現代人の筋力について調べてみた
僕は今『アルベール冒険者学校』というファンタジー作品を連載しているのですが、主人公が現在11歳の少年で、一端の戦士を目指してのトレーニング中です。
彼やその同級生が冒険に突入するわけなのですが、ふと思い出してみると、11歳というのは現代で言えば小学6年生の年齢です。
多少鍛えているとはいえ、小6でスケイルアーマーを装備してロングソードをぶん回すというのはどういう具合なんだろうと思って、ちょっと11歳という年齢の筋力がどのぐらいなのかを調べてみようと思いました。
とは言っても、筋力という値はゲームでよく用いられるものの、現代日本では筋力そのものを計測、数値化するようなことはしていません。
(というか、筋力という言葉が示すものが広範過ぎて、数値化できません)
でもそれに幾分か近いものは、計測しています。
現代日本の体力テストでは、筋力を計るための1つの指標として、『握力』を測定しているのです。
これを筋力の近似値であると考えれば、11歳の少年が大人と比べてどの程度の筋力を持っているかを、ざっくり把握できるように思います。
年齢と握力
http://akuryoku.noyokan.com/data/age_grip_H25.html
これを見ると、握力が成熟しきるのは意外と遅くて、20歳を超えてからになるようです。
成人男子は48kg程度、成人女子は29kg程度が平均値です。
(ちなみに、50歳ぐらいまで、握力の平均値はほぼ衰えていません)
11歳という年齢では、身長・体重と同じく握力にも男女の差はほとんどなく、20kg程度です。
12歳以降から、ぐんと男女差が伸びてくる感じですね。
というわけで、11歳の少年は、成人男性と比較して、だいたい4割程度の筋力を持っていると予想できます。
ちなみに、成人女子は成人男子の6割ほどということになりますね。
さてこれで終わりでもいいんですが。
こうなってくると、同じ年齢間における個人差がどのぐらいあるのかとか、そういうことも気になってきます。
例えば、11歳の少年が、平均的な大人の男と比べて遜色ないだけの筋力を持っているようなことは、ありうるのか。
個人差の分散を見るにあたって、面白い記録がありました。
NMB48メンバーの握力ランキング出来たよー!!
http://www.tokyo-oly.com/archives/41058162.html
アイドル集団というのが、筋力面において偏りのある集団なのかどうなのかは微妙なところですし、計測の仕方も正確性を重視してはいませんが、ひとまず50人程度の数字がどんな感じで偏るのか、というサンプルにはなるかと思います。
これによると、一番上が34kgで、一番下が11.5kg、真ん中が24kgぐらい。
ちなみに、55人のうちのおよそ1/3にあたる18人が、23~25kgの範囲に収まっています。
ここから、55人のうち、一番上が平均値の1.5倍ほど、一番下が平均値の0.5倍ほどであることが見て取れます。
ただ、これはほとんど筋力を鍛えていない人たちのばらつきです。
ソースを紛失してしまいましたが、握力45kgだったスポーツ用品店の店員が、ハンドグリッパーで鍛えたら3ヶ月ほどで握力60kgに、半年ほどで65kgに伸びたという記述がありました。
また、ほかの記述でも、握力は+10kgぐらいだったら、きちんとトレーニングすればわりとすぐに伸ばせるとの証言がありました。
毎日バットを素振りしている小6の子どもが握力40kgあるという、母親らしき人物の記述もありました。
どれもソースとしては弱いですが、まあでもだいたい+10~20kgぐらいまでは、鍛練すれば伸びる数字っぽい気がします。
有名人握力ランキング
http://akuryoku.noyokan.com/data/yumeizin_rank.html
一流の力士や野球選手(多分、毎日バットを素振りしているせいで握力が高い)が名を連ねるこのランキングで、75kg~100kg程度(常人の1.5~2.0倍ほど)。
日本最強の生物と名高い室伏広治アニキが、120kg(常人の2.5倍ほど)です。
世界最高記録はマグナス・サミュエルソンという人の192kgだそうですが、これはもう単純な筋力というよりは、「握力計で数字を出すためのトレーニング」に特化した結果の数字かもしれません。
……いや、室伏アニキの1.5倍以上ものバカげた筋力を持っている人類が存在するなどと、僕が信じたくないがための贔屓目かもしれませんが(笑)
ですがまあ、ここまで来るとだいたい傾向が見えます。
特に筋力を鍛えていない一般人なら、その幅は平均の0.5~1.5倍程度。
筋力を鍛えているトップクラスのアスリートで、常人の1.5~2倍程度。
筋力を鍛えているトップアスリートの中でも、全人口中、億に1人程度の割合で存在するバケモノ級のアニキで、常人の2.5倍程度。
だいたい、そんな感じに分布されるのではないかと予想できます。
さて、そんなこんな調べていたら、気が付いたらハンドグリッパー2本(40kgと50kg、CoCじゃない安いやつ)と、3kgの鉄アレイ(店頭で持ってみたら、なんかいい感じの重さで心地よかったので)を2本、それにスメドレー式の握力計を購入している自分がおりました。
……CoCのNo.3をクラッシュしたらアイアンマインド社から公式認定されるっていう制度は、男心をくすぐるうまい商法ですよねぇ。
そんなものに釣られると思ってクマー、という感じで釣られまくった僕でした。
さてはて、ムンクの叫びのような骨皮筋衛門が、CoC No.2ぐらいをクラッシュできる日は来るんでしょうか。
No.1ぐらいは、1年ぐらい適当にニギニギしてたらいけそうな気がするんだけどなぁ。
あ、あと、ショートソードって1kgぐらいあるらしいけど、500gぐらいの酒瓶を振り回してみると分かるのが、棒状のもので1kgって全然軽くないよねっていうこと。
ショートソード程度を扱うにしても、筋力大事だなぁと思ったりしました。
終わり。