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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第一章:イーリスの街にて
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爆弾

時間もあったので200ユニーク記念投稿です。

本日二話目なのでご注意下さい。

「爆発って、あのドーンとかバーンとかのですか?」

「フフッ、そうね。ドーンとかバーンの爆発よ。」


 アンさんがちょっとおかしそうに笑う。あまりに驚きすぎて音でしかとっさに表現できなかったんだ。

 顔が熱くなり赤くなっているのがわかる。


「でも、どうして?」

「はっきりとした理由はわからないわ。でも経験上アイテムボックス内に入っているものが多いほど爆発の規模も大きくなることが分かっているの。逆に何も入っていないときは爆発しないわね。」


 そういえばアイテムボックスは異空間にあるって先輩さんが言っていたから、死ぬとそれを維持することが出来なくなって、中に入っていたものが爆発という形で元の世界に戻ってきてしまうのだろうか。


「さて、タイチ。こんな性質のあるアイテムボックスもちが、どんなことに利用されたのかわかるかしら?」


 物をたくさん運ぶことが出来る。さらに時間も遅くなる。普通に考えれば商品などの輸送だが、死ぬと爆発するは関係無いし。あれっ、利用される?アンさんはさっき利用されると言った。利用するとしたら誰が・・・。


「もしかして、戦争や暗殺ですか?」

「本当に頭の回転が速いわね。そうよ。公式には伏せられているけれど50年ほど前、ある国が密かにアイテムボックスもちの人を誘拐し、奴隷化して戦争に参加させたの。最初は兵糧などを運ぶ人員として。でも徐々に劣勢になったその国の首脳陣は決断を下したの。」

「まさか?」

「おそらくタイチが想像した通りよ。アイテムボックスもちの人を敵陣に突入させて殺させる、または敵国に侵入させたうえで自殺させられたの。」

「奴隷ってそこまで強制させられるんですか?」

「いくら奴隷でも自殺まではさせられないわ。家族を盾に脅されたり、ひどい人は目を潰され、両手を切られたうえで戦場に放り出され味方からの攻撃で殺されたわ。」

「ひどい。」

「そうね、結局その国は滅んだのだけれど、あまりにその非人道的な方法に各国の首脳はその情報を隠ぺいしたの。だから知っているのは一部の人間、でも逆に言えば一部の人間にはその有益性と危険性が知られているの。」

「それがニールさんの言っていたアイテムボックスを隠せという理由なんですね。」

「ニール達には本当の理由を私から教えましたからね。一般的には、言うことを聞かなかったり、スキルを話しちゃう悪い子は魔王にさらわれちゃうぞ、って子供に言い聞かせる怖い話として広がっているわ。アイテムボックスのスキルを知られないように、そして利用されないようにという本当の理由は隠してね。」


 子供の頃から躾けることによって、他人にスキルを話すのが危ないという習慣になり、情報の広がるのを防いでいるわけだな。魔王=なまはげってところか。


「隠す理由はわかったわね。そしてアイテムボックスもちが死ぬと爆発するというのは一般にも知られているから、冒険者として活動するにしてもデメリットがあるわ。」

「仲間が出来ない、死んだら仲間を巻き込む可能性があるから、ですね。」

「そうね、誰だって爆弾と一緒に戦いたくはないでしょう。」


 アンさんが自嘲するような薄笑いを浮かべる。きっと今までいろいろとあったのだろう。


「そして、大切な人を巻き込む可能性もあるわ。だから、タイチ。私はすべての経験をあなたに伝えようと思います。あなたが後悔しないように。」

「はい、メイド長。よろしくお願いします。」


 アンさんに対して頭を深く下げる。同じアイテムボックスもちとして、いろいろ経験し、苦悩し、努力してきたであろうアンさんだからこそ私がこの世界で生きていく道しるべになるだろう。


 さっそく訓練をしたいと思ったが、今日はもうだめで、しばらくは基礎訓練と今の仕事をすることになるとのことであった。これから毎日、気絶するまでアイテムボックスを使い、休憩するのが日課と決まった。


「それではタイチ、もう休みなさい。夕食の時間には起こします。最後にステータスを教えてもらえるかしら、訓練の方針を決めたいわ。」

「ちょっと待ってください。ステータス。」


 名前:タイチ

 年齢:15

 職業:冒険者

 称号:-


 Lv:1

 HP:70/70 MP:7/84

 攻撃力:80   防御力:85

 魔力:84    賢さ:183

 素早さ:105  器用さ:131

 運:15


 ―スキル―

「アイテムボックス Lv1」「マップ Lv1」「知識 Lv1」


 ――

 耐久:95/100

 土魔法 Lv1

 DP:112


 よかった。存在自体を忘れていたけれど普通に表示された。前の世界には無かったからな。

 アンさんに表示されたステータスを見てもらおうとしたがアンさんにはウィンドウは見えないらしい。ステータスは自分専用で他人からは見えなくなっているそうだ。


 仕方がないのでステータスを見ながらアンさんに伝えていく。Lvが上がっていないのに前に見た時よりもステータスが上がっていることが疑問だったので聞いてみると、勉強や訓練によってステータスは上がると教えてもらった。


「ただ、レベルは他の生物の命を奪わない限り上がらないの。筆頭は魔物だけれど、その他の生き物でも効率は悪いけれど上がるわ。だから街の「と殺場」は安全にレベルを上げられる場として人気なのよ。」


 レベルが高いだけのお馬鹿さんなんて必要ないのにね、とアンさんが笑う。と殺場を利用しているという貴族が嫌いなのだろう。外に行けば戦うべき魔物はたくさんいるのだから。


 もしかしてアンさんならわかるかもと「耐久」「DP」についても聞いてみたが知らないそうだ。そして信頼できる人以外には絶対に言わないように釘を刺されてしまった。

 しかし「耐久」が減っており、「DP」が増えていることに不安を感じる。「耐久」が0になった時にはどうなってしまうのか?

 とりあえずこれからはこまめにステータスをチェックしてどう変化するのか注意深く観察してみよう。


 ひととおり話が終わり、アンさんは訓練計画を立ててくるわ、と言って嬉しそうに部屋から出て行った。

 その様子に一抹の不安を感じたがアンさんのすることは私の役に立つことだろうとなんとなく自分自身を説得しておいた。


 いろいろ話をして疲れた。

 アイテムボックスの危険性か。ただ単純にものを運べる便利な能力としか思っていなかった。

 先輩さん、説明不足ですよ。


 選んでくれた先輩さんに心の中でちょっと文句を言いながら再び眠りについた。

前半がちょっと重かったかもです。嫌いな人はごめんなさい。

読んでくださってありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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