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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第四章:テンタクルの街より
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物資補給

 休み明け、例の冒険者達は11階層を探索していた。本当なら10階層のボスでもヒナと狩ろうかと思っていたが出入り口の監視はやっぱり今回もいたので13階層のオアシスでヒナは狩りを私はフィールドディアの料理を作って適当な時間まで過ごした。昨日までに準備は完了しているので特に問題は無い。

 そしていよいよ決行の日。私とヒナはジンさん達のいるオアシスへ向かった。そこにはジンさんではなくニールさんが1人でいた。

 ニールさんは私とヒナを認めると合図をしたようで地面から他の3人が出てきた。


「お待たせしました。」

「いや、早く出すぎても危険性が高まるだけだ。気にするな。」


 ニールさんが自分の装備を改めて点検しながら答える。


「要望のあった品物はこのアイテムバッグにすべて3等分して入れてあります。あとでジンさん達が持っているマジックバッグに適当に分配しておいてください。」

「ありがとな、タイチ。」


 ジンさんが3つのマジックバッグを受け取りユーリさんとリイナさんに渡していく。


「あ、後はこんなものも用意しました。」


 自分のマジックバッグから数種類の魔板を取り出す。


「なんだ、それは?」

「見たことがないわね。」

「魔術的な回路のように見えますね。」


 おお、ユーリさんはこっち方面も詳しいのか?


「ユーリ様、正解です。独自開発した使い捨ての魔道具で魔板って言います。ちょっと見ていてくださいね。」


 爆発する魔板を取り出しちょっと離れた地面に投げつける。

 地面に叩きつけられた魔板が反応し、爆発を起こして砂が巻き上がる。ちゃんと風上なので特に影響は無い。


「という感じで投げつけると爆発します。爆発すると変形してしまうので2度と使えませんが。あとこっちはクリーンが使えますから気持ちが悪い時に。これは魔力を注げば10回くらいは繰り返し使えます。あとこっちはぶつかると火が出て、こっちは水が出ますね。リイナさんがいるんでヒールについては入れていません。ポーションもありますし。」


 それぞれ布に包まれた魔板を取り出しながら説明していく。会っていないうちの成果発表のようでちょっと張り切っていたのだが4人ともこちらを見たまま反応がない。


「どうかしましたか?」

「たぶんタイチの非常識さに思考がついていっていないニャ。」


 ヒナがさもありなんといった顔でこちらを見ている。技術的には難しいかもしれないが理論的には誰でも作れるはずだぞ。原料はスライムと魔石と鉄の板だし。

 最初にこちらに戻ってきたのはリイナさんだった。


「えっと、タイチ。この爆発する板って何枚くらいあるの?」

「だいたい200枚くらいです。」


 リイナさんがジンさんを引っ張って魔板の前に連れてくる。


「ジン、管理 ヨ ロ シ ク。」

「冗談じゃねえ、こんな危険物を1人で全部持てるかよ。」


 ジンさんがぶんぶんと首を振る。本気で嫌そうだ。


「大丈夫ですよ。落とさなければ爆発しませんし。」

「それが怖いんだよ!」

「ちなみにタイチはそれを一度に爆破させて初級迷宮の30階層のボス部屋の雑魚を皆殺しにしたニャ。」

「いや、あれは不慮の事故というか。」


 ヒナの発言があった瞬間、シーンとしたあと4人がざわざわし出す。


「おい、タイチがやばくなってるぞ。」

「やっぱりアンさんのせい?」

「そうだろうな。」

「えっ、自分のおかしさに気が付いていないんですか?」

「アンさんがバケモンだしな。」

「ジン、滅多なこと言わないの!」

「命取りだぞ。」


 小さな声だが特に他に音もないので漏れ聞こえるのだが結構なことを言われているな。今更気にしても仕方がないので放置しよう。話も進まないし。


「まあとりあえずこれはジンさんの袋に入れるとして。」

「おい、やめろ。タイチ。」


 ジンさんのマジックバッグに爆発の魔板をぐいっと入れ込もうとする。


「あとは確認なんですけど毒っていります?」

「やめろって!って毒だと!!」


 抵抗していたジンさんが驚いた表情をして動きが止まったのでちゃんと魔板をマジックバッグに収納できた。


「あっ。」

「ジン、頼んだわね。」

「師匠、よろしくお願いします。」

「こういう時だけ師匠呼びすんじゃねえ!!」


 そうは言ったもののジンさんは結局管理することを引き受けたようだ。


「えっと、毒は種類的には麻痺毒です。ちょっと強力でダートのような針で一刺しすれば3日は動けないって言う品ですけど。あっ、熱を入れれば毒は抜けるので狩りにも使えますよ。実証実験済みです。」

「「「「・・・」」」」


 なぜか皆の見ている目が冷たい気がする。


「これもジンね。」

「あー、もういいや。全部俺が管理するよ。」


 ジンさんが遠い目をしていたのが印象的だった。





「じゃあ私が先行、ヒナがジンさん達と一緒に1キロぐらい後方からついて来る感じで行こう。」

「了解ニャ。」

「1人で大丈夫か?」

「はい、私が追われているわけではないですし。」

「そういう意味ではないんだがな。」


 はぁとため息をついたニールさんの肩をボンボンとリイナさんが叩く。


「それじゃあ行きます。(ルージュ、何かあったら呼ぶから。)」

(りょーかーい。)


 マウンテンバイクのルージュに乗り時速10キロ程度のゆっくりとした速度で進んでいく。小走り程度の速度だ。ユーリさんは大丈夫かと思ったのだがこの1年間ジンさんを師匠として鍛えてきたらしくLvも32となかなか高かったため問題なしと判断した。

 先行しジンさん達に向かいそうな魔物を排除し、アイテムボックスに収納しつつ進んでいく。人との接触はなるべく避けるようにマップに反応があったら大きく迂回する。いつもの進行速度に比べ遅々として進まないが、懸案であった11階層の冒険者達もすでに帰っていたため特に問題が起こることもなく、数回の休憩を挟みつつ午後8時ごろに目的の3階層へ到着することが出来た。


 合流した時、ジンさん達が平気な顔をしていたことは予想通りだったが、ユーリさんも思ったより平気そうな顔をしていたので疑問に思って聞いてみたのだが、9階層以下が砂漠に比べはるかに楽だったので道中で回復したとのことだった。


「それではまた明日ニャ。」

「ああ、助かった。ありがとよ。」

「いえ、それにしても本当に明日でいいんですか?明々後日この階層であいつらをやり過ごしてから行くという方法もあると思いますが。」


 そうなのだ。休みの日は出入り口を見張っているが、探索しているときはその階層の出入り口を監視しているだけで迷宮の出入り口の見張りはいないはずなのだ。


「いや、タイチの話を聞いて考えたんだが、そんなに大々的に探している奴が迷宮の出入り口という一番簡単な見張り場所をフリーにするわけがない。」

「でも・・・いえ、そうですね。」


 そこに1日中いて監視したわけではない。ただ通る時に不自然な人がいないか調べていただけだ。私やヒナに気づかれないくらいの手練れがいる可能性はある。それならば監視している者がいるとわかっているときの方がましというわけだ。


「見張りはどうしますか?」

「殺す、のが一番確実ではあるんだが下手をすると俺たちが街へ入れなくなる可能性がある。タイチにもらった毒薬でも使うさ。3日アドバンテージがあればなんとかなる。」


 殺すと言った時にユーリさんの肩がびくっと動いた。陰謀渦巻く貴族界では普通の事かと思ったのだがそうではないようだ。

 それにしても予想はしていたが見つかること前提の作戦か。もしかしてニールさん達ならと思っていたがやはり難しそうだ。それならば。


「その役目、私にやらせてもらえませんか?ちょっと試してみたいこともあるので。」

「いや、相手は仮にも4級冒険者だ。危険すぎる。」

「ヒナにもフォローしてもらうつもりですし安全策は取るつもりです。」


 真剣な表情で見つめる。目をそらさず、ずっと見ていると、やがてニールさんの表情がふっと和らいだ。


「わかった。信じよう。」


 その後、明日の予定の最終的な打ち合わせをしてジンさん達と別れた。さて今日はまだまだ忙しくなりそうだ。

主人公は危険物ばっかり製造している気がします。

いつか捕まりますね。

呼んでくださりありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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