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速さを操りし者  作者: 里芋師匠
幼少期
7/14

誕生日パーティー

大幅に遅れました!本当にすいません!

スランプって奴を経験しました!

活動報告に書いておけばよかった...

本当にすいません!

7


次の日、王都に来る時とはまた違ったお父様曰く王国の馬車で王城へと向かった。


そういえば普通、王族の誕生日はバルコニーとかから王族の方が手を振って平民がそれを祝うモノだと思っていたが、この世界では簡単な式典を行い、その後、貴族だけで祝うモノなのだそうで。


理由としてはやはり上級貴族が玉の輿に乗るための顔合わせだろうが、真相は分からない。


等と関係無い事を考えている内に王城へ到着したようだ。


王城の外見は水の入った堀に覆われていて吊り橋がかかっていて、4本の尖塔が周りを囲うように立つ建物だ。

しかもあまり大きい訳でもなく、だいたい15㎢あるフレア家の敷地2つ分位の大きさだ。


「アレウス、ムスペル、お前達も勿論クリア姫様を中心にだが、他の王族関係者や上級貴族に2人顔合わせをしておきなさい。」


やはり下級貴族、という立場ではあまり長い時間クリア姫様と2人きり、いや3人きりで話すことは難しいのか...


「「分かりました、お父様。」」





_______________


王城へ入る前と入った時にとても驚いた事がある。


王国の兵がお父様とお母様を見かける度に、


「お久しぶりです!士団長殿!副団長殿!」


と一度止まってまで敬礼して行くのだ。


お父様とお母様の兵士からの人望は相当厚いらしい。


付き添いの兵士が大広間の前で去って行くとお父様が、


「では、行こうか。」


と言い、我々もその後ろに着いて行った。


大広間に入った俺達フレア家は上級貴族達に軽く会釈し、真っ先に現29代目の王様である、


ゼラム・カイヤナイト王とその娘、


クリア・カイヤナイト王女の元へ向かった。


何というかこうゼラム王は身体から偉いオーラがでている。


クリア姫はやはり2歳児らしい可愛らしさを携えている深窓の令嬢、と言った様子だ。


お、お父様とお母様と王様がなんか話してる。


「本日はクリア王女様のお誕生日、おめでとうございます。ゼラム王様。」


「あまり畏るなスルト元士団長。私と君は旧知の仲だろう?」


「それ以上に主従の仲なのでは?」


「ハッハッハ、ユミル元副士団長も久しいな。子供達も息災に暮らしているようで。」


「はい、ゼラム王様につきましてもお変わりの無いようで。」


俺等もなんか話さないとな...



「初めましてゼラム王様、クリア王女様、私、フレア家長男、ムスペル・フレアと申します。」


「初めまして、ゼラム王様、クリア王女様、同じく、次男、アレウス・フレアと申します。」


「はじめまして、くりあともうします。きょうはわたくしの2さいのたんじょーびパーティーにごさんかいただき、まことにありがとうございます。」






やっぱり普通の2歳児はこんな感じなのか.....

そういえばムスペル兄さんはどんな感じだったんだ?


2歳頃から天才児だったのかねぇ?


そういえばこんな2歳児に似つかわしく無い言動をとっているのにお父様とお母様は気付いてないのか?それとも.....


「これからも我がフレア家.........」


.....気付いていたとしたら何故聞かないんだ?


「えぇ........ちろんです。」


俺が言うのを待っている?


「それでは、僭越ながらプレゼ...」


イヤでもそれは...


「.....!...とうございます。わぁ、.......ですか!」」


「では.....アレウス、行こうか。」


「は、はい!」


「ん?どうしたんだアレウス?」


「いえ、何でもございませんよ?」


危ねえ.....思考の海の深度8000m位まで潜ってたら話に置いてかれてた。


「さて、お父様とお母様は、と。」


「まだゼラム王様とお話してますね。」


「取り敢えず、他の貴族の方々と話していよっか?」


「はい、ムスペル兄さん。」


ということで大広間にいる他の貴族達をサーッと見回すと、俺とムスペル兄さん位の年の女の子2人いた。笑いながら何かを話していた。


片方は金髪で少しつり目で背が高い。もう片方は桃色の髪で少したれ目で背が低い女の子だ。


ムスペル兄さんと一緒にその子達に話しかけてみた、


「初めまして、僕はフレア家長男、ムスペル・フレア7歳です。」


「初めまして、同じく、僕は次男、アレウス・フレア2歳です。」


と、僕等が自己紹介をすると、金髪少女が、


「初めまして、私、ガルデ家長女、メラヴァ・ガルデと申します。齢は7歳ですの。」


と言った。すると今度は桃髪少女が、


「はじめまして、ファリアけちょうじょ、レヴァン・ファリアともうします。よわいは2さいです。」


と、言った。

確かガルデ家は2大公爵家だったはず...レヴァン家は候爵家だったと思う。


と、貴族名鑑から思い出していると今度はムスペル兄さんが、


「少しお待ちください。」


と言って、ムスペル兄さんが魔法を使い始めた。多分なんか作る気だろう。


取り敢えずムスペル兄さんの魔法の作業が終わるまでこの2人と話すか...


「ガルデ様とファリア様は前々からのお知り合いなのですか?」


「えぇ、ガルデ家は魔の森に隣接するレヴァン家の特産品である、魔の森の特殊な霊草を多く買っているのよ。

それより、ガルデではなくメラヴァと呼んで? 」


「そのときにメラヴァおねーさまがおうちにきたんです。

メラヴァおねえちゃんだけじゃなく、わたしもレヴァンとよんでください。」


成る程、特殊な霊草とは多分回復魔法の効力増加のための霊薬の材料の事だろう。

補足だがガルデ家は商人の家系で、レヴァン家は魔法士の家系だ。


メラヴァ様がレヴァン家に行った理由は多分顔合わせだろう。

その時にレヴァン様にも会った、ということか。


「お名前の件、了承致しました。」


お?ムスペル兄さん来たか。

まぁ、いい加減何を作っても疑問等持たないg


「魔力を込めるだけで温度を調節出来る魔具を作ったのでお2人に差し上げます。」


.............ムスペル兄さんがチートの第一人者だという事実が、また、確認出来たな。


まさか擬似エアコンまで作っちまうなんて。

人に譲る前に家に作ってくれよムスペル兄さん...


「まぁ?!この数十分間でこんな高度な魔具を作成したんですの!」


「すごいですムスペルさん!」


「それほどでm」


「な?!フレア家長男ムスペルよ。直ぐにその魔具を見せてはくれまいか?」


まさか王様の目に留まるほどとは...ムスペル兄さんはもう技術者としてやっていけるんじゃないか?


「は、はい。」


「ふんふん、冷気と熱気を放つ魔具か...ムスペル・フレアよ、これは如何使う為に作ったのじゃ?」


「え、っと暑い時期に涼しく、寒い時期に暖かい部屋として使うためです。」


「同じものをもう一度作れるかの?」


「少々時間はかかりますが一応...」


と、ムスペル兄さんが答えると、王様はお父様を呼び、小声で何かを話しはじめた。

大方ムスペル兄さんの擬似エアコンの作り方を国の魔具を作る職人、通称魔具職人に模倣させるつもりだろう。


「ムスペル、もしお前がよければ、魔具職人にこれの作り方を教えてやってくれないか?」


「ええ、勿論。」


「では、後日使いを送ろう。」


「承知致しました。」


とお父様が答えると同時に扉が開き新しく貴族が入ってきた。


「それでは!全貴族家が揃ったようなので、これより我が娘、クリア・カイヤナイトの2歳の誕生日パーティーを始める!」












_______________


「それでは、王様。フレア家はこれにて...」


「分かった。この者達を案内しr」


ドゴォオオオオン


何の音だオイ?!

って伝令の人の入ってきた扉の奥に赤い光がかなり集まっているぞ?


「失礼します!王様!1頭ずつ赤火竜と蒼氷竜が貴族街に侵入!王宮に向かって飛行中で「後ろ?!」!」


ズガァアアアアアアン


「キャアアアアアアアア!」


開け放たれた扉の奥の壁が赤白く膨らみを帯び、を火球で破壊し赤火竜が入ってきた。

ギリギリで速度操作したおかげで衛兵は逃げれたがクリア姫様は失神してしまったようだ。

赤火竜の後から蒼氷竜も続く。

赤火竜とは1つの火山に数匹住むと言われる赤色の火竜で、蒼氷竜は1つの氷山に数匹住むと言われる蒼色の氷竜だ。


この際だから竜種と龍の説明をしよう。


遥か昔この世界には、


獄炎火龍

激瀑水龍

極凍氷龍

轟電雷龍

戟嵐風龍

衝震土龍

絶陰闇龍


の7匹の龍がいたとされている。


彼等は龍神が世界の法則を守る為に生み出した存在なのだ。

しかしその内の1匹、絶陰闇龍は龍神を裏切り邪竜側につき、封印されたとされている。


それはともかく、その戦いを行う間も世界の法則を守るために絶陰闇龍以外の6匹は多くの竜を生み出したとされている。


つまり、龍は竜の祖なのだ。





...ハッ!またもや電波モードに?!




図鑑には滅多に人の住むところには来ないと書いてあったのだが..


『グギャァァァァアアア!!!』


「この数秒で?!衛兵!『我等は貴様等を害しに来た訳では無い。』な?!赤火竜が喋っただと?!」

と王様。


っていうか竜種が喋っただと?!図鑑では竜種の祖である龍以外は喋れないと書いてあったのに...


『我は火竜の祖である獄炎火龍様の遣いである。剣を納めよ。』


『我は氷竜の祖である極凍氷龍様の遣いである。剣を納めよ。』


と赤火竜と蒼氷竜が言うと大広間にいた貴族の1人レディリア家の若当主が杖を抜き放ち赤火竜に向けた。


「貴様等!そんなことg「よい!レディリアよ。杖を納めよ。」しかし王様、此奴は「声が聞こえぬのか?儂は杖を納めよと言ったのだ。」...クッ、分かりました。」


王様の言葉でレディリアが杖を納めると蒼氷竜は話し始めた。


『物分りが良くて助かる。

早速、極凍氷龍様ののご命令を遂行するために問おう。

フレアと呼ばれる家名を持つ者の長男よ。ここへ。』


続いて赤火竜が言う、


『獄炎火龍様のご命令を遂行するために問おう。

フレアと呼ばれる家名を持つ者の次男よ。ここへ。』


「待て!我が息子達に何をするつもりだ!」


『『なに、ある紋を刻むだけだ。』』


「紋...?まさか!召喚紋なの?!」


マジで?!火竜の?!


『あぁ。しかし我等の紋ではない。

次の■■■■であるお方と次の■■■■の紋だ。』


うまく聞き取れなかったが火竜じゃない奴だってのは分かる。



「今何と...?『我等には時間が無い。こちらを優先させて頂こう。』...分かった...」


『まずは我だ。長男よ復唱しろ。


ー我、氷を敬わんとする者也、

我、蒼を尊ばんとする者也、

汝、我と永久の契約を交わし、

我が剣と成らんー 』


「は、はい!


ー我、氷を敬わんとする者也、

我、蒼を尊ばんとする者也、

汝、我と永久の契約を交わし、

我が剣と成らんー 」


ムスペル兄さんが言われた通り復唱すると、足元に蒼い魔法陣が現れ、一瞬強く輝き消滅した。


あの忌まわしき魔法教本には魔法陣の消滅と共に紋が刻まれる、と書いてあったので、既に契約は出来たのだろう。


『今度は我だ。次男よ復唱しろ。


ー我、炎を敬わんとする者也、

我、紅を尊ばんとする者也、

汝、我と永久の契約を交わし、

我が剣とならんー 』


「はい、


ー我、炎を敬わんとする者也、

我、紅を尊ばんとする者也、

汝、我と永久の契約を交わし、

我が剣とならんー 」


うおっ、眩しい!世界が紅いぞ?!


あ、治った。今度は鎖骨の下辺りがちょっと熱い...?多分ここに紋が刻まれたんだろう。


『『では、フレア家以外の者の記憶を消す。』』


「「「「な、やめろ!」」」」


と2竜が言い、貴族達が叫んだ瞬間、お父様とお母様とムスペル兄さんと俺以外の人の足元に魔法陣が現れ膨大な光が視界を包んだ。







_______________








「赤火竜に蒼氷竜を打倒した、か...」

と王様が言う。


「えぇ、しかし、何故現れたのでしょうか?」

と、傷だらけのお父様が返す。


「それは分からん。

にしても魔族を単独で倒すユミルとスルトでもギリギリの戦いだったとはな。」


会話の通り王宮、ひいては王都にいた人々の記憶では、突然赤火竜と蒼氷竜の襲撃があり、元騎士団団長と元魔法士団副長がギリギリで打倒した。

ということになっている。


真実を言えば、あの2竜は召喚するための詠唱を教え、古代魔法である記憶操作魔法をかけた人々がどういう認識になっているのか俺達に説明し終わると同時に倒れ伏した。


何故俺とムスペル兄さんに謎の紋を刻んだのかは教えてもらえなかったが、多分邪神との戦いの為だろうとあたりをつけている。


お父様はお母様と共に竜や自らの服や体を切り裂いたり燃やしたりして人々を誤魔化した。


正直お父様達にはとても申し訳ない。だって俺等の為だけに自傷行為を行ったのだから。


尚、竜を打倒したため褒章を賜る事になったお父様とお母様だが、所々壊れた王城の再建が終わってからになるらしい。


と、領地へ帰る馬車の中で昨日と今日に渡って起こった出来事を纏めてみたが、

王城が所々壊れたのもあの2竜が死んだのもお父様達が傷付いたのも全部俺等に契約を施す為だと分かるので、本当に心苦しい。


っと、領地に着いたようだ。


「昨日と今日は色々有って疲れただろう?

今日はもう休みなさい。謎の紋中身を確かめるのは明日すればいい。」


とお母様の魔法で傷を癒したお父様が言う。

優しすぎません?

俺将来堕落しそうだわ...


「「ありがとうございます。」」


あーっ疲れた!取り敢えず今日は何も考えずに寝よう!










やっぱ魔法の鍛錬だけしとこ...

楽しんでいただけたでしょうか?

それでは、ご意見ご感想改善点!

お待ちしております!

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