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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第三章:猫人族の里にて
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閑話:とあるエルフの冒険者

ついに10万PVに達成しました。

本当にありがとうございます。

今日は3話投稿しようと思っています。

「だぁー!何なのよ迷宮って。」


 ウインドカッターでコボルトを切り裂いていく。先頭にいた数匹は切り裂かれてそのまま倒したようだが後から後からどんどんとやってくる。今はまだMPに余裕があるがいつまでこの攻勢が続くかわからない。早めに逃げたほうが良いか。

 もう1度ウインドカッターを放ち、わざと足だけに当てて先頭のコボルトを転ばせる。後ろから来たコボルトが足を斬られて暴れるコボルトにぶつかって転んでいく。ばーか。ばーか。

 そんなことしている場合じゃない。さっさと逃げないと。

 タイチにもらった地図を見ながら階段までの最短経路を確認して走る。なんでこんなことになったんだか。


 今日も1人で迷宮に入り8階層を探索しつつLv上げをしていた。ウインドカッターで遠距離から攻撃できるから私にとってはゴブリンもコボルトも大して変わらない。他の冒険者との競合もあるし、ちょっと報酬がいいからわざわざコボルトを倒していたのだ。

 しばらくはいつも通りだった。ウインドカッターで倒して、魔石とナイフを取りつつ探索を続けていた。そしていきなりコボルトの群れが津波のようにやって来たのだ。まあ津波なんて見たことは無いけど。


 無事に階段に着き、このまま7階層で探索を続けるか、それともギルドに帰って今回のことを報告するか迷う。報告してギルドから褒賞が出ればいいが、出なければ丸損だ。タイチ達に紹介してもらった永遠の木陰亭はいい宿だが宿代が少し高い。余裕のある生活のために少しでもお金を稼いでおきたいところだが・・・。


「仕方がないかな。」


 ギルドへ帰り報告することを選択する。確かに報告は義務ではないが、弱い冒険者が巻き添えで死んでしまっては気分が悪くなる。私のように勇者の仲間になる予定の冒険者でも撤退したのだ。いや、戦っていたら勝っていたから報告のために仕方が無く帰っただけだ。うん、そのはずだ。

 道をふさいでくるゴブリンをウインドカッターで始末しながら、なるべく早く帰るのだった。





「報告ありがとうね。またどっかの馬鹿が引っかかったのかね。」


 ギルドの受付の猫人族のミアさんに8階層でコボルトの大群に会ったこと伝えた。ミアさんによるとおそらくモンスターハウスの罠に誰かがかかったんだろうとのことだった。


「馬鹿ね。」

「そうだね。最近、多いんだよ。シーフでもない奴が開けようとして失敗することが。」


 迷宮の宝箱と言えば冒険者にとって臨時ボーナス、一獲千金のチャンスだ。ただしちゃんと開錠出来る人がいればの話だ。宝箱にはたいてい何らかの罠が仕掛けられていて失敗すると取り返しのつかないことになることが多いとタイチに聞いている。そういえばタイチはシーフだったわね。腕輪も外していたし。


「報告の報酬は後日支払うよ。あんたが一番だからね。」

「ありがとう、じゃあ私は帰るわ。」


 ミアさんが冒険者の手配を始めたので帰ることにした。それにしても運が良かった。これも日ごろの行いがいいせいね。





「ただいまー。」

「おかえりなのですよ、ノノ。」


 モカがしっぽを振りながらパタパタとこっちにやって来る。


「今日は早いのですよ。」

「うん、探索してたらコボルトの群れと遭遇しちゃってね。ギルドに報告するためにすぐに戻ったからね。」

「はぁー、大変だったのですよ。」


 モカが私の頭を撫でてくれる。確かに身長は私の方が低いけど、年齢は倍以上違うからね。でも気持ちがいいからいいや。


「モカはこれからどうするの?」

「勉強の時間は終わったから、洗濯物を取り込んでたたんだら夕食の準備なのですよ。」

「へー、頑張ってね。」

「はい、頑張るのですよ。」


 やる気に満ちた表情で庭の方へ走っていったモカを見送り、2階の自分の部屋に戻る。この部屋は以前はヒナが住んでいたらしい。モカがヒナお姉ちゃんはすぐに部屋を汚すから大変だったのですよと言っていたが今の部屋には当然その汚れは無い。

 服を着替え、きれいに取り換えられているベッドのシーツに腰掛ける。


「はぁー、どうしたもんかね。」


 思わず独り言が出る。タイチにもらった20階層までの地図を見る。罠の位置と種類が描かれていて、今まで歩いた限りは縮尺もほぼ正しい。ギルドの地図よりもよほど使いやすい地図だ。もういらないからとポンッと気前良くくれたがギルドに売れば結構な金額になると思う。

 現在私が探索しているのは8階層。もう少しで初級迷宮最初の難関と言われる10階層のボスに行くことが出来る。


「でもねー。」


 私は魔法使いだ。いや偉大な魔法使い(予定)だ。魔法を使うことには絶大な自信を持っているが近接の戦闘はそこまでではない。というかはっきり言えば弱い。


「仲間が必要よね。」


 自分自身の弱点はよくわかっている。このまま進めばいずれはどこかで行き詰るということも。しかし初日にギルドへ行ったとき、態度の悪い冒険者に子供だとからかわれ周りの冒険者もそれを笑っていたので、なんとなく良い印象が無くていままで組んでこなかった。

 からかった冒険者はミアさんにこっぴどく叱られていたが。そのこともあって今はミアさんの窓口になるべく行くようにしている。


「うーん、明日にでもミアさんに聞いてみよう。」


 ミアさんなら私に合う冒険者を知っているだろう。効率よく強くなるためにはどうしてもパーティを組まなくてはいけないのはわかっていたことだ。私は早く強くならなくちゃいけないんだから。





「と、いうことでミアさん、パーティを紹介してください。」

「まあ、いつ来るかなとは思っていたけどね。」


 翌日、早速ミアさんに相談してみた。一応ギルドにはパーティの斡旋をしてくれる職員もいるのだがミアさんの方が頼りになりそうだし。


「そうねえ、ノノの実力と職業を考えるとどこがいいかねー。」

「あっ、子ども扱いはしない奴らね。あれは屈辱だったわ。」

「悪かったね。ノノはここの冒険者にいい印象が無いでしょ。」

「まあ、そうね。全員がそんな奴らじゃあ無いとはわかっているけどね。」


 わかっていることと気持ちとは別問題だ。


「じゃあ、最近この街に来た冒険者はどうだい?一応信頼は出来ると思うよ。」

「どんな奴らなの?」

「辺境都市イーリスからやって来た冒険者パーティさ。辺境の星っていうね。」


 辺境の星なら辺境で修行すればいいのにって思うけどやっぱりLvアップには迷宮が一番だから仕方がないわね。


「来たばかりなのによく信頼が出来るわね。」

「ああ、この都市のベテランの冒険者の教え子なんだよ。そいつらのお墨付きってやつさ。」

「へー。」


 ミアさんが信頼するくらいだからそのベテラン冒険者はいい冒険者なのね。そっちと組みたい気もするけどLvが違いすぎるのかしらね。


「そうね。1度そのパーティと一緒に戦ってみるわ。そう伝えてもらっていい?」

「わかったよ。」


 ミアさんに伝言をお願いして迷宮へ探索に向かう。地道な努力こそが強くなるための秘訣っていうしね。


 後日ミアさんの紹介で辺境の星の3人と会い、一緒に戦っていくことになった。それがこれから長い付き合いになるチャム、バル、ウォルとの出会いだった。

エルフの冒険者ってなんかいいですよね。

長寿命だから一番強く慣れそうな気がしますし。

読んでくださってありがとうございます。次の話から新章に入ります。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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