やれやれだぜといった雰囲気を醸し出す。


「むきー!!なんかわからないけど馬鹿にされた気分だわ。」

「まあ、本当にここらでやめておいて、作ってほしいものがあるんだ。」

「何よ、またいつもの訳のわからない道具?」

「違うよ、ダートだよ。」


 ワクコの言う訳のわからない道具というのは自転車整備用の工具だ。土魔法で見本が作れるようになったのでそれを渡して作ってもらっている。

 代金は自転車やホビーホースの売り上げの私の報酬分から引いてもらっている。

 だんだんと整備も出来ることが増えてきてルージュもご機嫌だ。


「今使っているダートに不満でも出てきた?」

「いや、不満はないんだけれど、ちょっと特殊なダートを作ってほしいんだ。」


 土魔法で作った見本を取り出す。


「作るだけなら簡単に作れるけれど、こんな加工したら空気抵抗も増えるし、重心ぶれるから安定しなくなるわよ。」

「まあ、あくまで見本だから。ワクコの職人魂に期待しておくよ。」

「数と納期は?」

「とりあえず数は出来るだけ多く、100くらいあればうれしいかな。納期は二日後で。」

「100!!こんな単純作業をそんなに続けたくないわよ!!」

「まあまあ、お金は払うから。」

「あんた払うって言っても差し引き払いじゃない!!あれ、お金をもらっている実感がないのよ。・・まあいいわ。いつも変なものを作って息抜きさせてもらっているし面倒だけれどやってあげるわ。」

「ありがとう、ワクえもん。」

「だから・・・、誰だって言ってんでしょうがー!!」


 本格的に怒ってしまったので、工房から逃げ出した。


 よし、武器の確保は出来そうだ。次はスライム狩りだな。

 街の外へ出て、マップで魔物を探す。近づくと逃げ出すのがグリーンラビット、ゆっくり近づいてくるのがグリーンスライムだ。

 マップのおかげでほぼ戦わない私だが、最近はグリーンスライムだけは倒すようになった。


 グリーンスライムを倒す理由


 その1、動きが遅く危険がほとんど無い

 基本的には草を食べていて、人がいると襲ってくるが酸を飛ばすような攻撃もない。仮に死ぬことがあるとすれば寝ているときに顔を覆われて窒息死するくらいだろう。


 その2、多少だが経験値が入る

 ほんの少しではあるが経験値も入る。この前にやっとレベルが上がり、めでたくLv2になった。


 その3、これが私がスライムを倒す一番大きな理由だ。一般的にスライムはうまみの少ない魔物として知られている。倒してもゼリー状の部分はしばらくすると地面に溶けてしまい、残るのは小さな魔石だけだからだ。しかも倒すときに魔石に攻撃するから残るのはクズ魔石だ。

 しかしアイテムボックス持ちにとっては少々事情が異なる。必要なのはゼリー部分だ。倒したスライムが溶けてしまう前にアイテムボックスへ収納する。

 魔石を粉々に砕いたすり鉢にそのゼリー状の部分を入れ、よくかき混ぜる。しばらくするとそのゼリー状の部分が固まり始める。完全に固まってしまうと変形が出来なくなってしまうので、タイヤとチューブを外したルージュを逆さまにしてペダルを回し、ホイールにゼリー状の一端をつけたまま回転させる。そうするとちょっと緑がかった透明な糸が出来上がる。


(うわぁ・・・)


 ルージュが毎回とても嫌そうなのが問題だ。あとで整備してご機嫌を取っておこう。


 出来た透明な糸だが、これはアンさんが罠を仕掛ける時に使っていたものだ。罠設置の訓練が始まったときに最初に教えてもらった。

 釣り糸のような感じで耐久性と柔軟性、弾力性もあるため非常に便利だ。魔力も通しやすいので魔法を使った罠にも使用できる。

 もちろん、剣などで切られたらすぐに切れてしまう程度だが。

 同じ作業を2匹分続け、十分な量の糸を確保した。


 後は戦う場所をどうするかだな。

 庭は論外だ。狭いし、いつも屋敷にいるアンさんにとって有利にこそなれ、不利にはなりえない。別に試験でぐちゃぐちゃにした場合、後が怖いからじゃない。

 やはり、外しかないな。人が来ない広い土地。あまり変なものがあるとそれを利用されるのが容易に想像できるのでシンプルな方がいい。

 まあ、普通に防壁の外の草原でいいか。

 ちょっと自分が戦いやすいようにはさせてもらおう。アンさんからは何でもいいからと許可はもらっているし。


 残りの時間をワクコに納品してもらったダートの訓練と、ルージュとの作戦会議に費やした。

 やるべきことはやった。

 アンさん、覚悟してください。いつもの私ではないですよ。

試験に入る前の準備なので少なめです。

戦闘に入ると期待した人はごめんなさい。次回こそ必ず。

読んでいただいてありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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