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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第三章:猫人族の里にて
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隷属の腕輪

昨日、活動報告であの3人の短編を投稿しています。

興味のあるかたは是非見て下さい。

もちろん本編とは関係ありません。

「とりあえずメルリスへ帰ろうか。持ち物から考えても私達じゃあ対応できそうにない。」

「そうだニャ。ミアおばさんに相談してみるのがいいニャ。」


 アジトの前に停まっていた馬車をありがたく頂戴してメルリスへ向かう。もちろん私が馬車を動かせるわけがないので御者はヒナがやってくれている。私のゴーグルを貸そうかと思ったがヒナは夜でも目が利くらしい。月も出ていて明るいし大丈夫かな。私とノノは馬車の中で彼女を監視する役だ。まあ監視とは言っても体は土魔法で動かないように固定しているし、口はさるぐつわしているので逃げたり自殺されたりする可能性は無い。そんなことが出来るならそもそも捕まっていないだろうし。


「あっ、目が覚めたみたいね。」


 1時間程度走ったところで彼女は目を覚ました。周囲を見渡し自分の状況を確認した後、突然苦しそうにしはじめた。やっぱりそうか。


「しばらくお休み。」


 太ももに眠り薬付きダートを突き刺し眠らせる。しっかりと効果が出たことを確認し引き抜いて治療してやる。

 隷属の腕輪か。なかなかにえぐい装備だ。魔術式を読んだ限りだと稼働するために装着者の魔力を常に吸収し、命令違反を犯したと判断すると魔力を過剰に吸収しその魔力を使い苦痛を与える回路になっている。無理やり外そうとすると魔力を吸収しつくし爆発するようだ。

 意識を失うと命令違反の判断が切れるみたいだから寝かしたままにするしかない。2日間暇になるのでこの鍵でも開錠して時間を潰そう。


「そういえばタイチは無詠唱や詠唱短縮で魔法を使うけれどどこの学校で習ったの?」

「えっ、別に学校なんて行ってないけど。」

「そうなの?エルフと違って人族は魔法学校へ行って魔法を習うって聞いたけど。」

「そもそも師匠にもヒントはもらったけど教えてもらったようなそうでないような。先に魔法が使えた人も普通に無詠唱だったしね。」


 まあその人はルージュなので正確には人ではないが。


「でもあなた、それが普通じゃないって気づいてないでしょ。」

「どういうこと?」

「詠唱短縮や無詠唱はスキル外のスキルと言われていて、詠唱短縮は10人に1人が出来るかどうか、無詠唱なんて10000人に1人くらいよ。それも特定の魔法だけだったり、威力が極端に下がったりといろいろ制限が多いの。」

「でも私の周りは普通に無詠唱で魔法を使う人ばっかりだったよ。」

「それが異常なのよ!!せっかくの私のアドバンテージなのに・・・。」


 後半の部分は声が小さくて聞き取れなかったがどうも本当にまれなことのようだ。スキル外のスキルか。だって本当は詠唱が不要なのにわざわざ詠唱しているんだからそりゃあスキルとしては無いだろうよ。考え方の根本が間違ってるからな。

 でも人前で魔法を使うときは偽装したほうがよさそうだ。それにしてもなんでヒナは驚かなかったんだ?


「ねえ、ヒナ。話は聞こえてた?」

「うん?魔法の話かニャ?」

「そうそう。なんで無詠唱で使ってたのに驚かなかったの?」

「まあ、タイチならそういうものかと思ってたニャ。」

「さいですか。」


 なぜかヒナの私に対する評価がさらにおかしくなっているような気がする。そのうち死んだ人を生き返らせたとしてもタイチだからで流されそうだ。まあそんな奇跡的な魔法は出来ないとは思うが。生きる不条理みたいな扱いはさすがに心外だ。


 しばらく話していたがノノが寝てしまったので起こさないように静かに隷属の腕輪の開錠に取り掛かる。さすがにモノがモノだけあって非常に複雑な構造だ。久しぶりに本気で集中しなければ。

 カチャカチャと鍵穴を探り、道具を選んで詰め込んでいく音と寝息のみが馬車の中に響く。途中で一度彼女が目を覚ましてしまい、今までの作業が台無しになってしまったので腕を完全に土魔法で覆ってもう動けないようにした。これでやり直さなくて済む。

 たまに起きるのでそのたびにダートを突き刺して眠らせて、治療してから作業を続けていく。突き刺すごとに段々嬉しそうな顔をしていくようになったけど変な副作用が出ていないか?

 そのうちほしい形状の道具が足りなくなったので土魔法で作ってみた。その時に土魔法で鍵を作ってしまえばそれで済むんじゃないかとも思ったが最後の仕上げが出来ないのであきらめた。

 後はこれで最後の仕上げさえすれば完成というところでふと顔を上げるともう空が明るくなり始めていた。7時間近くかかった訳か。最後の仕上げの属性キーを取り出す。

 この属性キーは属性を持った特殊な鍵を開けるために使う道具だ。まさか迷宮ではなくこんなことに初めて使うとは思わなかったが。


(ルージュ、シティサイクルモード。)

(りょーかーい。)


 ルージュの変身が終わり、光魔法が使えるようになったところで属性キーに光属性の魔力を流して鍵穴に差し込みひねる。カチャリという音と共に腕輪が外れた。開錠成功だ。

 モノがモノだから闇属性かと思ったのだが逆だった。光属性で作られた理由はいろいろと推察できるが、まあどちらにせよ結論は出ないので気にしない方針で行こう。なんにしろ対応できる属性で良かった。

 これで貴重な眠り薬付きダートを消費しなくて良くなった。いくら中級迷宮で補充できたとはいえ限度があるしな。しばらくして目が覚めた彼女をそのまま放置したのだがとても残念そうな顔をされた。本当に大丈夫な薬ですよね、ロンソさん。


 馬にヒールやクリーンをかけたりしながら、多少無理をして1日半ほどでメルリスへ戻った。まさかノノまで馬車が扱えるとは思わなかった。ちょっと習いたいと思ったが回復魔法を使える私が監視役を外れるわけにはいかないので我慢した。その代わりではないが腕輪の開錠を土魔法で出来ないか研究していた。属性キーとの接続部分を考えればなんとかできそうな気がするので研究を続けよう。


 メルリスの門で箱に詰め込んできた盗賊のリーダーと見張りの2人の引き渡しはすんなりと終わったのだが、取引相手の彼女の扱いはここでは判断できないということで中央まで確認しに行ったのでしばらく足止めを食った。その間にヒナにミアさんを連れてきてもらうようにお願いしておいた。

 ミアさんが門に来たと同時くらいに中央から役人がやってきた。役人というよりは執事のような感じだ。名前はたぶんセバスチャンだ。

 私もヒナも手に負えないと思っていたので事情だけを話し、ミアさんとセバスチャン(仮)の話し合いの結果、領主のところで直々に調査するらしい。報酬は後日ギルドを通して支払われるそうだ。


「今日はもうメルリスに泊まろう。さすがに徹夜3日目はきつい。」

「そうだニャ。タイチお疲れニャ。」


 ヒナはノノと交代で寝ていたからな。余裕がありそうだ。


「あっ、そうだ。迷宮都市へようこそノノ。」

「えっと、ありがとう?」

「そういえばノノは泊まるところは決まっているのかニャ。」

「まだよ。初めて来たからギルドで聞くつもりよ。」

「じゃあいい宿に案内するニャ。」


 そういってヒナの先導で永遠の木陰亭に向かった。出発して3日で帰ってきた私たちにモカちゃんやマタリさんは驚いていたが喜んで歓迎してくれた。やっぱりいいな、ここは。安心する。

 夜はノノの歓迎会も兼ねて、ちょっと料理を持ち込んだりして豪華に祝った。ノノとモカちゃんも意気投合したみたいだしこれなら大丈夫だろう。

昔の奴隷の話などを調べると鬱になります。

本当に物扱いですからね。

読んでくださってありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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