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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第四章:テンタクルの街より
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発見

 2日の休暇を挟んで探索9日目、現在18階層を探索中だ。休暇中はロンソさんのところで新しい調薬を教えてもらったり、なぜかノノに初級迷宮に連れていかれたりと休んだのか休んでいないのかわからないが充実した休暇にはなった。


「それにしても本当に誰にも会わないな。」


 いつもならここで「そうだね-」とかルージュが言ってくれるのだが今は1人なんだよな。自分から分かれて探そうと言いだしておいてなんだが、段々と独り言が多くなってきた気がする。これはまずい。21階層からは一緒に探すように提案してみよう。

 それはそうとこの砂漠の階層に入ってからほぼ他の冒険者と会っていない。まあ中級迷宮に入っている人数自体が初級迷宮に比べて段違いに少ないというのも一因ではあるのだがもう1つ大きな原因がある。それは21階層からが森の階層で中級ポーションの材料になる薬秘草やこの迷宮でしか取れないバナナやマンゴーといった果物を採取することが出来るためだ。

 この砂漠の階層は環境もきつく、魔物も毒持ちなどの癖の強いものが多く倒すのに苦労する割には素材の買い取りは安いと言ういわゆるはずれの階層だそうだ。ちなみに40階層は氷原らしく、こちらも環境が厳しいためはずれと言われている。一応毛皮に需要があるらしいが。


 そんなことを考えながら走っているとマップに魔物の反応があらわれる。見た感じどこにも魔物がいるようには見えない。相変わらず岩や石がごろごろした不毛の大地だ。

 1メートルほどのごつごつした岩に対して土製ダートを投擲する。岩にぶつかりダートが砕け、そして岩が凹んだ。

 キチキチキチキチと嫌な音を立てながら岩が魔物へと変化していく。


<ロックスコーピオン>

 砂漠や岩山に良く住むサソリ型の魔物。岩に擬態し近づいてきた生き物を毒で動けなくしたうえではさみで切断し捕食する。体は岩のように固く生命力が高い。

 個体クラス 6級

 食用となる部分は少なく、その部位は精力増進効果があると言われる。貴族の間などで薬として人気がある。自信が無くなったらおすすめ。


 知識さん、自信が無くなった時って具体的に何のことですかね。ナニのことですよね、わかります。まあ私にはしばらく関係なさそうだ。


 こっちから仕掛けといて何だが私とこのロックスコーピオンの相性は良くない。土製のダートはその表面を凹ませるだけで大きなダメージにはならないし、一度ワクコのダートを投げたらちょっと曲がってしまったのでこいつには使いたくない。生半可な攻撃手段では傷さえつかないのだ。

 ちなみにヒナは関節部分を普通に切り落としていました。

 まあそんな真似は私には出来ないのでどうするかというと・・・。


 まずアイテムボックスから土塊を取出しその上に上ります。

 次に下をうろうろしているロックスコーピオン目がけてドラゴンのレオノールのしっぼさえ切り落としたギロチンを投下します。

 はい、終了。

 下には見事に真っ二つに切断されたロックスコーピオンが。ここで近づきたいところですが実はまだこいつは生きています。しばらく待ってマップで死亡を確認したうえで近づきます。


 ロックスコーピオンはその頑丈さゆえ重く、垂直の壁を登るようなまねは出来ない。まあある意味安全地帯が作りやすい魔物ともいえる。私にとっては貴重な毒の採取源だ。

 解体して毒と魔石だけを採取しその他の素材は放置する。一応ロックスコーピオンの外殻を使った防具などもあるのだがヒナと私はどちらかといえばスピードで勝負するタイプだ。頑丈だが重いその装備を使うことは無い。ギルドの買い取りに出せばお金にはなるのだが、私もヒナもかなりの金額を稼いでいるので面倒くさいと言うのが先に来る。もしお金が必要になったらボス周回すればもっと早くお金は貯まるし。


 時々魔物を倒して毒を採取しながら進んでいるとマップに大量の赤い点が固まっている地区があった。ツインキャメルの群れかなとも思ったのだが動いていないためそうではないようだ。マップで確認してみると表示された魔物の名はサンドワーム。この階層で一番厄介な私にとっての大敵ともいえる魔物だった。


<サンドワーム>

 砂漠に生息する巨大なミミズのような魔物。目はほぼ見えず振動を感知し襲い掛かってくる。罠を張りアリジゴクのように獲物を待つこともある。

 個体クラス 6級

 見た目に反して肉は美味。妙め物から煮物までなんにでも使える万能食材。


 うん、確かに美味しいんだよ。この情報があったから1匹ヒナがしとめて料理させられたから。解体した時のあのふにょっとした感触がよみがえる。独特の食感だが噛むと肉汁が溢れる非常にジューシーな肉でした。何の肉なのか知らないで食べたらもっと美味しかっただろう。ちくしょうめ!


 メルリスでも人気のようだ。依頼の掲示板にはいつでもこの肉の納入依頼がどこかしらの店から出ていることからもわかる。実物を知らないって幸せかもしれない。


 どうしようかな。このまま直進すれば群れに突っ込んで大変なことになるのは目に見えている。あいつら自転車が走る振動を感知して追ってくるからな。倒そうとしても基本的には土の中に居て、攻撃するときだけ地上に顔を出すから面倒くさい。もぐら叩きでもしている気分になる。しかも執念深く一度ターゲットにされるとどんなに引き離しても駄目という困った魔物なのだ。


 30匹程度が弧を描くようにして600メートル程度の範囲に集団を作っている。よしちょっと大回りして気づかれない程度遠くからマップを確認するだけするか、そう決めてマウンテンバイクを踏み出したときマップに黄色い点が表示された。

 それを確認して、それでもなお思考が追いついていかず何度もマップを確認する。何度見ても黄色い点はそこにある。探し続けていた人がそこにいる。


 ジンさんだ!!


 ジンさんの周囲には人がいる気配はない。動いているのでどこかに移動中のようだ。慌ててルージュを叩く。


(どうしたの、タイチ。)

「いた。」

(えっ?)

「ジンさんだ。」

(あっ、本当だね。)


 ルージュの以外に淡白な反応にちょっと冷静さを取り戻す。


「とりあえず私はジンさんをつける。会うならヒナと一緒の方がいいと思うし。」

(りょーかーい。じゃあヒナを呼んでくるね。)

「頼んだ。」


 ジンさんを見失わないように注意しながら後をつける。ジンさんはあれでも経験豊富な冒険者だ。なぜかアンさんに叩きのめされているイメージしかないけれど。

 近づけば気づかれると思ったほうが良い。私だとわかってくれればいいがそうでない場合私の知らないような手段で逃げられる可能性がある。そうなってしまってはまた捜索をし直さなければいけなくなってしまう。なるべく他の3人と合流したあとでヒナと一緒に会いにいくのがいいだろう。話を一度にできる利点もあるし。


 ジンさんはサンドワームの隙間を縫うように走っていると思うのだが全くサンドワームが反応する様子は見えない。私がマウンテンバイクで走ったらたぶん数匹は後を追いかけてきているはずだ。まだまだ実力差がありそうだ。まあマップという便利な能力が使える分なんとかなっているが。

 しばらく後をついていくとマップの端の方に小さなオアシスがあり、そこに他の3人もいるようだ。ルージュに伝え、ヒナを待つ。いよいよ再会だ。

そろそろ物語が動き出しそうな予感です。

とはいいつつゆっくり展開になる気もしますが。

読んでくださりありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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