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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第一章:イーリスの街にて
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自転車整備と図書館の日

昨日500アクセス達成記念投稿で合わせて二話投稿しています。

ご注意下さい。

 家へ帰ると、アンさんが庭で花壇の手入れをしていた。


「ただいま戻りました。メイド長。」

「おかえりなさい。お仕事はしっかり出来ましたか?」

「はい、ところで今日は倉庫の掃除から始めればいいですか?」

「ちょっと考えたのですが、タイチは冒険者としてお金を稼ぐのですよね。それならば午前中は冒険者として、午後は使用人として仕事をしてもらおうかと思うのだけれど。」

「いいんですか。ありがとうございます。それではギルドへ行って何かないか聞いてみます。」

「ギルドで仕事をするのもいいけれど、街を見て回るのも大切よ。冒険者になるなら知識は多い方がいいですし。そうね、見識を深めるために午前中を使いなさい。」

「ありがとうございます。考えてみます。」


 アンさんと別れ、相棒のルージュの整備をしつつ午前中の予定を考えてみる。今朝の出発前は暗くて灯りもなかったため整備出来なかったのだ。もらったぼろ布で磨きながら異常がないか確認していく。

 倒れた時の傷が多少あるがフレームのゆがみやひびは無さそうだ。ホイールのフレもないし、ブレーキもまだまだすり減っていない。ワイヤーの張りも大丈夫だ。ギア、ディレイラーの異常も無し。タイヤのひび割れ、異物も無し、空気圧も正常だ。

 気になるのは土の地面を走っているからチェーンまわりが少し不安だな。


 それにしても整備道具がないのが致命的だ。今あるのは自転車用の六角レンチセット、プラスドライバー(小)、マイナスドライバー(小)、予備チューブ 1本、バンク修理用応急テープ5枚、携帯用空気入れ(手押し式)だけだ。

 これでは簡単なパンク修理なんかは出来たしても大きな不具合が出た時に修理できるか不安が残る。整備用のオイルとかも無いし。

 せめて転移前に家に置いてあった整備用の工具箱があればな。まぁ、そんなことを言っても無駄か。持ってこられるなら他の自転車5台も欲しいし、ルージュをこの世界用にチューンナップもしたい。


 とりあえず、商店を見てみて代わりに使えそうなものがないか探してみるか。時間が余ったらギルド2階の図書室へ行ってみよう。魔物についての知識を増やすことで、生存確率が上がるだろうし。


 ピカピカになったルージュを見ていると何となく喜んでいるように感じる。サドルをポンポンと叩き、これからもよろしくとお願いした。


「それではメイド長。ちょっと商店街の方へ行ってみます。」

「はい、いってらっしゃい。お昼には戻るんですよ。」


 アンさんにあいさつをして再び商店街の方へ向かった。




「そうだなぁ、オーダーメイドになるから多分大銀貨から金貨くらいになるんじゃないかな。」


 ペンチの代わりになりそうな道具はあったが自転車用の特殊な工具の代わりになりそうなものは無かった。仕方がないので作れないか確認してみたが予算が足りなさすぎる。

 オイルやグリスについても満足のいくようなものはここには無いようだ。


「ありがとうございました。また困ったら相談に来ます。」

「こっちでもそんな感じの道具がないか探しておくよ。アンさんの屋敷にいるんだろ?」

「はい、よろしくお願いします。」


 初老の店主に挨拶をして店を出る。実はアンさんの知り合いだとわかったとたんに、ものすごく協力的に相談にのってくれた。またアンさんの謎が1つ増えた。


 2時間ほど目ぼしい商店を回ってみたが同じような感じだった。昼まであと2時間くらいあるはずだから、当初の目的の通りギルドの図書室へ行ってみよう。


「キナさん、図書室をお借りしたいのですが。」

「了解ニャ、鍵とってくるから先に行っているニャ。」


 ギルド内は空いており窓口にはキナさんともう1人しかいなかった。疑問に思ったので合流したキナさんに聞いてみると、ギルドが忙しいのは朝と夕方なので、空いている昼は交代で休憩をとったり、奥で書類の整理をしているとのことだ。


「ここが図書室ニャ。貴重な本もあるから帰るときは絶対に窓口に寄るニャ。あと持ち出しも禁止ニャ。」


 入った図書室は四人掛けのテーブルと本棚がある少し薄暗い部屋だった。外に比べて気温が低く過ごしやすい。本の保存のために何かしら対策がしてあるのだろう。

 小さいと説明されていたが300冊以上は本がありそうだ。

 キナさんに礼を言い、とりあえず端から読んでいく。


「食べられる野草、食べられない野草」か。アイテムボックスがあるとはいえ旅の途中に必要な場面があるかもしれない。日本にいたころにも毒草によって死亡したと言うニュースがあったから必要な知識だな。


 読んでいてふと思い出して「知識」で書いてあった野草を調べてみる。その野草の名前だけをみて「知識」で調べた時と本を読んだ後に「知識」で調べた時を比べると本の内容部分が追記されていた。

 暗記する必要がないのですごいと思うが、油断していると足元をすくわれかねないので、最低限重要だと思ったことについては暗記することにした。


 何冊かを同じように読んでいたがそろそろお昼の時間に近いだろうと思い、アイテムボックスから腕時計を取り出し時間を確認する。


 時刻は4時14分。


 おかしい。ギルドに来たのは10時ごろだったはずなのにその時刻はありえない。時計が止まってしまったかと思ったが見た限りでは正常に動いている。

 ギルドの1階に戻り壁時計を確認してみると11時43分だった。


 そろそろお昼だったので、キナさんに今日はもう帰ることを伝えルージュにまたがり家路につく。

 この不可思議な現象について仮説を考えてみる。


<仮説1>

 アイテムボックス内と現実で時間の流れが違う。

<仮説2>

 アイテムボックス内は光がないため太陽光発電できず時計が止まってしまった。


 仮説1に関しては時間の流れが速い場合、遅い場合の両方が考えられるな。検証は早い場合の方が短い時間で出来るだろうから先に早い場合の検証を行い、その後遅い場合の検証を行えばいいか。

 仮説2は暗い場所に時計を置けばいいだけなので簡単だ。時計自体にコンデンサもあるはずなのですぐに時計が止まるとは思えないから可能性は低いと思う。


 とりあえず使用人の仕事の前に仮説2の検証、その後仮説1の検証をしてみるか。

 新しいことを発見できそうなので、わくわくしながらペダルを回した。

自転車用語豆知識

(ホイールのフレ)

振れとも言います。スポーク(ホイールの中心から出ている細い棒)の左右の力の釣り合いがとれておらずホイールを回転させたときに歪んで回転する現象。今回のは横振れ。別に縦振れもある。

(ディレイラー)

変速機のこと。フロント(前)とリア(後)の二つある。転倒で不具合が出る箇所ナンバー1。(あくまで個人の感想です)


自転車用語でわからないことがあれば後書きに追加しますので感想でもなんでもいいので教えて下さい。


読んでいただきありがとうございます。

よろしければ感想、誤字指摘などいただけたらありがたいです。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ステータスが上がるような物語で自転車を使うネタが少ないと思ったらこの作品を見つけました。まあどこまで車体剛性が耐えられるかという問題もありますが。 [気になる点] フレとりは工具がないと苦…
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