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ユウト

君が抱える真実を教えて。






人は会いたい人と出会った時、何と言うのか。

人は会いたくない人と出会った時、何と言うのか。

そんなの、どうでもいい。




「…ユウト。」


家への帰り道、今日は晴天だ。

俺、ユウトはのんびりと日に当たりながら帰っていた。

帰っていた。


「ハルト。」


ハルトだ。

こんな時間帯に会うなんて、珍しい。


「今日はサボってないんだな。」


「ああ、まあな。」


制服もちゃんとしたものを着ている。

ブレザーにネクタイだ。

そして…


「花束…?」


「あぁ、これは…なんでもない、いるか?」


「いや、いらないけど」


なんだか俺には、葬式に行く人の様に見えてしまった。


「どっか行く予定だったのか?」


「まあ…行けなかったけど。」


拒否されたんだろうか。

ハルトはいつも大人しいが、それでも覇気がある。

いつも通りじゃないハルトは嫌だ。

俺でも、元気づけられる事は出来るだろうか。


「ハルト、前言ったよな。また会ったときは…」


「…」





「モス……」









モスに来た。

しかし、俺はモス派だがハルトはマック派。

これはマックに行った方が良かったのでは…


「ご注文何に致しますか〜?」


「Mサイズのコーラ一つお願いします。」


「あ、俺もおなじでお願いします。」


沈黙だ。


もしかして単に弟とケンカして気分が悪かったりするんだろうか。

と、とりあえず何か話題をあげなくては!


「あのさ!」


「コーラのMサイズ二つお持ちしました〜」


タイミング〜〜!!!!!


「ありがとうございます。」


「ごゆっくり…きゃっ♡」


あの店員、ハルトに惚れたに違いない。


「…何。」


「マ、マックの方が良かった?」


「モスも、好き。てかさ、飲み物だけだし関係なくね。」


ですよねー!!

なんで俺の方がこんなにテンパらなきゃいけないんだ。

今日はハルトにたくさん聞きたいことがあるのに…。


「ハルト、今日、何処いく予定…だったの。」


目を見開いた。

やっぱり聞かれたくないことだったかもしれない。


「無理にこたえなくても良いんだ、でも知りたくて。」


「友達の墓参り…。」


やっぱり。

花束にしては、そんな雰囲気の花ばかりだ。


「毎年、行こうとはするんだ、でも行く勇気が無くてさ。」


そう言うと彼岸花の花びらを一つちぎった。


「…行く資格すら無いけど。」


「それは、違うだろ。」


殺したなら、ともかく。

…そうだ、ハルトにはもう一つ聞くことがあるんだ。


「アイツにあわせる顔がない。」


「一度も墓参り行ってないわけ?」


「…まぁ。」


コーラを一口飲む。


「その方が可哀想だよ。絶対お前が好きだった奴も会いたいって思ってるって。」


「好きな奴じゃない。」


そう言いながらも目は泳いでる。

ハルトがここまで戸惑う姿を見れるなんて。

からかいたい気持ちを抑え話を続ける。


「俺はまだ身内の死と直面した事が無い。だからそうゆうのわからないけどさ、でもお前が思っている通りにそいつが考えているとは限らないんだよ、憎んでいたりするわけないんだよ。」


「まさか年下に説教されるなんてな。」


その上から目線がイラっとする。


「二つしか違わねーし!」


「二つもだろ、俺の弟と一つしか違わない。」


は、良いタイミングなんじゃないか。


「あのさ、そのアキトとこの前会ったんだよ。」


ハルトの眉がひくりと上がった。

本当、弟思いな奴だ。

コーラを飲むと口を開いた。


「何を、話した。俺が嫌いとかそうゆう感じだろ。」


「まあ…そんなんだけどさ。ハルト、あのさ。」


言おうとして口が止まる。

本当に聞いていいのか?

俺は、ハルトの事をこれ以上知ってどうしたいんだ?

こんなの、ハルトに罪悪感と後悔という負担をもたせるだけじゃないか。


「言えよ。」


ハルトはそっと笑ってみせる。


「俺は、こたえてやるから。」


「……あのさ、ハルトって親、殺したわけ?」


顔を見ると、何事もなかったかのような真顔だった。


「アキトがそう言ったのか。」


「うん…まあ、曖昧だったけど。」


ため息をつくとコーラを一口飲んだ。

この反応は違うって事か?


「母を殺したのは俺だ。」




「…え?」




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