訓練開始!!
昨日は200ユニーク記念で合計二話投稿しています。
ご注意下さい。
クロスバイクとは
トレッキングバイク、コンフォートクロスなど様々な呼ばれ方をする自転車のことである。マウンテンバイクとロートバイクの中間の性質をもった自転車であり、砂利道でも走れるフレーム、一般の自転車と同じようなフラットバーハンドル、オンロードにおける一般自転車とは一線を画する走破性を持つ自転車である。
最大の魅力は普通の自転車とあまり違和感なく乗ることができ、それでいて多段のギアを使用することによって、より快適に、より早く、より遠くへ連れ出してくれる点であろう。
走行推奨最大距離は個人にもよるが100km程度。
注意点として車種によってペダルがないことがあり、泥除け、スタンドは装備されていないものの方が多いため、通勤や雨の日の走行を目的とする場合は別途購入する必要がある。
また空気を入れる部分のバルブが一般の自転車と違い、特殊なバルブを使用していることが多く、専用の空気入れが必要になる。
もちろん、ライト、ベル、鍵なども付属していないため、購入する場合は本体金額以外に1万円程度、付属品のために使う余裕を持った方が良いだろう。
車種の範囲が広く、ロードバイク寄りのもの、マウンテンバイク寄りのもの、シティサイクル(ママチャリ)とほぼ変わらないものなどメーカーによって違いがある。
日本のように路面がほぼアスファルトで滑らかな場合は、ロードバイク寄りのクロスバイクを選択すると快適な走行が可能だ。
選択に迷う場合は実際に自転車店などで試乗することをお勧めするが、6万円以上の有名メーカーのものであれば、どれを選んでも特に心配をする必要は無い。
相棒となるものなので見た目などのフィーリングで選ぶのも手だ。結局は乗りたいかどうかという気持ちだ。
通販で買う場合の注意点として、自転車整備をできる技能がある、もしくはできる技能がある人が身近にいることが必須である。
一度友人がネット通販で買ったものを整備したが、ホイールはゆがんでおり、ブレーキはタイヤに接触しており、グリスは過度に塗られ、ワイヤーは外れていた。
一度すべてを分解し、整備して組み立てしなおすために3時間程度かかった。
ここまでひどい例はあまりないと思うが、こちらに知識がないとなめてかかる業者がいることを忘れないでほしい。
またクロスバイクを買わずに最初からロードバイクにそのお金を回した方がいいという意見があるが、個人的には初心者はクロスバイクを買うべきだと考える。
一般の自転車からすぐにロードバイクに乗り換えるのは、操作性や姿勢、ペダルの関係で敷居が高く、楽しくなる前に苦しくてやめてしまう可能性がある。
違和感の少ないクロスバイクでも十分に今までの自転車という概念を変えることができ、そしてあなたを新しい世界へ連れて行ってくれるだろう。
あぁ、また全く関係のないことを考えてしまった。
今、私はアンさんの訓練メニュー第一弾のランニングの最中だ。ただのランニングではなくコースの中にある10個の目印を発見しながら走る訓練だ。全長2kmのコースをすべて発見するまで永遠と走り続けなければいけない鬼訓練だ。
しかもあまりに周回が遅いとアンさんが判断すると目印の位置を変えられてしまう。ここは地獄か。
一定以上の速度で走りながら周囲を確認し、さらに他の人に迷惑にならないように走るのでかなりの集中力が必要だ。3週目で9個まで見つけたが、残り1個が見つからず6週目で周回が遅いため2つの目印が変更された。
10週目あたりから集中力が切れ、ただ走るだけになってしまった。目印を見つけなければと思うのだけれど、苦しさから好きなことでも考えなければ走っていられなくなり、そのせいでまた見つからないと悪循環になっている。
13周を走りきったところで体力が尽き、アンさんの前で倒れこむ。
「・・・」
アンさんが何か言っているが聞こえない。心臓の音がうるさい。
「・・・、目印は見つかりましたか、タイチ?」
しばらくして何とか聞こえてくる、返事をしようとしたが息が苦しくてなかなかできない。
「す、みま、せん。みつか、ら、なかっ、た、です。」
息もきれぎれに返事をする。
「それではもう一周・・・と言いたいところですが無理そうなので次の訓練に進みます。」
「今、すぐ、で、すか?」
「すぐです。」
頷いて了解と伝え、ついて行く。
異世界から来た私には無茶な訓練のように思えるが、こちらの世界では普通なのか?
フォレストウルフを簡単に討伐するジンさん達を考えるとそうなのかもしれない。なにせステータスなんてあるしな。
アンさんに訓練をお願いしたことを若干後悔しながら、朝からのことを振り返ってみる。
昨日と同じように朝早く起き、ギルドで配達の仕事を受けた。ルートを変更したことによって特にトラブルなく配達を終えることが出来た。
お腹もすいていたので南門の親父さんの宿へ行き朝食を食べ、家に戻ってルージュの整備を行った。
その後、ギルドの2階の図書室で前日と同じように本を読み、休憩時間にやってきたキナさんと話したりしながら過ごし、昼ごろに家に戻った。
ジンさん達はすでに出発していたため、アンさんと二人の昼食だった。そういえば二人で食事をとるのは初めてのことだった。
食事の片づけも終わり、アンさんから今後の方針が提示された。
「タイチから聞いたステータス、スキルを考えると、冒険者として生きていくならば「シーフ」を目指すべきだと思うわ。」
「生きるためとはいえさすがに盗賊にはなりたくないんですが。」
「言い方が悪かったわね。盗賊とシーフは全く違うわよ。シーフは物を盗んだりしないわ。索敵、罠の発見、宝箱の開錠などパーティの生存率、成功率に大きくかかわる重要な職業よ。一人で行動するにしても生存率は高くなると思うわ。」
「軍でいう斥候のようなものですか?」
「そのとおりよ。シーフの人に盗賊っていうと、ものすごく怒られるから注意しなさい。」
「はい、注意します。」
確かに何もしていないのに犯罪者扱いだもんな、それこそ怒鳴られてもしょうがないな。
「大きな目標はそれでいいとして、訓練はどんなことをするんですか?」
「うーん、タイチの場合、シーフの訓練以前に基礎体力などをつける必要があるのよね。だからまずはランニングから始めましょう。」
「わかりました、よろしくお願いします。」
結果、全然わかっていませんでした。異世界の基準はきつ過ぎる。
アンさんについて屋敷の地下へと進む。というかこの屋敷地下なんてあったんだな。
妙につるつるした土壁の部屋で広さは縦20メートル、横10メートルぐらいだ。天井は高く、ところどころに柱が立っておりこの柱が屋敷を支えているのだろう。
「シーフの使う武器の一つにダートがあります。まあ手投げ式の矢のようなものです。ここから投げてあの的に当ててください。」
「あの的って15メートルは先ですけど。」
「左右両方の手で投げて当てたら終了です。始めてください。」
有無を言わさぬアンさんの態度に訓練を開始する。ダートは前の世界でもおなじみのダーツの矢だ。お祭りでしかやったことがないので何とも言えないが、前の世界とは全く違う。重みがあり、投げやすそうではあるがテレビで見たようにひじから先で投げるような方法では届かない。
思いっきり投げるしかないのだが目標の的は30センチあるかどうかだ。
右手で投げたダートはなんとか届くのだが的に当たるわけもなく壁にさえ刺さらないものも多い。左手にいたっては届きもしていない。左右で20本投げた段階で可能性さえ感じられなかった。
「これは本当に出来るのですか?」
「できますよ。」
アンさんが左右の手にダートを持つと、左手、続いて右手とダートを投げる。そしてほぼ同時に的に的中する。
「腕が落ちましたね。左が中心から外れました。」
「いやいやいや、すごいです。メイド長。でもこんなことが私にできるようになるのでしょうか?」
「努力すれば必ず成長します。私を疑うのですか?」
「いえ、滅相もありません。」
その後も訓練を続けたが、一本も当たらず腕が上がらなくなった段階で訓練は終了した。
2階の倉庫へ行き、アイテムボックスで収納を行い、MPを枯渇させて気絶した後、夕食で起こされ上がらない腕と動かない足に難儀しながら食事を終えた。
手伝いはいらないと言われたので水浴びをし、ベッドに倒れこみすぐに眠りについた。情報の整理をするどころではなく体を回復させることだけしか出来なかった。
これからの訓練耐えられるんだろうか。
クロスバイクのおすすめを書いていたら3000文字を超えてしまったので3分の2をカットしました。
自転車の楽しみを知る人が増えればいいなと思ってます。
読んでくださってありがとうございます。
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