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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第一章:イーリスの街にて
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初めての雨

本日2000PV達成しそうですので二話投稿予定です。

今後実験的に投稿時間を変えるかもしれません。

8時に見てくれている方もいるので悩みますが。

 食堂で待っていたアンさんに今日わかったことを伝え、今はとりあえずアンさんとルージュの二人で話してもらっている。

 三人で話せないかと試してみたのだがどうやっても無理だった。

 私は二人の話が終わるまで食事をゆっくり食べていた。アンさんがときどき「あらあら。」とか「そうなの。」とか言っているので内容が非常に気になる。

 でも他人から見ると本当に独り言を言っている怪しい人にしか見えないな。


 不意に自分の体調が悪くなっていくのを感じる。まずい、これはMP枯渇の前兆だ。


「ルージュ、ストップ。「念話」はMPを使うみたいだ。」


 ステータスを確認すると残りが1しかない。本当にギリギリだった。


(あれっ、でもさっきタイチと話していた時はMP減っていなかったはずだよ。)


 ルージュがアンさんから私に念話を切り替えたみたいだ。

 でも確かにその通りだ。収納回数通りにMP枯渇になったからアイテムボックス以外でMPが消費された訳が無い。

 自分たちの間と他の人では条件が違う可能性があるな。


「とりあえずルージュはこのまま私と念話状態にしておいて。もしMP枯渇で倒れたらよろしくお願いします、メイド長。」

「いいですよ、面白い体験もさせてもらいましたし。」


 アンさんが笑顔で了解してくれる。


「それにしてもインテリジェンスアイテムなんて久しぶりに見たわ。」

「他にもルージュのような存在がいるのですか?」

「私が見たのは今までに2回、話だけのものを含めても3回ね。一つは剣、もう一つは弓のインテリジェンスウェポンを見たことがあるわ。話として聞いたことがあるのはヤマト国の王が、代々そういう道具を受け継いでいるという噂話ね。」

(おぉー、仲間がいるんだ。)

「希少だし、長年生きていて知識が豊富だから権力者が有していることがほとんどね。言いたいことはわかるわね、タイチ。」

「教えるな、悟らせるな、ですね。」

「はい、正解。」


 それでなくてもルージュはこの世界に一台しかない希少な自転車だ。権力者に目をつけられたら困ったことになる。


「はぁー、それにしてもタイチはトラブルの原因に愛される運命の様ね。」

(僕もそう思う。)


 ルージュうるさい、そんな愛などいらない。平穏に旅をさせてくれ。


 その後もしばらく話していたが、MPが減らないのでどうも自分たちの間ではMPを必要としないみたいだ。

 夜も更けてきたのでいつも通り水浴びをし、部屋に戻る。


 今日分かったこと、明日以降に検証することを端的にまとめながら部屋に貼ってある的にダートを投げていく。やはり別のことを考えながらだと命中率が下がるなと課題点を洗い出す。


「じゃあそろそろ寝るよ。お休みルージュ。」

(お休み、タイチ。もし寝過ごしそうだったら起こしてあげるよ。)

「助かるよ。」

(じゃあねー。)


 そういえば寝る直前にお休みっていうなんて久しぶりだなと思いながら眠りについた。




 翌朝、4時を少し過ぎたあたりで目が覚めた。


(相変わらず時間に正確だね。)

「あぁ、おはようルージュ。」

(おはよう、タイチ。)

「そういえば夜中、ルージュは暇じゃないのか?」

(特に待つのが苦痛にならないしね。人間とは基準が違うから。)


 服を着替え、窓を開ける。じわっとした湿気と共に雨音が聞こえる。


「雨、か。」

(あー、僕何となく頭痛がするかも。風邪かもしれないから今日は休んでるね。)


 雨の日に土の地面の上を走るなんて、私だって嫌だ。でも仕事があるのだから仕方がない。


「嫌なのは一緒だ。仕事もあるし問答無用だ。」

(やだー、錆びるー、オイル落ちるー、ブレーキ削れるー。)

「テンションが下がること言わないでくれ。」


 雨の日にクロスバイクに乗るなんて私だって本当は嫌だ。いちおうルージュには泥除けがついているがそれは天気が急変した場合用に着けたものだ。

 雨が最初から降っているときの通勤はどうするかって?それはもちろん乗らない、だ。普段はほとんど使わない自動車の出番となる。濡れた自転車をそのまま八時間以上放置するなんてなるべくしたくない。

 走るうえでも危険が伴う。マンホールのふたなどで滑ったり、ブレーキのききが悪くなるのだ。しかもブレーキは砂を巻き込むからすごく削れる。


「そういえばこの世界に来てから初めての雨だな。」

(そうだねー。)


 ルージュのテンションがとてつもなく低い。


「帰ったらいつも以上にしっかりとメンテナンスしてやるから機嫌直せ。」

(絶対に、絶対だからね。約束破ったらタイチのあることないことアンさんに話すから。)


 絶対にやめてくれ。


 フードつきの短めのマントを着てギルドへ向かう。レインウェアがあればよかったのだがあいにくと持ち合わせていない。DP交換で手に入れるとしても先のことだ。

 そういえば雑貨店などを見て回ったが、傘を見かけたことは無かった。雨の時はどうしているのだろうか?


 ギルドでいつものように荷物を受け取り、濡れていっても失礼にあたらないかを確認する。冒険者のみならずほとんどの人は雨の日には濡れるのが普通だそうだ。

 どうしても濡れたくない人や貴族はほろ付きや箱型の馬車に乗るらしい。

 傘についても聞いてみたが、貴族の女性が使うくらいだそうだ。


 日本のように雨が多くない影響かもしれないな。


 配達をしていくが地面の水たまりを跳ねるたびにルージュが(うわっ)とか(あー)とか言うのでかわいそうになってくる。

 ちなみに私もずぶ濡れでパンツまで染みてしまっている。


 なんとか配達を終え、ギルドへ報告し家に戻った時には二人とも疲労困憊だった。

 しかしすぐに整備をしなければいけないので、自身の着替えを済ませ整備を開始する。


 まずは分解だ。前後のホイールを外し、シートポストを抜き、フレームを逆さまにしたり回転させながら内部の水を抜いていく。これをしないとフレームの中に水が残ってしまい錆びる原因になる。

 水抜きが終わったらフレームを拭いていく。このとき泥がついているので丁寧に払ってから拭いていく。泥のついたまま拭くとやすりの原理で傷がついてしまう。


 次に外したホイールを拭いていく。特にブレーキと接する面に砂が残っているとブレーキの寿命にかかわるのでしっかり拭く。またタイヤも拭いて、異物などが刺さったりしていないかをチェックする。

 拭いたホイールをフレームに接続する前にブレーキシューの当たる面の汚れを落としておく。これもブレーキの寿命にかかわるので重要だ。


 次はチェーンの掃除だ。いつもならチェーンを取り外して洗浄、そしてオイルを差す流れなのだがいかんせん道具がない。

 とりあえず乾いた布でしっかりとチェーンの水分をとり、乾かす。チェーン周りのスプロケットやディレイラーも同様だ。

 チェーンオイルはどうしても欲しいので今日走った分のDPを使用し交換する。ちなみにチェーンオイル(小) 30DPだ。いつも使っていたチェーンオイルが地面に現れたのでびっくりするとともに安心した。

 チェーンが渇いているのを確認し、チェーンオイルを差す。余分なオイルを布で拭き取ればとりあえずは完了だ。

 ちなみにこのチェーンオイルがホイールのブレーキ面についたりするとブレーキが効かなくなるので注意が必要だ。


 本当なら駆動系の場所に油を差していきたいのだがDPの関係で無理だ。なるべく優先的に交換していこう。


(ふう、ありがとう。気持ちよくなったよ。)


 ルージュの機嫌も良くなったようだ。


「中途半端ですまんが、DPに余裕が出来たらちゃんと整備するから。」

(楽しみに待ってるよ。)


 今日はギルドの図書室へ行くのは中止だな。とりあえず地下室にでも行ってダートの自主練習でもしておこう。

自転車豆知識

〈シートポスト〉

サドルの下の支柱のこと。この部分にサドルバックやライトなどをつけたりする。自転車購入時は、シートポストがフレームから出ている部分が少なすぎないよう注意。後悔するかも。

〈スプロケット〉

歯車のこと。自転車ではこの歯車の大きさの組み合わせでギア比が変わる。スポーツ自転車では前と後ろの二ヵ所ついていることが多い。


雨の後のメンテナンスはとても面倒なので嫌いです。

読んでいただきありがとうございます。

だれか、自転車を始めた方いらっしゃいませんかー。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 相棒の声が恐ろしい。自転車乗りとしては納得だけどね。 [一言] 雨は走らない。まあ私の場合、微妙な時は折り畳みで帰りは輪行というやり方で走らという方法ですが。
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