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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第四章:テンタクルの街より
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鹿の解体と料理

解体シーンがちょっとグロイかもです。

嫌いな方は最初の方を読み飛ばしてください。

昨日は記念投稿で二話投稿しています。ご注意ください。

 まずは解体からだな。血抜きは終わっているようだし。

 吊るしていた子供のフィールドディアを持ってきて切る場所周囲の毛を処理した後、首筋から肛門の手前までナイフで切れ込みを入れていく。この時あまり力を入れすぎて内蔵まで傷つけると菌が移ってしまい食べられなくなるので注意する。慎重にナイフで少しずつ切る。次に肋骨の接続部分を手探りで探し、その軟骨部分をナイフで刺し肋骨をパキッと外す。うまくいくときれいに外れるのでちょっと快感だ。次に恥骨の中心にナイフを入れ、切れ目を入れてから足を押さえて骨盤を割る。これで下準備は完了だ。


「ヒナ、ちょっと前足押さえてて。」

「了解ニャ。」


 食道や気管を引っ張り出し、胸部からは両手を突っ込んで一気に内蔵を取り出していく。最後に残る腸は周辺の肛門部分も一緒に外す。これも菌が移らないようにするためだ。

 うむ、まごうことなきグロテスクな状況だ。前の世界からある程度耐性があったおかげでこの世界でこんなことをしても慣れるのが早かったが、そうじゃなかったらしばらく肉が食べられなくなるような光景だな。匂いもするし。


 次は皮剥ぎだ。

 内臓部分を水洗いした後、足4本それぞれに付け根と足先部分をぐるっと一周ナイフで切れ込みを入れ、その後付け根のナイフで切った部分から先ほど内臓を取り出すために切ったところまで切れ込みを入れる。その後首のところの皮を両手で持ち、ヒナと反対方向に引っ張り皮を剥がしていく。メリメリと皮が剥がれていき鹿の皮の絨毯が出来上がる。傷もないし売り物になるだろう。あとは足の部分の皮も同様に外して終了だ。所要時間は3分程度。結構簡単だ。目の前にはピンクと白が混ざった肉が鎮座している。


「ヒナ、ありがとう。後は大丈夫だ。たぶん血の匂いにつられてフィールドウルフとかがやってくると思うから警戒してあげておいて。」

「了解ニャ。早くするニャ。」


 はい、もうお腹がペコペコですね。運動したからね。

 本当は全部解体して肉にしてしまおうと思っていたのだがヒナの状況を見るにそんな時間は無さそうなので、背ロース部分を切り出しほかの部分はアイテムボックスに収納しておく。すじが多いから全部処理すると時間がかかってヒナの機嫌が悪くなるからな。


 ロースの一部をブロックで切り取り、しょうがと胡椒をすり込んで30分ぐらい放置する。

 その間に塩コショウで下味をつけて片栗粉をまぶした一口大のロースをフライパンで両面焼く。いい匂いが辺りに立ち込めヒナがしきりにこちらを見ている。ちゃんと監視してなさい。

 玉ねぎをバターで炒め小麦粉、牛乳を入れコトコト煮る。そこに下茹でしておいた野菜と焼いた肉を投入し生クリームを入れ、味を整えれば簡単美味しいフィールドディアのシチューの完成だ。

 そうこうしていると30分経ったので、フライパンに油とスライスしたにんにくを入れ匂いづけをする。にんにくの独特の香りが広がる。お腹がすく匂いだ。にんにくを取り出しロースの表面にこんがりと焼き色がつくまでしっかり焼く。粗熱を取ったら紐でぐるぐる巻きにしてスライムの液体を固めたものに包みさらにその上からひもで縛る。そしてロースを沸騰しない程度のお湯の鍋に投入。20分ほど茹でたら冷やして鹿肉のローストの出来上がりの予定だ。


 鍋で茹でられているロースを見ながらサラダを作っているとヒナがこちらにやってきた。


「タイチ、まだかニャ?」

「あと15分くらいかな。」

「お腹が減ったニャ。」


 ヒナは鍋に入っているロースをじっと見ている。なんかもうすぐもうこれでいいから食べるニャとかいいそうだ。なんとなくナイフとスプーンをヒナが持って机をとんとんしているような気がする。


「ちょっと待って。手早く何か作るから。」

「・・・わかったニャ。」


 残っていたロースを1センチ程度に切り、塩と胡椒で下味をつけフライパンで焼いていく。じゅっと言う音とともにヒナのぐーっと言うお腹の音も聞こえる。たしかにいい匂いだ。肉に良く火が通ったら一度皿にあげ、そのフライパンに白ワイン、醤油、砂糖を入れる。よくフランス料理とかでフランベとか見るけど、まあそのままでもアルコールは飛ばせるので問題なし。できたソースを肉にかければフィールドディアの一口ステーキの出来上がりだ。

 付け合せにパンでも切っておけばいいだろう。



「はい、とりあえずシチューとこれでも食べてて。あっ、食べる前にあの3人も呼んできてね。」

「わかったニャ。すぐ行くニャ。」


 ヒナがかつてないほどの速さで3人の方へ向かっていく。縮地使ってないよな。

 お盆の上に4人分のシチューとステーキとサラダを取り分けておく。パンは・・・まあそのまま置いておいてナイフで勝手に切るようにすればいいか。


「呼んできたニャ。じゃあいただくニャ。」

「はい、どうぞ。」


 呼んできたのは確かだけど一人で先に帰ってきたんだね。まあ別にいいけど。しかも私がヒナ用にと思って少し多めに取り分けたやつをちゃんと選んでいるね。予想通りだよ!

 それにしてもローストディアでいいのか?を作ろうと思ったのは失敗だったな。なんとなく鹿肉=ローストってイメージだったから作ったが調理時間を考えてなかった。まあ自分が食べたかったから別にいいか。ちゃんとルージュの分は確保するつもりだ。後が怖いしな。


「俺たちもいいのか?」

「まああなた達にだけ働かせてこちらだけご飯っていうのもなんなので。」

「おいしいから早く食べるといいニャ。」

「じゃあ遠慮なく・・・ってうめぇ!!」


 モヒカン達3人はしばらくうまいっと連呼していたが、食べることに集中し始めたみたいで無言で料理をかっこんでいる。そこまで喜ばれると作ったかいがあったというものだ。

 私自身は後片付けをしながら時々食べている。まあ行儀は悪いが効率的だし。

 20分経ったのでローストを取り出し、鍋に水魔法で作っておいた氷をアイテムボックスから取り出して投入しそこにタオルで包んだローストを入れしばらく待つ。ヒナが3杯目のシチューを食べだしたころにやっとローストディアが出来上がった。

 スライスして皿に並べて持って行ったところ奪い合いのようになりすぐになくなった。うん、あらかじめルージュの分を取っておいてよかった。あとでルージュと一緒に食べよう。


「ぷはぁ、タイチ美味しかったニャ。」

「はい、どういたしまして。」

「うまかったぜ。兄ちゃんは料理人なのか?」

「いえ、ただのシーフです。」

「料理用の魔道具をそんなに持っているのにか?」

「ああ、これは・・・まあ縁がありまして。」


 迷宮の秘密の部屋から借りてきたなんて言えないしな。

 モヒカン達3人はリーダーのファイ、仲間のフィド、プラトという冒険者のパーティだそうだ。モヒカンにしているのは、なぜかプラトの髪の毛がその部分しか生えないらしく気にしていたので、ファイとフィドが同じ髪形にしたという一番の疑問点に対する答えも聞いた。ヒナがなんでそんな髪形をしてるニャ?と言ったときはちょっと心臓が止まるかと思った。そして話し終えたとたんプラトが2人の男気に泣き、それにつられて2人も泣くという収拾のつかない事態に一時なってしまった。責任とってくれ、ヒナ。


「まあそんなわけで俺たちは中級迷宮で探索中だったんだが、はぐれたフィールドディアを食べようと思って攻撃したら近くに群れがいたようでな、逃げ回っているうちにどんどん増えてどうしようも無くなったって訳だ。」

「ふうん、大変だったニャ。」


 私が初級迷宮のクリアした時の話を事実をだいぶぼやかしながら話すとファイ達もクリアから今回のことまでの話をしてくれた。まあ予想通り4級のパーティの魔法使いに踏破を手伝ってもらったそうで、そのお礼に探索を手伝っているそうだ。

 情報も得たし、洗い物も終わったからそろそろかな。


「じゃあそろそろ行きます。」

「おいおい、肉とか皮とかまだまだいっぱいあるがいいのか?」

「さっきもらった肉と魔石だけで十分ニャ。ファイ達が欲しいのなら持って行くといいニャ。」

「あっ、フィールドウルフが寄ってくると思うので注意してくださいね。そういえば9階層への階段ってどっちの方にあります?」

「ああ、階段なら北西の方向だ。大体あっちの方だな。」


 ファイが指差した方向には私が落とした地面が鎮座していた。うん、直してから行こう。適当な呪文を唱えアイテムボックスに地面を回収し元の場所へ戻す。証拠隠滅完了だ。


「じゃあまた何かあれば。」

「ああ、この恩は忘れねえ。」

「別にいいニャ。」


 9階層の階段へ向かって走っていく。道中こちらに向かってくるフィールドウルフの集団がいたので倒しておいた。さて9階層の探索は何事もなく終わるといいが。

何か悩みがあると無性に料理がしたくなります。

そしてそれを食べるから太ると言う悪循環、自転車に乗らなければメタボにひっかかりそうです。

読んでくださってありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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